潜艦Ｕ‐５１１号の運命　秘録・日独伊協同作戦 みんなのレビュー

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投稿者：たくさん　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

先に、井浦祥二郎著の「潜水艦隊」を読んでいたので、太平洋戦争開始前に、独逸に派遣されていた海軍武官である著者の活動が、本書で、つまびらかになり、又、ペーター・クレーマー著の「Ｕボート・コマンダー」で、書かれていた日本からの訪独潜水艦のエピソードなどとも、間接的につながり、第二次大戦を生き残った、負けた国の潜水艦乗りの戦記物よりも、日独伊の同盟国間で、どういう折衝や調整を、行っていたのかが、具体的に記載されていて、出版された、昭和３１年の時点で、あまり顧みられなかったのが不思議な位、良くまとめられたノンフィクションです。派遣先の独逸から、見た日本というよりも、欧州から、米国から、旧ソ連から見た、日本の立ち位置は、2023年現在の日本に置き換えても、通用するもので、今後の世界情勢に興味の有る方には、是非、ご一読することを、おススメします。

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投稿者：オタク。　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

この本の解説を書いている人は流行りの人だから分かるけれど、みすず書房の「兵士ということ」の翻訳で「助言」をした時には、U234に同乗して日本に向かって「零時」を迎えたウルリヒ・ケスラー将軍を知らなかったのではないのか？「兵士ということ」にはケスラーの写真が掲載されているのだから、知っていれば気がつくだろう？中田整一の名前は「ドキュメント昭和９・ヒトラーのシグナル」と「ドクター・ハック」を読んでいるから知っているはずなのに、翻訳者と編集者込みで「トレイシー」を読んでいないから、初刷では「トレイシー」に触れていない事になる。せっかくの本なのに、そう思ってしまう。特にドイツのUボートに便乗して帰国した野村直邦大将の本だから尚更だ。
　野村大将が帰国時にドイツ側から勲章を贈られた事を記した個所がある。昭和17年当時の写真で勲一等旭日大綬章及び瑞宝章と一緒に鷲十字章を佩用しているから、昇綬したのだろう。野村大将が二級鉄十字章を佩用した写真を見た事があるが、日本軍人では何人ぐらい鉄十字章を贈られた人がいるのかが気になる。「ドキュメント昭和９・ヒトラーのシグナル」に別の海軍士官が二級鉄十字章を佩用した写真が掲載されているし。「ドイツ軍事史」の鉄十字章のところで記してくれればよかったのに。