怪奇小説から抜け出したヒロイン
2024/03/17 20:43
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投稿者:DB - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作の『メアリ・ジキルとマッドサイエンティストの娘たち』がなかなか面白かったので、第二部となる本作も楽しみにしていました。
メアリ・ジキル、ダイアナ・ハイド、キャサリン・モロー、ジュスティーヌ・フランケンシュタイン、そしてベアトリーチェ・ラパチーニと名前を見れば原作がわかる十八世紀怪奇小説から選りすぐった登場人物の娘たちがアテナ・クラブを結成してロンドンで生活を共にしています。
豹娘のキャサリンが自分たちのことを小説にしているという設定で進んでいき、原稿を読んでいる皆の台詞が挿入されているのは前作通り。
メアリの勤め先はベーカー街221Bでホームズの秘書のような仕事をしているが、本作ではホームズは別の事件で行方不明になっているので脇役だった。
そのかわりアイリーン・アドラーがアテナ・クラブを助けてくれます。
事件の始まりはメアリの子供の頃の家庭教師だったミス・マリーの手紙に同封されてきた、ルシンダ・ヴァン・ヘルシングからの手紙だった。
ルシンダの父親はもちろんブラム・ストーカーの小説の登場人物であるヴァン・ヘルシング博士だ。
父親の実験の被験者にされてウィーンの精神病院に監禁されているから助けてほしいと見ず知らずの女性から頼まれ、メアリとダイアナとジュスティーヌがウィーンへ向かう。
旅券を手配し荷造りをするだけで一週間、ドーバーから船に乗り列車を乗り継いでウィーンまで二週間の旅の予定だったところを、パリからウィーンまでオリエント急行に乗ることで日程を大幅に短縮してウィーンに到着します。
ウィーンでメアリたちを出迎えてくれたのが、ホームズが紹介したアイリーンだった。
未亡人となりスパイ活動をしているというアイリーンの助けもあって、精神病院に監禁されているルシンダを救出すべく動き出します。
ダイアナの暴れっぷりと、妹を心配しながらも冷静に行動しようとするメアリが見ていて面白い。
留守番の予定だったキャサリンとベアトリーチェも新たな事件に遭遇し、メアリたちと合流するべくヨーロッパへ向かいます。
しかもサーカスの一座に入り込んで、豹女と毒娘を出し物にして活動資金まで稼ぎながらの移動だった。
ウィーンについたキャサリンとベアトリーチェはアイリーンと出会うが、ブダペストへ向かったはずのメアリたちの姿が消えたと知らされブダペストを目指す。
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あちらこちらに浮気しまくっていたために、ようやく完読。
今回はアテナ・クラブそれぞれのメンバーがヘルシング教授の娘からの助けに応じて、イギリスから欧州大陸へ。
相変わらずの文中のノリ突込みは楽しいですし、彼女たちの活躍にはあらためて目を見張ります。
さて、このまま『ブタペスト篇』へ入りましたが、一気読みしてしまかも(^▽^;)
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<アテナ・クラブの驚くべき冒険>シリーズの第二作。本書はその前半部分。メアリ嬢はジキル博士の娘。さらにハイド氏、ドクター・モロー、フランケンシュタイン(科学者の方)、ラパチーニ教授の「娘」たちが集結した<アテナ・クラブ>。加えて名探偵ホームズとワトソンも。謎の組織<錬金術師協会>の陰謀に立ち向かう。
アテナ・クラブの面々はヴァン・ヘルシング教授の娘ルシンダを助けるべくウィーンへ。そこで彼女たちを助けるのがアイリーン・アドラーで、現在はアイリーン・ノートン夫人(未亡人です)となっている。
ちょっと展開が間延びした感があるが、相変わらず面白
い。評価は「ウイーン篇」に関してです。「ブダペスト篇」が楽しみ。
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まーたやっちまった!
だから上下巻あるやつは一緒に借りてきなさいよもう!
もう!
ジキル博士の娘と仲間たち(アテナ・クラブ)の物語は第二部に突入
今回はエイブラハム・ヴァン・ヘルシングとその娘、アイリーン・ノートン、そして世界的に有名な実在のあの人が登の場!
すごいんだからもう!
え?ヘルシングもアイリーンも知らない?
世話が焼けるなー(ほんとは自分も最初わかんなくて調べてみてあー!ってなったし)
ヘルシングは「ドラキュラ」に登場する吸血鬼ハンターの大博士ですよ!
アイリーンはシャーロック・ホームズを出し抜いた唯一の女性で、灰原哀のモデルになった人です
え?灰原哀知らない?もうめんどうみきれんわ
アテナ・クラブに届いたヘルシングの娘ルアンダの助けを求める手紙によって、クラブのメンバーがイギリスから大陸に渡って大活劇を繰り広げます
そして終始ぼやかしていますが、ルアンダはどうやら吸血鬼にされてるっぽい
終始ぼやかしてますが、そんなん最初からわかっとるわ!というね
吸血鬼の眷属みたいなんも出てくるし
それにしても、色々なところから引っ張ってきてますが、わりと自由にキャラ付けしてうまく回しているのでむしろ好感が持てます
ただ、やっぱりシャーロック・ホームズに関しては原作に忠実なキャラとなっております
シャーロキアンがうるさいですからねw
そして、主人公のメアリ・ジキルはホームズにちょっと惹かれてるんですが、ここの描写がすごくいいのよね
なんていうかね簡単に言うとめんどくさいのよ
めんどくさいのあいつ
なんかイラッとするし
一般的な感覚から言ったらとんでもない変人ですからね
とんでもない変人に恋しちゃうと大変なのよ女子は
ブタペスト編、早く借りてこなくっちゃ!
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ジキル博士の娘メアリが父親の死をきっかけに出会ったハイドの娘ダイアナ。更には毒を持つラパチーニの娘、豹を母に持つモロー博士の娘、フランケンシュタインの娘。モンスターな娘たちが集まってシャーロックホームズの助けを借りながらの大冒険という話だ。今回は錬金術師協会と父ヴァンヘルシング教授に囚われてウイーンの精神病院に収容されているルシンダ・ヴァン・ヘルシングの救出に乗り出す。ホームズの出番はなく代わりにホームズに助力を頼まれたアイリーン・アドラーが登場。
ヴァン・ヘルシングが出てくるからには吸血鬼が出てくるし、モロー博士が作った人間と動物のハーフも出てくる。これだけ好きにやったら面白くないはずがない。
しかし!作者のシオドラ・ゴスは間延びした書き方をする。話は豹娘のキャサリン・モローが書いた物語を皆でまわし読みしながら、合間あいまに口々に感想や皮肉や反論を言うのだ。これがいちいちテンポを乱す。いちいち声に出してオーバーアクションで感情を表したり、つまらぬジョークを飛ばして笑い声の間まで取るアメリカのコメディドラマに似ている。まるで原稿用紙のマス目を埋めるために余計なエピソードを入れた作文のようだ。作家で言うとダイアナ・ウィン・ジョーンズがこういう書き方をするので読みづらいのだが、まあ好きな人もいるのだろう。ここは個人の好みだ。
そしてこの本は1である。全2巻の前半部分にあたる。ルシンダ救出に成功したものの‥次の危機が迫っている!というところで話は終わる。いろんな特殊能力を持った娘たちが現れるあたりサイボーグ009みたいな。敵も謎のモンスターたちでそこでアクションよろしく戦うのだからトントン進んでほしいものだ。勢いで読めないのでちょっと休んでから続きを読みます!