投稿元:
レビューを見る
――“ともだち”が、来るよ。文芸部の物語は、終着地へ。
神隠しの少女、あやめ。神隠しに遭い、戻ってきた空目恭一。その空目を護ることを誓った村神俊也。呪われた血を持つ木戸野亜紀。愛のために友を裏切った近藤武巳。近藤のことをただ慕う日下部稜子。呪われた土地に立つ聖創学院。異界の到来を望む魔女、十叶詠子……。
すべての因果が揃った時、かつて神が棲んだ山から、“それ”がやって来る――。
鬼才、甲田学人が放つ伝奇ホラーの超傑作。クライマックス他、最重要シーンを大幅加筆修正の末、堂々完結!
投稿元:
レビューを見る
新装版、無事完走。
敵の敵は味方ではないが、ここまで来ると摩津方は頼もしい味方に見えた。
魔女への最後の一撃は彼の分もあったから届いたと思うし。
最後の最後まで文芸部員たちはバラバラのまま。
でも孤軍奮闘、それぞれが役目を果たした最終決戦。
魔王様はただ待ってただけな気もするが。
そんな中、黒服たちが完全に蚊帳の外なのが、何とも。
彼らと魔王様たち、こうも開いてしまったか。
書き換えをしたという終盤、自分は雰囲気、そして魔女と魔王様の結末しか覚えていなかったのだが、特に違和感なく受け止めた。
結局、文芸部メンバーは本当にバラバラに。
残された追憶者は、ただ追憶する。
ただ残ったメンバーも普通というか平穏な日々には戻れまい。
今回の件で完全に置いてけぼりを食った黒服たちによって処理される可能性は残されていて(何せ残ったメンバー全員が何かしら不安要素を抱えた存在)何処か不安を抱えたままのラストとなった。
せめて少しでも長く平穏に過ごせたらと願う。
投稿元:
レビューを見る
「間より人、移ろう」
人一人消えたが。
今後何が起きるか予想も出来ない状態になったと理解しているからこそ、恐怖から遠ざかる為に逃げ出したのかもしれないな。
部屋の持ち主が居なくなった事実があったとしても、語られる物語がなければ動けないよな。
「各より謀、放たる」
二つが重なって。
普通でなくなってしまったからこそ見えてしまったものだとしても、慣れなくとも露骨に反応を示すのは良くなかっただろう。
異常な数字を聞かされてしまった時の恐怖よりも、選ばれてしまった苦痛が大きいだろうな。
「怪より怪、連なる」
役者は遂に揃う。
問題ばかり増えていく状況に対応するためには、一つずつ向き合い解決するしかないが流石に一度に捌ける数ではないだろう。
遂に面と向かって始まる闘いではあるが、どれだけ足掻いたとしても結末は見えてるかもな。
「月より宴、始まる」
開演の合図には。
既に何かしらに関わってしまっていることを伝えないからこそ、戦力外通告を受けてモヤモヤを消化出来なくなるのだろうな。
過去の過ちを忘れてしまった訳ではないとはいえ、それがあったからこそ選ばれたのかもな。
「山より神、降りる」
それぞれの役割。
本気で覚悟して動いていたのであれば、どんな場面に遭遇したとしても動揺を隠しきり心を殺して行動に移すべきだったろう。
命をかけた闘いが繰り広げられたが、このことは全て黙認され誰にも語られないのだろうな。