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シリーズ2作目。
前作より面白かったように思う。
前作の感想で、過去の裁きを調べ直す、と言う設定なので、既に大罪人として裁かれ亡くなってしまった人の命は戻らず、歯がゆい、と言うようなことを書いた記憶があるのだが、
勿論、今回も同じ設定で、過去の裁きの再調べ、なのだが、
今回は17年前に殺されてしまった少年の事件を調べ直す、ということで、少年の名誉も回復されたと思うし、裁かれるべき人が、それなりの報いを受けた、と言う事で、救われる気持ちになった。
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大岡越前守忠相。還暦を越えてもなお吉宗の計らいで寺社奉行として幕閣に留まる旗本だ。忠相には南町奉行時代に下した裁きの中に引っ掛かりを覚えるものがあり、晩年を迎え内々に再吟味に乗り出すことにした。
シリーズ2作目の本作は、本編4章と序章および結章からなる。
◇
今回の再吟味は 17 年前に起きた、寺の下男だった少年が殺された一件である。
当時の調べでは、2人の所化による折檻死であると判明。
これは過失致死であり、少年の父から下手人御免の願いが出されたこともあって、入牢していた2人の所化は放免という裁きが下されたのだったが……。
* * * * *
前作よりおもしろかった。理由はいくつかあります。
いちばんの理由は、事件が謎に包まれた設定になっていることでしょう。だからサスペンスとして読み応えがありました。
また十一と金五郎の息がぴったりで、捜査の描写がおもしろく、読んでいて退屈しなかったのも大きいと思います。
さらに忠相も終盤に十分に存在感を放つ動きを見せていたし、エンディングで ( 恐らく ) 吉宗が申し渡した沙汰も読後感をよくしています。
物足りなかった点は2つです。
1つめは、お半がつけ足し程度の登場だったこと。十一と誼を通じそうな感じはよかったですが、彼女の魅力を考えればそれだけでは不十分だと思いました。
2つめは、十一の殺陣が控えめだったこと。どうしても唐木市兵衛と十一のイメージが重なるため、もう少し派手めの剣撃シーンを望んでしまいます。 ( それでも前作のあっけなさよりはマシでした。)
ただ、本作は主要人物の動きがかなりこなれてきており、次作に大いに期待できると思いました。
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楽しく読めた。ちょっと話が飛びすぎてたけど、まぁ、いつも通りの感じでした。
そこまで登場人物を多くする必要があったかどうか・・・?な気もしました。
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町奉行から外れても、大岡越前は裁きが気にかかる。十七年前、寺の年若い下男が折檻されて殺され、山桜の下に埋められた。父親が下手人御免の願いを出し、皆、お咎めなしと決した。その事件にいま、ある疑惑が浮かぶ。大岡越前は、鷹匠の子・古風十一に探索を命じた。あの裁きは正しかったのかと。(e-honより)