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1部2部からは想像出来ない結末。ピップのまさかの行動にびっくり。レイプ犯に鉄槌下すストーリーにした作者の想いもあり、とても読み応えありました
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ピップが大好きなので今巻はずっと読むのが辛かった。
ピップと一緒に、あの時こうだったら、もしこうしてたらをいっぱい考えてしまいました。特に二巻のジェイミーの事件の時、ホーキンス警部補がピップを信じてくれてたら、ピップが警察を信じて頼れるようになっていたら、今回の事件はもっと違っていただろうと。考えてもしょうがないけれど考えちゃうのが人間ですよね。
彼女の決断は正しかったのか?社会的にみれば正しいとは言えないのでしょう。でも、彼女の怒り、悲しみ、彼女が信じる正義心を否定することも出来ない(個人的には)。一方で、今の社会は彼女の怒りを、彼女たちの怒りを受け止めてはくれていないのが現実なのだなとやるせなくもなりました。真っ直ぐなゆえに全て独りで背負おうとする彼女の周りに、何があっても彼女を信じて愛する仲間達がいたことが唯一の救いでした。そういう人との深い絆を結べられる人柄が、彼女本来の1番の魅力だと思います。
読み進めるのが辛かったけれど、三部作の総評として星5にしたいと思います。作者さんの次回作を楽しみにしてます。
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面白かった。長いけど、先が気になって後半は一気に読んだ。
前半は、これまで通りの調査パートのミステリー。途中でそれが反転し、隠蔽パートのサスペンス。
ここのパートがピーター・スワンソンっぽかった。キングならゴールデンボーイ。
ピップについて、前半、ストーカー被害を受けてるのに一人で行動するところは愚かだなと感じた。
隠蔽パートのところも、工具についたメモはちゃんと処分したのだろうか?見落としていてどうなったかわからず、そこからバレるのでは?とハラハラした。ヘッドフォンは完全に忘れていた。
ピップについては逃げおおせて欲しいような、やっぱ捕まって欲しいような。でもクリスティもやったしなあという気持ちで、話としては逃げおおせる。良かったね。
警察の無能さはイライラするけど、ストーカー被害ってマジで対応が難しいので、ピップはホーキンスにどうして欲しいのかちゃんと言えば良かったのでは?と思う。相談実績を重ねて、一人で行動せずジェイソンの尻尾を捕まえて結局警察は無能だと喧伝すれば良かったのでは?と思った。まあ、まだ10代だしなあ、という甘めな見方。
また、これはピップだから出来たことで、他の人は死んだり泣き寝入りしていたんだろうなと思う。
クズは死んでも良いのか?は良い派。ハメても良いのか?はちょいグレーだけど、レイプは魂の殺人なのでやっぱ死んでも良いかなと思う。司法に委ねるべきでは?というのは司法もまた完全ではないのでカバーすべき派かな。これは神のような視点をもつ読者が下す判決。現実ではやっぱり、自分が目撃者じゃない限り、証拠がない限り、ダメだろって思う。
この作品の世界は司法制度が完璧ではない世界なので許される。ゾンビ世界での過剰な正当防衛が認められるように。
危険な思想だけど。
文学的な質をあげるなら、クリスティになぞらえて、ピップに協力したのは12人だと面白かったかな。まあホーキンスも探偵として、見逃すことにしたのかもしれない。
ラヴィ→死体の始末
カーラ、ナオミ→マックなどでのアリバイ
ナタリー、コナー、ジェイミー→マックス邸での犯行
ベッカ→黙秘
父、母、弟→家族
ホーキンス→嫌疑をかけながら見逃す
で、11人。ピップを含めて12人とか?家族を含めるのはちょっと無理やりかも。
ジェイソンの奥さんのドーンがピップが家を訪ねてきたことを証言しなかったのはちょっと気になる。すれ違ったのに。すれ違っただけだから?
