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はじめからおわりまで、ふんわりやさしい空気をたもちつつ、ワクワクした気持ちで読めた。ラストの一文が印象的。装丁もすごくかわいい。K文学は装丁素敵なもの多いなーとあらためて感じた。チョン・セランの他の作品も読んでみたい!
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久しぶりに幸せな気持ち!
普段恋愛ものは好きじゃないけど、このジャンルはずるい。
後半、少々環境問題や社会情勢に対して説教臭くなりすぎてる感があったが、それでも純度100%のラブストーリーに素直に心が弾む。
ストレートに気持ちを伝える彼のセリフはどれも美しい。
「彼氏がある日宇宙人と入れ替わってそこから色々あったけど最後には愛が芽生えて婚約してあとはご想像にお任せ」的な終わり方でも十分に素敵なストーリーだが、
この物語では、そこからの結婚後の2人の価値観や生活の変化、親友や家族との関わり方、気になる夜の生活や子供について、まさかのご本人登場からの胸が締め付けられるような展開(ちゃんと韓国ドラマっぽい展開に不覚にもキュンとする)、そして人間ハナが最期を迎える瞬間までの長い時間がちゃんと描かれている。
そのため読了後のスッキリ感と幸せ感が高い!
どんなきっかけで出会い、お互いに異なる文化や価値観があるとしても、こんな風に理解し合えて愛し合える人と出会えたら、それはとてもとても幸せなんだろうな。と夢を見るような気持ちになれた。
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「互いへの信頼が築けない社会だ。上の世代がぶっ壊してしまったものを、僕たちの世代で元に戻せるだろうか」
ボロボロになっても、もうこれ以上続けることは出来ないと思えても、再生の可能性を諦めず、作り直していく。洋服も社会も地球も人との関係も。
優しくて爽やかで、そして終わりの淵まで行っても、作り直せる可能性はあるという力強さがある作品だった。
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宇宙規模の恋愛。ハナの恋人キョンミンは、少年ぽく、いつもハナをおいて好奇心のおもむくままにさっさと旅立ってしまう。それが、隕石落下事故があったカナダからの帰国後別人のようにハナを大切にして優しくなる。実は、カナダから帰ってきたのは二万光年離れた星から望遠鏡でのぞいて見えたハナに恋をしてやってきた宇宙人だった!本物のキョンミンは、自分についての情報と交換に宇宙フリーパスを手に入れて銀河系の外を探検中?!新しいキョンミンは、40パーセント位鉱物でできているらしい。最初は到底受け入れられないハナだったが、結局は宇宙規模の愛を与えてくれる新キョンミンと幸せな結婚生活を送る。そして、年をとり最期のときのどんでん返し。永遠の愛?楽しそうだ。
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宇宙規模の愛の物語.タイトルそのままと言っていいが,さらに言えば宇宙でハナだけという感じ.望遠鏡で星々を覗いたり,鉱物でできた宇宙人やハナの創作のような洋服のリフォームなど面白さがいっぱい.そして宇宙人キョンミンの真っ直ぐでしたたかな愛に乾杯である.
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気候変動に問題意識をもつ主人公が信念に基づいて行動し、周囲もそれを尊重する。
エンタメ性の強い作品で、当然のようにそんな様子が描かれていることに、すごく救われる。
自分が韓国文学を好きな理由を再認識した。
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表紙、毛糸かと思ってました・・・ふふ。
日常を描いているけど、どこかにSFを盛り込んだ話が好きです。おもしろい物語に出会えてうれしい!!
実は初めての韓国の本です。
訳書なので、訳者のすんみさんの訳のおかげなのか、痛快で、心地よいテンポで読み進められました。
何を書いても、ネタバレになりそうで、何も書けません(笑)
読んでみてください!
