山の食事はうまい
2022/10/01 17:20
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投稿者:E司書 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者が登った山々の思い出を食事に振り替えて綴るエッセイ集。高山、低山を問わずその場所、その環境で食べたご馳走をエピソードにからめて振り返る。都会で食べる何気ない食材が山では一味も二味もうまく感じる。登山をたしなむ者なら思わず頷いてしまう山のエッセンス満載の一品。
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中年になり、山との付き合い方が変わり、自然への視線も変わった沢野さんのエッセイ。
食べ物の話もあるが、山への接し方がメインディッシュ。
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「山の帰り道」から続けて読み終えた。
山のごはんだから、山の中での話題がこちらの方が多い。一日に一編しか読まないことにして、読み進んだ。一つ一つは印象的なのだが、続けて数編を読むと、山が混じってしまう。一つ一つの山行を大切にしたいと思った。
あまり命のやり取りのないような山登りの描写がとても楽しい。山登りの楽しさと、幾らかの寂しさと、でも、やはり山は元気をくれるところなのだ。
懐かしい山の名前も多かった。
画伯の絵が実によい。
この本をガイドブック代わりに山行計画を立てても楽しそうだ。
今が夏なら間違いなく明日は山に行くだろう。必ずそうさせる魅力の詰まった本との出会いだった。
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食べ物の思い出から振り返る山行。外で食べるご飯はなぜこんなにも美味しいのだろうか。
イラストとエッセイ。日帰り登山から数日をかけて稜線歩きまで。その時々、ヤマで食べた食事を含めたもの。
山で食べるおにぎりの美味しいことを思い出す。
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沢野さんの山登りと、山で食べたごはんとお酒の話。
山の専門家に連れられて、食料係も一緒に登る、こんな山登りを私もしてみたい。
沢野さんが登った山を書いておく。
羅臼岳
奥多摩・生藤山
海谷山塊
鍋割山
阿弥陀岳北西稜
雲取山
黒部渓谷・志合谷
巻機山・米子沢
北鎌尾根
秩父・観音山
北八ヶ岳
大雪山
川苔山
高水三山
西丹沢
西穂高
飯豊連峰
朝日連峰
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著者とタイトルに惹かれて読んだ本だが、主たる内容はやはり著者の登山や山歩きをテーマにした随筆。思ったほど「食べる」ことに多くの字数を割いたものではなかった。
しかしそれでも後悔は無い。
著者独特のなんとも飄々とした語り口で、山、山歩き、その仲間たち、そして家族への信頼や愛情が淡々と綴られているのが良い。
もう60代半ばの高齢になってしまった我が身では、さすがにこれから本格的な登山を始めようとも思わないが、久しぶりに高尾山にでも足を運んでみるか。無理なくほんわかとそう思わせてくれるような一冊。
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山を歩いているとき、遠くのほうから不意に人の声が聞こえることがある。
立ち止まり、耳を澄ますが、風が木々を擦るかすかな音である。
雪山に入ると、雪がすべての音を吸い込み、その静寂さに驚く。
山の音は邪魔にはならない。