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過去全体を理解しようとパノラマ的視点から見た歴史、それが「ビッグヒストリー」。著者は宇宙、地球、生命、人間の4つの領域に分けて考察する。
まずはビッグバンによる宇宙の誕生。最新の推計では138億年前のこと。
それから何が起きたのか。
1 恒星を生み出した。
2 その恒星の中で元素を合成した。
3 一部の恒星を爆発させ、新たな元素を宇宙空間に解き放った。
〈地球の誕生〉
太陽系は、大量の水素、ヘリウム、そのほか微量の元素で構成されている。しかし、地球の主成分は、酸素、マグネシウム、ケイ素、鉄の四つの元素。
特にケイ素は、ほかの元素と結び付く手が4本あり、鉱物粒子を作ることができる。多くの道具にケイ素が含まれ、技術を発展させた。
そして生命が誕生し、進化により人間へと。
本書に寄せられた京大の鎌田浩毅氏の言によると、「連続」「偶然」が織りなす驚きに満ちた物語。
私たちが今現在こうして存在していることを壮大なスケールで解き明かしてくれる、ワンダーな書である。
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ビッグヒストリーという概念を初めて知った。地質学・天文学・地球科学・生物学・分子遺伝学・歴史科学等、様々な分野をタテ糸とヨコ糸で織り成す、包括的な視座によるアプローチ。人間世界がごく僅かな可能性の中から生まれてきた、すべて偶然の連続の上に現在の姿があることがよく分かる。ビッグヒストリーという視座を持つことで、様々な物事、日々の出来事の見え方・意味付けも変わると思う。今というこの瞬間に存在するという奇跡に思いを馳せらされる一冊。
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「サピエンス」に「銃・病原菌・鉄」に・・・最近の学問で求められている傾向はこういう大局観ということなのでしょう。
読んでいて、ただただ面白い、なるほどそういう風な視点かと思うことは思うのですが。
何かと”落ち”を期待しすぎると、自分で落としきれない、すくっても流れ落ちていく水を眺めているようなそんな気持ちになるのでした。そういう世界観というものを単純に受け入れたいような気もしつつ、まだ慣れていないのかもしれません。
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題名に惹かれて読み始めたが、流石に138億年を一冊にまとめるのはかなりの荒技である。ビッグヒストリーということで、出来事ではなく理論的な可能性、結果的に今がある偶然の可能性というところを論ずるだけになってしまうのはやむおえない。
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雷竜さんの“この本に出会えて良かった”ブックリストを見たのがきっかけです。
図書館でも、足を運んだことのない棚にこの本が並んでいました。
私は、歴史や科学 理系は苦手分野なので新しい挑戦でした。
まさに、ビッグヒストリー!
語彙力もないのが自分でも残念です。
“へっー”の連続の感想です。
『自分を含めこの世に生きている人はみな、勝ち目がほんのわすがしかなかったにもかかわらず、限りなく非情な偶然のゲームをくぐり抜けてきた勝者である。
ー私たちは、わすかな可能性の中から幸運にも生を享け、この世界、この状況を受け継いだ。その私たちの行動が、ビッグヒストリーの次章を紡ぐことになる。』
受け継いだこの命のバトンに感謝し、大切にしよう。
この本と雷竜さんとの出会いに感謝です。