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投稿者:帛門臣昂 - この投稿者のレビュー一覧を見る
久々に存命作家のもので良い小説を読んだ。芥川賞を受賞した本作は表紙からしてそそるものがあったが、優先順位は低かったため文庫化とともに購入した。今では後悔している。
本作における語り手は「むらさきのスカートの女」に偏執狂的に関わろうとしている。それゆえか、語り手は自らを主軸に据えた語りを殆どしない。語り手の主観が希薄だ。基本は希薄なのだが、時々ぐっと前に出てきて、自身に関することをいきなり言い始める。これは相当不気味だ。新鮮な感じがした。
今村氏の作品はすらすら読めるけど、実は深くて怖い
2022/09/06 11:53
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
最後の場面にハッとさせられた、本当にむらさきのスカートの女は実在したんだろうか、黄色いカーディガンの女だけが実在していたんだろうか、とも思ってしまった。色付きの二人の女以外の登場人物の反応を考えたらむらさきのスカートの女は実際にホテルの清掃員として働いていたことはたしかだとは思うけど・・・、それにしても奇妙な小説、ホテルの備品をかっぱらっているのは紫だけではなく、黄色にいたってはバザーで売り飛ばしてさえいる、おそらく他の従業員も五十歩百歩。どうして今村氏の小説がすらすらと読めるのかというと、本人が小川洋子氏との対談で「私はあまり難しい言葉を知らないので」と語っていたが(もちろん謙遜されているのだろう)、できるだけ平易な言葉でややこしい人間関係を描いてくれるからだろう
めちゃくちゃ面白かった!
2024/03/15 16:24
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投稿者:涼 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレ注意
表紙の絵がちょっと怖く、ミステリなのかなと思いましたが。
結局、何も起きませんでした。そこがまたいい。
黄色いカーディガンの女に狂気を感じるぐらいで、本当に何もない。
短いので、スラスラ読めました。おすすめです!
すらすら読めます
2022/07/26 23:21
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投稿者:erry - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初から最後まで、むらさきスカートの女が、謎
そして語り手の人も謎
全てが謎
だから面白い!
なんとも不思議な感覚になりました
2022/07/21 17:40
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投稿者:みえ - この投稿者のレビュー一覧を見る
どこの町にでも居る、ちょっと変わった有名な人が「むらさきのスカートの女」なのかな?なんか不気味。そして存在感のない「黄色いカーディガンの女」最初は亡霊かと思った。変なストーリーだった。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
何故、こんなに、むらさきのスカートの女にこだわるのか……そっちの方が、なんか違和感ありました。それよりも、芥川賞受賞のちの第一のエッセイが全文読めます。ファンの方はぜひ読んでみて下さい
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とても面白かった…!
初めは「むらさきのスカートの女」という変わり者について語るのかと思いきや、彼女を通して「黄色いカーディガンの女」の奇妙さ不気味さを感じさせられることになる。どちらが変人か。どちらが主人公なのか。
帯に「何も起こらないのに」とあったけど、私的にはめちゃめちゃ起こるじゃん…!という感じです。
本を読んで何も起こらないことなんてない、というのが自論です。
受賞に当たってのエッセイもとても良かった。著者の人柄が日常が伝わり好感を抱いた。
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文章で描かれていない"余白"が凄く広くて、その余白をああだったのかこうだったのかと想像するのが楽しい。解説を読んで、そういう読み方もあるのかとハッとしたりした。
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いや、なんかすごかった。
「むらさきのスカートの女」に固執してストーカー化してる語り手が怖すぎる!でも、その語り手と同じように「むらさきのスカートの女」を
知りたいと読み進めるうちに感じてしまい、一気に読んでしまった。
よくあそこまでストーカーして、周りにバレなかったな。
それだけ普段存在感がなかったってことなのだろうか。
友達になりたくつきまとっていた結果があれでは救われない。
でも所長をさらっと脅すあたり、やっぱり正気じゃない。
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Kindleにて読了。
『むらさきのスカートの女』の話か?『黄色いカーディガン』の話しだか…?
