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マッドサイエンティスト
2024/03/17 20:42
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投稿者:DB - この投稿者のレビュー一覧を見る
誘拐されて廃墟となりかけた城へ連れてこられたメアリたちは、そこでハイドとなった父親の指示で自分たちが連れ去られたことを知る。
だがハイドの目的は娘たちとの再会ではなく、ヴァン・ヘルシングの研究のためにルシンダの血を取ることだった。
ヴァン・ヘルシングは吸血鬼病と呼ばれる血液を介して感染し強く敏捷で回復能力に優れた身体と強力な免疫、そして優れた五感を手に入れる代わりに血液を摂取しなければ生きられず狂気に犯されていく病気を研究していた。
狂気を押さえることができれば強靭で死ぬことのない超人を作り出せるという理論のもとに妻と娘を感染させたのだ。
だがルシンダはどんどん衰弱していき狂気に犯されつつあった。
メアリたちはカーミラと名乗る二百年前の肖像画から抜け出してきたかのような女性に救出されて、ブダペストへ向かいます。
そこで七年前に別れたメアリの元家庭教師ミス・マリーと再会を果たす。
ミス・マリーが結婚してミナ・ハーカーとなり、夫と決別して今はドラキュラ伯爵と生活しているという話を聞かされます。
メアリにとってそれよりも衝撃的だったのは、ミナが錬金術師協会に対抗する組織から派遣されてジキル博士の家へやってきていたという事実だった。
ドラキュラ伯爵とヴァン・ヘルシングの対決は、錬金術師協会も巻き込んで大がかりなものになっていきます。
もちろん吸血鬼対ハンターではなくて糾弾者対マッド・サイエンティストの構図となっているが、錬金術師協会もマッド・サイエンティストばかりの集団ではないようだ。
あくまでも科学者の集団で、その中にマッド・サイエンティストと呼ばれる異端者がいるという印象でしょうか。
異端者が多すぎる気もするけどね。
この錬金術師協会からも、スパイがジキル家に送り込まれていたことをメアリは知る。
かつてはエジプトのイシス女神の女司祭、今では錬金術師協会の女性会長であるアッシャもまた印象的な人物だ。
個性的すぎる女性たちばかりが登場するのに、ストーリーがうまくまとまっているのは作者の力量だろうか。
アテナ・クラブにも新規の会員が増えて結束力はより高まったようだが、ロンドンで家政婦のミセス・プールと一緒に留守番をしていたはずのアリスが消えたというニュースが飛び込んでくる。
第三部ではこのアリスを中心とした話になるのだろう。
続きが楽しみです。
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