夏に消えた短編の名手
2023/06/01 01:09
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
名作「夏の葬列」を彷彿とさせるような「他人の夏」が特に良かったです。ショートショートだけではなく長編も読んでみたかっただけに、大磯での悲劇が惜しまれます。
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このような作家がいたのかと初めて知った。60.70年前に書かれたもので、昭和感はあるものの、とても綿密に書かれていた。またこのような作品に出会いたい。
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山川方夫のショートショート集。山川方夫というと随分昔に代表作?である「夏の葬列」を文庫で読んできりで、イメージとしては純文学の人という認識だったので、文学的なものからミステリやSF仕立てのものまでこれほど多様なショートショートを書いていたとは知らなかったし意外であった。収録されたものではやはり「夏の葬列」の印象が強かったが、「頭の大きな学生」や「僧侶の夢」といったSF風の作品もなかなかのもの。
巻末には都筑道夫、星新一との鼎談も収録されておりこちらも興味深い。
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著者のショートショート全編を全2冊に集成するコレクションの二冊目。
こうしてまとめて作品を読むと、作者がいろいろなタイプ、趣の作品を書こうとした苦心が伝わってくるようだ。短い中にも人物の心理の襞が感じられるものが多い。
EQMMに連載されていた「トコという男」は、ちょっと変わったミステリ評論風なエッセイなのだが、少し才が走った論の展開で、読むのに少し苦労した。
ショートショートを二冊にまとめた贅沢な作品集であり、山川方夫という作家の魅力が十分に伝わってくる。
純文学とされる他の作品も読んでみたくなった。