世代を超えた女性の生き様
2023/07/02 16:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
80代画家の企画展を担当することになった30代学芸員。画家の人となりを知るうちに自分の生き方についても考えるようになります。
仕事のやりがいと職場の人間関係、仕事と結婚、出産のリミットなどなど、女性が迫られる選択が浮き彫りにされていきます。
恋人や同僚上司といった男性陣が腹立つキャラです。が、男性も大変なんだと広い心で読みましょう(笑)
投稿元:
レビューを見る
美術の世界は詳しくないけれど、
美術展開催までの裏側ってこうなのかな、と想像が膨んで楽しい。
美術館に行くあのわくわく感が身に覚えのある人なら、この世界観を楽しめるはず。
でも、ここまでハードとは…
本の中にもある、生きた作家との準備というのが印象的だった。まさに伴走なんだろうな。
テーマはセンシティブでもありリアルで、なかなか挑戦的にも感じる。
働くことと私生活のせめぎ合いのような描写は特にリアルで、三十代には刺さるのでは。
女性目線の話なので、男性側から見たらどうなんだろうか。友人との会話なんてリアルそのもの。
ただ、最後の方、もう少し丁寧に描いてほしかったなと思う部分も正直ある。それが、余韻にわずかに苦さを残している。
作家の過去も然り、主人公の将来への選択も然り。
全てが解決していないことはある意味現実だけれど…
残された目の前の問題にも、主人公が逃げずに向き合っていくんだろうなと想像できる余白はあるから、
読み手に委ねられているのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
常日頃から地方にあったり、小規模であったりする美術館、博物館にも足を運びたいと思っています。興味があったり湧いたりしないとちょっとピンと来ないかもしれないお話ではある。知らない世界を垣間見れるかな。
私の読みが浅いのかもしれないけど、主人公の思考、仕事と結婚、子供と悩ましいはずだし、母親との関係もよく分からなかったのでもっと深く探りたかったと思う。
投稿元:
レビューを見る
一目惚れ。これは確かに究極の愛。読めば読むほどにこの本に惹かれてく。A子が詠子っていうのがなお痺れる。こういう伏線回収もすき。満足感高すぎる。
投稿元:
レビューを見る
個人的注目ポイントは
○ヨシダという画家の過去
○ヨシダにとって芸術を続ける理由
〇タイトルの意味 恋人たちは誰と誰をあらわしているか
この本は表現がすごく好きです。
また読み直したいぐらい良かったです。
ラストのあの雰囲気が好きです。
投稿元:
レビューを見る
ヨシダカヲルさんのような存在の方に出会えると人生変わるなぁ。生きる力から生まれる強さと優しさ温かさのある振る舞い、考え方に惹かれる。
投稿元:
レビューを見る
中島みゆきさんの『糸』の歌詞を
私はずっと間違えて覚えていました。
『逢うべき ヒト に出逢えることを
人は幸せと呼びます~♪』
ヒト ではなく、イト だった!
この作品は、逢うべき人に出会うお話。
恋人ではなく人生の先を照らしてくれる人。
東京から少し離れた地方都市の美術館で
非常勤の学芸員を務める史絵、32歳。
地元の女性画家、80歳のヨシダの展覧会を任されます。
ヨシダは、かつては一世を風靡した女性画家。
何らかの事情で筆を折り、10年間の空白の後
東京から地元に移り住んで
山奥にアトリエを建て、絵を描き続けています。
美術館の理事の強い思いがあっての企画。
なぜ今、ヨシダの展覧会?と不思議に思う史絵。
史絵には東京に恋人がいます。
都内の学芸員募集の話を持ち掛けられ
一緒に暮らして結婚しようと、嬉しい話も。
そんな中、史絵が子宮内膜症を患っていることが判明。
妊娠や出産を望むなら、
卵子凍結を視野に入れることを勧められ
人生の岐路に立つ史絵です。
キャリア、結婚、妊娠…どうする、史絵?
ざっとこのような流れなのですが、
史絵がヨシダと会話を重ねるところが読みどころ。
人生経験を重ねてきたヨシダの言葉が素敵なのです。
例えば、彼女の絵画のテーマ“常若(とこわか)”について。
伊勢神宮の式年遷宮にまつわる言葉だそうですが、
ヨシダは、“常若”の概念を水仙に例えます。
「花をつけては枯れ、
土に戻っては球根として力を貯めて
また目覚めてというのを繰り返す。
すべての生き物が“常若”です。
死んだら無になるわけじゃなく、
誰かの心に球根として残るかもしれない」
ヨシダは、この言葉に出逢って、
常若を作品にしたいと思うようになったと。
また、人とうまく関われない青年にはこう言います。
「シロクマは砂漠では生きられない。
楽に生きられる場所を探したからって、
誰もそのことを責めはしない」と。
史絵は、ヨシダと出逢うことで
自分の進むべき道をしっかり見据えることが
できるようになります。
またヨシダは、人生最後になるだろうこの展覧会で、
彼女の大切な人と出逢いなおします。
最初の方で謎だったことが
後半で紐解かれていくところも
読んでいて楽しい作品。
一色さゆりさんの本はこれで四冊目。
東京芸大を出られた まだ若い方で、
私の好きな作家さんの一人です。
投稿元:
レビューを見る
地方在住の学芸員が担当する80歳の女性作家の展覧会を行うまでのお話ではあるが、女性が生きていく上で必ずぶつかる問題。
仕事とお金と家庭と子ども。
どれもこれもうまくやりたいのに、どこか妥協したり、諦めたり、選択していかなくてはいけない。
フェミニズム的思想が強いわけではないけども、実際直面したときは不公平だと思ったもんだ。
だが、ヨシダの「男女関係なく若い人は置かれた境遇と葛藤し続けるもの」という言葉は、頭ではわかっていたことだけどハッもさせられた。
男性は男性特有の大変さがあるのに、女性だけが大変なように言われる昨今、一石を投じられるように感じた。
それはそれとして、ヨシダの絵がとても興味深い。実際に見られたらいいのに!と心底思う。
投稿元:
レビューを見る
「自分の存在さえも忘れ、私っていうちっぽけな檻から解放されてむき出しの魂で深いところまで下りていける」絵ってどんな絵なんだろう?ぜひ鑑賞したい。言葉ばかりが踊って、ヨシダさんに共感できなかった、残念。
投稿元:
レビューを見る
久々のアート小説だったけれど、改めてアートっていいな、アーティストって凄いな。
そんな風に思わせてくれた。
働く女性の葛藤も、わかりやすく描かれていてよかった。
投稿元:
レビューを見る
後半は一気に読んだ。
事なかれ主義で、言いたいことを言わずにいても分かってはもらえないし、自分も不満が溜まる。
自分の意見を伝えて、自分のしたい様にする事が一番後悔しないのかな。