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今日の内戦:異なる民族や宗教に依拠
内戦の兆候:極右集団による融解未遂
アノクラシ―:完全な専制国家と民主国家の中間にある状態→内戦発生
米国は2世紀ぶりにアノクラシ―国家
完璧な民主主義国からアノクラシ―へ下降するのにわずか5年
道徳と文化におけるアイデンティティ>政策についての見解
この数十年、権力や地位などで何を失いましたか→力の喪失を感じる白人層
失われた物語
米国の過激派≒加速主義ー終焉を早める終末論的な信念
大殺戮への10段階:予備的段階→迫害→殲滅→否認
民主主義の機能特質:法の支配・言語の自由と説明責任・政府の能力
米国は多民族的民主主義の創造という課題に直面→派閥主義の抑制必要
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性急な民主主義への転換が内戦を誘発したという数多の実例。一方で成熟した民主主義国家が内戦に陥いる危険性。「理想的」と思われている民主主義が実際には危ういバランスを保ちながら継続していかねばならない政治形態であるということが説得力を持って語られている。民主主義の伝道者を自認しているアメリカ合衆国が今まさに内戦の危機の最中にあることが分かってくる。
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読売新聞2023611掲載 評者:井上正也(慶応義塾大学法学部政治学科教授、日本政治外交史)
日経新聞2023617掲載 評者:渡辺靖(慶応義塾大学環境情報学部教授、文化人類学、アメリカ研究)
東洋経済202385掲載 評者:河野龍太郎(BNPパリバ証券経済調査本部長チーフエコノミスト、日本経済論、経済政策論)
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2年前の本のようだが、今こそ読んでもらいたい。思ったよりもアメリカは深刻な状況のようだし、欧州も大差なさそうだ。日本は本当に平和だと思う。民族や宗教がなぜこんなにも人を分断させるのか。つくづく日本は平和だし、逆に心配になる。アメリカを理解したい人には必読。
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ポリタスTVでも前嶋 和弘教授が本書を紹介。内戦研究を専門とする著者がどのように内戦が起こるのかメカニズムを解説。今のアメリカは分断が臨界点かもしれない。大統領選挙が終わってまたぜひ読み返したい。
人間は従来持っていた特権を失うことを何よりも恐れる。気候変動によってこれまで住んでいた土地追われ資源を失った人々が新たな土地への流入によって緊張が高まり、また資源の奪い合いによって内戦が頻発する可能性が高い。本書でも指摘あり。
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前半は、過去の各国内戦の事例研究を元に、内戦が発生する一般的メカニズムを解説。後半は、そのメカニズムに照らし合わせて、アメリカの現状が内戦への過程にあるのか、あるとしたらどの程度の危険性なのかを論じている。個人的には、前半が面白かった。
前半、内戦へ至る一般的な状況として、専制でもなく民主主義でもない中間の状態(アノクラシー)が危ない、というのが示される。納得できる分析。これは、専制政府が弱体化して民主化機運が高まる過程、あるいは民主政府が腐敗などで国民の信頼を失っている状態。この状態で、アイデンティティの問題で、人種・民族・宗教などで派閥ができてしまうと危険。さらに、権力層から「格下げ」される派閥の危機感が煽られたり、虐げられている側に正当な方法で権利が得られる希望が無くなった時には、内戦まっしぐらという感じ。(雑な要約)
後半のアメリカの現状としては、没落した白人層に不満が溜まっており、分断が進んでいる様が解説されている。内戦に至るプロセスでも、かなり進んでいると分析されており、著者の危機感が伝わってくる。その分断に一役買っているのがSNSだとも書かれており、SNSは人類には早すぎたな、という印象を強くするなどした。
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内戦の起こり方や世界情勢が描かれている。
さらに現代のSNSや民主主義、資本主義について論じ、近年の内戦がなぜどのように起こったかわかる。
さらにそれに対して、アメリカの現状をアメリカ人視点で描かれており、悲観的になるだけで無く建設的な論が展開されて、次のあるべき姿へ向かっている姿勢に希望を持てた。
その中で
①法の支配
②言論の自由と説明責任
③政府の能力
この3つが民主主義国家では機能するかが重要だとであるとのこと。
他にも内戦が起こるプロセス十段階や、アノクラシーレベルなど、客観的かつ構造的な表現が多く非常に理解しやすい本であった。