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評価内訳
2023/08/06 12:53
投稿元:
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最後が駆け足過ぎて伏線の回収が荒々しい。 それでも最後の2行だけのために読む価値がある一冊。 岩井志麻子の岡山モノではなく東南アジアもの。 往年の耽美な文章を期待したものの回りくどい言い回しが増えただけのように感じる。 しかし文章のキレは期待以上のものでその場に女の匂いが残りそうな濃厚な文体と何度も見返すような一撃を秘めた一冊。 今までの岡山モノにあった忌まわしさのようなものではなく、灼熱の南国の猥雑さを楽しむもの。
2024/08/14 21:02
志麻子先生のフィクションかつ長編は久し振りではないでしょうか。(書き下ろしでの発行は2年前です。私が気が付かんかっただけでそれでも間が空いてた) この作品は金子光晴リスペクトですね。 妻を連れて南洋、巴里へと放浪する作家。 怪奇と汚濁、退廃と幻覚と。 作中を通じて足許もあやうい螺旋階段を昇っているのか降りているのか。最後の1行になっても何も終わっていずどこかにまだ続いている。 志麻子ワールド復活の1作でした。読み応えあり。 私はほんとうに影響を受けやすいので東南アジアへの旅費を調べ始めた。現在のシンガポールは作中のとイメージ違うけどマレーシアは金子はどういうふうに滞在してたっけ?調べ直そう