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宇宙規模の壮大な愛と他文化へのリスペクトと地球のサステナビリティと女性の人生についてと友情と推しへの抗いがたい信念とが、さらっと読みやすい日常系に落とし込まれていてチョン・セランって感じだった。愛おしいおはなし。
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読後 やっぱりチョン・セランが好き
と思った。大好きな『シソンから、』とは違ってSFだし、あまあまな彼が出てくるけれど
著者が26歳の時に書いた小説を36歳で書き直し、もう2度とこれほど甘い話を書くことはできないと思う というこの話は、もともとは『新環境SFラブロマンス』と銘打って出された話。それを現代の著者の目で書き直している。
「大好きな服を生まれ変わらせます」という『洋服直し屋』をしている主人公ハナは、彼に振り回されてばかり
その彼がひとりでカナダに流星群を見に行き、そこに隕石落下の知らせが…
帰ってきた彼はなにか違う。
とてもハナに優しく思いやりを持っていて、今までの彼とはずいぶん違う…実は…
この辺りから少しSFも含まれるけど、舞台は韓国の普通の街
このカナダから帰ってきたあとの彼がもとの彼と違うみたいでとても理想の人。
地球環境を思い、自立しているハナとも合う
2人で社会的にも色々なことをしていくうちに…
という話なのですが、
『シソンから、』でもみられたように、地球環境を考え、自らの信念を持って生きている女性が描かれているところが好きです。
また途中宇宙の他の星の話が出てくるけど、その描写などもなかなか楽しい
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なんかふしぎな、ほんわかラブストーリー?
設定が少しSFなんですが。
交際歴の長いハナとキョンミンのカップル。
ある日、キョンミンが
ひとりでカナダ旅行へ出かけて事件に巻き込まれ
帰ってきたら別人のようにハナ想いになった。
いや、別人じゃなくて…もしかして宇宙人?
その事件というのが、隕石落下事故で
同じように巻き込まれて行方不明になった
人気歌手のアポロと
彼の長年のサポーターだったジュヨンの話も
同時並行で描かれて
やっぱりキョンミン怪しいわ!で盛り上がって
あっさり三分の一くらいで正体判明。
でも、そこからもまた、なんかおもしろい。
別人キョンミンはハナのことが大好きで
ハナもだんだん情が湧いてくるし
ジュヨンは宇宙でもいいから
アポロ探しに行くと言いだすし( ^∀^)
後半に「本物の」キョンミンが帰ってきて
すわ韓国ドラマのように修羅場!?
かと思いきや…ちょっとしんみりさせつつ
やっぱり、ぶっとびハッピーエンド!
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世界を放浪する癖のある恋人キョンミンが、カナダからハナのところへ帰ってきた。が、箸の持ち方が前より上手いし、嫌いだった茄子を食べる。極めつけはプラスチックかペットか見分けるために目からビームを出していた。これを見たハナはキョンミンが宇宙人ではないかと疑い始める。
SFファンタジー恋愛もの。
数万年前の内乱を逃れて地球の深海に隠れている宇宙人に内乱が終わったことを知らせに行く、とかエピソード一つ一つがユーモラスで、SFといってもガチガチではない。ストランディングしたクジラたちと交信するシーンは泣ける。
エコロジー(ハナの仕事自体が古い衣服を別のものに再生すること)やフェミニズムの視点が、心地よく、結婚式の準備は納得できるワクワクがあるし、何よりハナとキョンミンの愛情が伝わってくる。
しかし、本物のキョンミンより宇宙人のキョンミンとの方が大抵の女性は幸せになれそう。ということは、これはやはり痛烈なメッセージだと受けとるべきだろう。
「ときどき自分が地球人なのが恥ずかしいんだよね。いつまでも殺しあって壊し続けるのが」
「そんなに恥ずかしがることないよ。地球はいまでも平和とはほど遠いけど、偉大な魂が次々と生まれてくる素敵な星なんだから。ハナはアーシュラ・K・ル=グウィンと何年も同じ星に住んでたんでしょ。それは自慢していいことだから。最後までノーベル賞を与えなかったってどうかしてるよね」(P188)
ル=グウィンが出てくるあたり、ちゃーんと意図して書いていると思う。
韓国映画の実力なら映画化できると思うので、是非してほしい。
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あまーーーーい話の中にも環境問題や次世代へのシェルターの話があるのがさすがチョン・セラン先生。マジ甘すぎて途中『強すぎる…』ってなったけど好き…
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宇宙人と地球人のラブストーリーというSF設定、主人公のハナは厳格なエコロジスト、という、私とはやや縁遠い人々のお話しだったけど、だからこそ私の知る愛と変わらない素朴さや温かさが嬉しかった。
生まれや思想というラベルを見ると、つい「自分とは違う存在」と断定してしまいがちだけど、そんな思考をいま一度正してもらえたように思う。
ラブストーリーとしても、2人がだんだんと親交を深め、愛を形作っていく過程が、ほんとうに甘やかで穏やかで素敵だった。好きなお話でした。
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クスッと笑える文体と身近だけど壮大なストーリー、あと甘々な展開すごく好き!
ハナの環境活動家としての発言が自分に身近じゃなさすぎて少しうーんってなっちゃった。(環境活動を否定してるわけではありません!)