投稿元:
レビューを見る
読んでいてこうだろうなーと思っていたこととあまり差異がなくて意外性が足りなかった。
けど読了後の後味の悪さはさすがです。
集落の人たちの描写がかなりリアルで、ああこういう人いるよね……ってちょっとひいてしまったので、サービス業の方々は読んでてもにゃもにゃするかも。
投稿元:
レビューを見る
都市から移住者を呼び込み、無人になった村を甦らせよう、というプロジェクト。公務員の万願寺は、次から次へと舞い込む移住者たちのトラブルに、生真面目に、健気に、そして飄々と対応していく。そのトラブルを通して、過疎地域が抱える様々な問題も描かれ、最後にはトラブルの真相が明かされるのだが、万願寺が、なんとも、かわいそうであった…。がんばっていたのに。観山といいコンビだと思ったのだけれど…。課長も移住者たちとの面談ではやけに強気な態度だったことに少し違和感を感じてはいたけれど…。こういうことだったのか!
単なるミステリという面だけでなく、地方の抱える様々な問題を知らしめてくれた。
しかし、万願寺、立ち直ったかな…。こんなことされたら、私はしばらくショックで立ち直れないかも。
投稿元:
レビューを見る
限界突破して定住者ゼロ人となった集落に6年ぶりに住人がやってくる。
市役所職員の本分を超え、半ばなんでも屋のように住人の無茶な要求に振り回される万願寺。
絶妙に癇に障る上司の一挙手一投足や、当然のように扱き使ってくる住人への皮肉たっぷり文体が黒い愉しさ。
現実のままならなさは地を這うように襲いかかってくる。
住人のお悩み相談やら威圧的な要求やら、自分の今の職種と似てて少し懐かしさすら感じた。笑
この種の仕事のあるある笑いと憂鬱さと喜び。
自給自足のイメージが強い田舎集落の現実。
誰かの諦めが別の誰かを飲み込んでしまうことを生きながら何度も味わうのだろう。
探偵役は昼行灯だけどここぞという時に切れ者としての顔を見せる〜というタイプだったけど、それをかっこよく描かず絶妙に陰湿で癇に障るタイプにしたのやっぱり米澤さんさすがとなったというか。
だからまあ展開は想像し易かったけど、最後までブレない人物像で良かった。
投稿元:
レビューを見る
過疎と言うか絶村の地域の話
無人になって6年が経った地域に市長の肝入りで移住者を招くプロジェクトが始動!
担当するのは甦り課の万願寺とミスター定時の西野課長、そして新人職員で学生気分の抜けない観山の3人!!!
移住者は皆んな一癖も二癖もありそうな人ばかり!?
甦り課の面々というか万願寺さんが移住者たちに振り回される!?
そして、物語には大きな謎が隠されている・・・
物語のテンポに載せられると作者【米澤穂信】の罠に掛かる・・・
投稿元:
レビューを見る
万願寺の見せ場がないまま終わってしまったのが今ひとつだった。なんとなく結末が見えていたこともあり、西野課長と観山の背景ももう少し知りたかった。
投稿元:
レビューを見る
最終章の情景描写がとても素敵なところへ持って来ての、この後味の悪さよ(嫌いではない)万願寺くんに幸あれ!