不気味な中に笑ってしまう場面もあり、共感の部分もあり、ゾクリの部分あり。
本当に今村夏子さんの作品は好き!
なかなか読む手が止まらずで困りした^ ^
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まだ単行本でしか売ってなかった時から気になっていた作品。
何も起こらないのに面白い、という触れ込みで、むらさきスカートの女が気になってしょうがない女の視点でずっと進んでいく。
むらさきのスカートの女は、一見はみ出し者のようで、実は集団の中に溶け込むのも上手かったりする。だけど、やっぱり他人にどう思われてても気にせず自分のペースで生きていける強さもある。そんなむらさきのスカートの女に、読んでいて惹き込まれるし、面白いと思った。
そして最後まで読んでいけば、むらさきのスカートの女のもつ、強烈な存在感に憧れて、そんな存在になりたかった女の話だったんだと気づかされる。その構成も見事だったし、巻末の作者のエッセイも含めると味わいの増す作品だった。
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お化けよりむらさきのスカートの女より職場のおばさんの方が怖い。
結局その環境下で強いものが正義になってしまうんだなと思った。
生活を犠牲にしてまで趣味に没頭する人がいるように、主人公にとってはむらさきのスカートの女が現実を忘れさせてくれる存在だったのではないかと思う。
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かなり昔に面白いと話題になっていた記憶。
他人がなんか気になる、変であればあるほど、
もっと見たくなる、知りたくなる。
それでいて、自分は普通でその人とは違うと思っている。
誰しもがひっそり持っている一面かもしれない。
終始危なっかしく、不気味な雰囲気だけど、
間違いなく面白かった‥‥!
読み始めてわりとすぐのタイミングから、終盤にかけて主人公にとにかく引き込まれるというか、
目が離せない。
次に起こす行動が気になって仕方ない。
ん?なんかこの主人公、、不自然、いや個性的なだけか。。
いや、待て待て、それはおかしく、、ないか?
いややっぱおかしい!
おかしいおかしい!笑
と、徐々にその異様さに気がつき、
どんどん引き込まれ、一気に読み終えました。
‥‥けど、異様さとは何か。
怖いもの見たさのような、うわー変なのって思いながらも、目が離せずこっそり覗き見る。
もっと見たい、知りたい、と欲が出る感じ。
結局自分も、紫のスカートの女を観察していた主人公を面白がって執着していただけなのか。
この本を通して陰からこそこそ見て、面白がって、周りが見えないくらい、黄色いカーディガンの女に引き込まれてしまっていたのかもしれない。
わかりやすい伏線回収ではないけど
散りばめられたものが最後にざらざら集まってくるような。今村夏子さんの作品はなんとも言えない後味で癖になる。
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主題がよく捉えられなかった。
なんだろ、不気味なお話だなという印象。
紫スカートの女といつ友達になるのかな?と読み進めたが、結局よく分からず。
紫スカートの女のことを気になってる人視点で物語は進むが、
どうしてここまで把握してるの?ってくらい
細かく紫スカートの女のことを追ってるし、
執着する理由もわからない。
紫スカートの女自身は、職につき 色んな人に関わり
元々の姿からは想像できない変化をする。
その紫スカートを追ってる女は、よく分からない。
何を目的に生きていて、何をしていて、どのような暮らしをしているのか。
ただ紫スカートの女が気になってることしか。
人って怖いな、そして色んな人生があるな。
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最初から最後まで不気味な雰囲気のお話でした。
誰が異常なのか分からなくなるくらい登場人物全員に恐怖を感じましたが、
その全員が「誰かに」「自分に」当てはまってしまうようなリアル感が不安にさせてくる内容でした。
「わたし」は”友達”じゃなくてむらさきのスカートの女になりたかったのかな…