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面白い
いかにコモディティー商社が抜け目なく資源国の政府に取り入っていたか。
スイスは企業天国。
企業に対して甘い
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コモディティー商社という言葉に惹かれて手に取って見ました。日本では、超大手商社が有名ですが、私の働く外資系企業では、商社は日本の特殊なビジネスモデルとしてアメリカ人に説明をしている先輩たちがいたので、海外にもあるのか?というのが最初の驚き。まぁ、商社とのビジネスがあまりない企業なので深く調べることをしなかっただけとも言えるのですが…
この本、マネーゲームに取り憑かれた人間像に光を当てて詳細に記述されています。内容的には門外漢の自分が読むにはかなりくどい部分もあり読み飛ばした部分もありましたが、オイル、穀物、金属など、地球上で発生する需要と供給のズレ、時間を手玉にとって大金を手に入れるビジネスと言う事が分かります。証券だとアービトラージとか裁定取引とか言われる領域も金融はIT化によって一瞬の鞘取りで大儲けするモデルでは無くなっていますが、物を動かすコモディティー取引では、その儲ける威力は弱まったとはいえまだありそうな感じです。世界で起きている政治問題の裏側で、それとは関係の無いただ儲かるからやると言うビジネスが昔から今も存在し、また、そのシステムに米ドルと言う世界最強の通貨で圧力を掛けるアメリカと、影響を無視する中国。世界情勢などの見方の視点が増えた様にも感じました。公務員に対する賄賂って世界的みても近年まで普通に行われていたのか!とか。まだまだ普通な国はありそう。
この本の想定読者は、一体どう言う人なのか?ちょっと万人受けする感じは無いです。商社に在籍してコモディティー取引に関わる様な人とか?家族が商社で勤めている人、経済のモデルを探求している人? 投資家?
地球規模で物が動く多数のストーリーが載っているので知的好奇心の高い人は気にいる本なのかも知れません。
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コモディティ商社について歴史的な背景から踏まえて解説をしている。後半の参考文献のページだけでも50ぺージ以上ある。
コモディティ商社のトレーダーが表舞台に立つことなく、違法も承知の上でビジネスをして世界を動かしてきたことがよくわかる。
特に資源を安く買い付けて時間差で高く売るというようなことを繰り返してきたことが分かる。
政治的な関与はせずにあくまで経済合理性のある取引をすることがポリシーのようだが、実際にはその経済的リターンが取引相手に入ることで政治的な行動が加速されていることもよく分かる。
世界情勢に影響を与えてきたとも言え、知っておいて損はないだろう。
ただ、主に石油やアルミなどの資源の話が多いのである程度天然資源に関する知識はあった方が読みやすいと考えます。
また、最近はコモディティ商社の売り上げ構成比率も変わってきたり、かつての伝説的なトレーダーは皆死去していっているようなので今後はだいぶ流れが変わるだろうとも記載されている。
世界的には気候変動対策が叫ばれて久しいわけであり、需要がまだまだあるとは言え、コモディティ商社も変革を迫られていくのは間違いないだろうと感じました。
資源ビジネスを学ぶ観点としても世界の歴史を学ぶ観点としても有益な本だと感じました。