投稿元:
レビューを見る
最後はユーモラスに無人化してしまった村。
冒頭のプロローグ部分で少し笑いそうになりましたが、その無人化した村に人が住みつき、再び繁栄させようと、Iターンで人を集めて住み着いてもらおうという政策に携わる公務員の主人公視点から描かれる、無人村再生プロジェクトの悲劇。
描かれている内容の根底あるものはなかなかごもっともなことで、こういう無人村を再生することのメリット、デメリットがあるということも含め、今各地で行われているIターンプロジェクトの是非は物凄く考えさせられる話です。
ただ、ミステリーとして読む分には、おや?っと思うところも大きく、ガチガチのミステリー、特に作者の日常の謎的なミステリーを期待するとやや拍子抜けするかもしれません。
ミステリーという意味では、個人的には作者にしては中途半端な気もしなくはないなと思う反面、こういうのもミステリーかと思うくらいには納得した作品でございました。
投稿元:
レビューを見る
話の構成が黒牢城に似てますかね。
いくつかのプチミステリーをこなして大枠の話が進んでいくような展開が。
そのプチミステリー部分ですが、何故か冴えてて本の話以外はカラクリがだいたい分かっちゃいました。
なんかテレビの突破ファイルに出てきそうな感じですね。
★3だなー、と思って読んでましたが、最後のオチの所は全くの予想外で、かつこの国の現状を鋭く指摘してて非常によかったです。気づかなかった伏線もたくさんあって「ほほぉー」となりました。
やはり田舎暮らしなんてのは、その利便性の低さに勝る郷土愛や人との繋がりみたいなもんがないと無理ですわなー。
そもそもIターンというか自治体の移住促進施策には前から懐疑的です。人口減少が止まらないこの国で、税金注ぎ込んで残ったパイの取り合いしてなんの意味があるのか、と。
産業や暮らしも変わり行く中で、居住地としての需要がなくなる土地ができるのは自然な淘汰であり、金使ってその波に逆らっても無理があるだろう。
IってIターンのことだったんですね。
てかIターンてターンしてなくない?
投稿元:
レビューを見る
米澤穂信の小説の何が好きって、時に爽やかに、或いはハードな語り口の中に、確かな苦味を感じるところなんですよね。
本作も一つ一つはライトな読み味で楽しめる軽い読み物と言った印象を受けますが、矢張り強烈な苦味が全体の味を引き締めているな、と感じます。
飽く迄これは"悲劇"なんですよね。看板に偽り無し。
投稿元:
レビューを見る
ミステリーの要素を含みながらも限界集落を抱える地方自治体の本質を描いているような作品で、ラストの答え合わせはなかなかに考えさせられた。
地方出身の自分にとっては、帰省の度に元気がなくなっていく故郷と重ねて少し考えさせられたりもしたけど、それでも個性豊かな移住者に振り回されつつ問題を解決していくストーリー展開や、万願寺と観山の掛け合い、西野課長のやる気なさそうで実は要所要所で何か裏でやってそう感とかライトな部分でも十分に楽しめたな。
登場人物のキャラが立ってて、シリーズ化したら面白そうだなと思いつつ、ラストの展開を考えるとちょっと難しいかな…。
投稿元:
レビューを見る
読了後は、全体を通してなるほどな、と思うこともあったけど、ミステリー色よりも、深刻な地方の過疎問題に気を取られてしまいました。面白くなかったわけではないのですが、のめり込むほどでもなかったので、今回は星三つ。でも、ダラダラ読んだわけではなく、一つ一つの物語はすっと入ってくる内容でした。
投稿元:
レビューを見る
地方自治体の現実と限界からなる悲劇が描かれていた。日常ミステリー好きとしては、ちょうど良い謎を楽しめた。ただ、もう少し自分に発想力があれば解けたのではないかと悔やむ。
最も印象に残ったのは第5章。唯一謎解きがなかった章だ。地方と都会について考えさせられた。この小説は物語と現実をリンクさせてしまう力があった。みんな何かを擦り減らして生活している気がしてならない。現実世界では消耗する人と土地に救いがあればいいな。
投稿元:
レビューを見る
移住しようとしてきた人達からしたら、いい迷惑だよな…素直にお詫びして企画をやめればいいのに…って、現実的なコメント。(笑)
投稿元:
レビューを見る
そして、誰もいなくなった。
Iターンプロジェクトを扱ったミステリ作品です。
テーマがテーマだけに、最後まで理解して読みきれるかなと不安になりましたが、杞憂でした。
読みやすく、そして練りに練られたミステリー小説です。
米澤穂信作品を好まれる人であれば読むべき作品だと感じます。
これはいいキノコでした。
投稿元:
レビューを見る
Iターンプロジェクトにより、移住者たちの支援をすることになった主人公。だが移住者たちは次から次へとトラブルに見舞われ、集落を去っていく。
僻地再生の実情を描いた物語と思いきや、ガチガチの本格ミステリだった。
読前と読後で印象が変わる小説。
面白かった!