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また力道山の話しかと思って見過ごすと大変な損になる
2023/06/09 18:45
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:せんじゅ色男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
力道山に関してはすでに多くの本が出版されていて未亡人の証言もYou Tubeで見ることができる。また村田勝志本人や娘の篠原光のインタビューもあるが、本書はこうした多くの資料を参照しながら読むことでそれぞれに欠けている部分を見つけながら読むことができる。
力道山の事件に関してやや不可解なのは遺族の田中敬子さんや息子の百田光雄などがそれほど村田勝志に対して恨みのような感情を抱いていないように見えることだ。
この本を読んで村田が正当防衛を主張したということを知ったが、遺族にしてみれば日常の力道山の振る舞いを知っているので村田が力道山に暴力を振るわれ自分の身を守るために刺したということに遺族としても一定の理解を持ったのではないかと推察される。
本書において力道山の事件は3分の1ほどであるが、個人的に注目されるのは力道山を刺す前からの村田の生涯が銀座を舞台に記録されていることである。
個人的には詩人の菊岡久利が何度も出て来て私はこの人のことは洲之内徹のエッセーで知ったが洲之内によれば菊岡は指を詰めておりヤクザとつながりがあるようだとしか書かれていなかったはずで自分が知る限り本書は菊岡久利という詩人がヤクザであったことを記した貴重な資料ということになる。
銀座のヤクザの世界についてはあまり本が書かれている記憶はないが、この点に絞って書かれていたらというのは自分の希望であるものの、村田の女性関係や娘の人生も勿論読んでいて面白い。
詳細は本書を読んでもらいたいが、力道山が短い人生を終えたのとは対照的に長生きしたヤクザの人生は堅気の者にはとても真似できないものであるだけに惹き付けられるものを感じる。
You Tubeにある篠原光のインタビューでは村田はヤクザであったため国保にさえ入れず全て入院治療費は実費、暴対法で葬儀さえ行えなかったと言う。
この点が記されていないのは残念なので、僭越ながらここで補わせて頂く。あえて4点にしたのはそこだけが理由である。
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