チャーリーも出てくるかと思ったら、捕まっただけ。ピップと会話して欲しかったな。理解者ではある。探偵が犯人になっちゃった。
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終始不穏な空気がただよう今作はずっとドキドキしながら読み進めました。ピップなんてことをしてしまったんだ…
もうあの一作目の頃には戻れないのだと思うと悲しい気持ちになります。親目線で読んできたため、ピップ達にはほんとうに幸せになってもらいたかった。
最後のメールの感じから、ラヴィとまた再会できそうだったけど。あんなことを体験してしまった後に心の底から笑える日がくるのだろうか。
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「自由研究には向かない殺人」「優等生は探偵に向かない」に次ぐ完結作。今回も過去二作品と負けず劣らずのクオリティだった。
主人公ピップは、いつでも勇敢で聡明で、とても魅力的な人物だと改めて思った。今作でのピップの行動には賛否両論あるかもしれないし、正直私も読んでいたときは、もう少しどうにかできたのでは?と思った。しかし本著者の謝辞を読むと、ピップの行動をこのように描いたことは正解だったと感じた。
ミステリとしての謎の難易度は比較的易しく、今作で犯人とされる人物を特定できる読者も多いと思うが、犯人が判明してからの怒涛の展開がこの作品の真髄だ。600ページを越えるボリュームだが、満足度も高い。物語の締め方も"らしさ"が詰まっていてとても良かった。
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シリーズの入り口と出口がここまで違うのは初めてで、ピップに過去2作読んで愛着があって、本作楽しみにしていた分、後半読むのが大変だった⤵︎
ページめくるに度にメンタル削られては、読むのを止める→いやいや最後まで見届けなきゃ、と読むのを再開する→の繰り返し でした
評価はつけられないなぁ〜
完結編としての、シリーズ総括するミステリーとしては極上だとは思いますが…
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三部作の完結編。
解説にも描いてあったが、「随分遠いところに来ちゃったなぁ」というのが読み終えた最初の感想。1作目を読んでいる時、まさかこんな展開になるとは思いもしなかった。
だけど、それがフィクションならではの醍醐味というか、話の展開としては次が気になって気になって分厚い文庫にも関わらず一気読みだった。
以下、ほんのりネタバレっぽいの含みます。
最初の200ページくらいは前の2作をいまいち覚えてない部分が結構あって、あれ?なんだっけ?どうなってたんだっけ?あなた誰だっけ?みたいなのが多く、人物紹介ページと行ったり来たり。前2作のあらすじがどこかに書いてあったら良かったなとちょっと思った(ネットでネタバレあらすじを探したけど結末まで書いてあるのが見つけられなかった)。しかし中盤から一気に物語が加速して手が止まらなくなる。
今回の物語は賛否両論だろうし、ピップの今後の人生は二度と以前には戻れないだろうけど、でもピップにはこの生き方しか出来なかったんだろうなという納得感もあり。途中読んでいてかなりしんどくなる場面もあったが、何よりピップを信頼している周りの仲間が素敵で良かった。ピップがこれから大人になって何十年と経った時に、あの時の選択は子供だった、そうすべきではなかった、となって余計に苦しまないかと勝手に心配している。その時も愛すべき仲間が周りにいてくれると信じて…。
それにしてもピップの両親がいつも能天気すぎやしないか?というツッコミは置いておいて、3作とも夢中にさせてくれる物語だった。放心。
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三部作の完結編。読み応えたっぷりでした。
まさかの衝撃的な展開に進んでいき驚いた。
殺人現場、そしてその現場を隠蔽する情景や心情が緻密に描かれていてとてもリアルだった。
正義とは何なのか。
悪とは何なのか。
最後、著者の後書きを読んで、著者自身が経験した怒りも作品の源になっていたと知りより考えさせられた。
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三部作の最後、あぁ、そうなるのかと動揺しつつ読了。
こうあって欲しくない展開に途中読んでて辛くて泣けてきたのだけど、
それでも彼女の凛とした強さに感心する。
罪を罪として認めてもらえない現状への怒りと失望が背景にあると読み終わってから知り、このような展開になることに自分の気持ちを納得させた。
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トリロジーの3作目であり、一番衝撃的な展開の作品でした。過去の作品との繋がりが大きいため、理解してから読むとより楽しめると思います。
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最終となるこちらを楽しみにしながら、前巻を読んだのは2年ほど前?だったから忘れてないかドキドキしてたけど、複雑な人間関係も上手な説明を織り交ぜながら話が進んでいったので浦島太郎にならなくて済んだ。完全犯罪をする諸々の場面がハラハラしつつも間延びしてしまって若干読む手が止まってしまったけれど、収まるところに収まったのかな…?ピップの勝利!!と両手を挙げて万歳できない複雑な思いではあるけど…
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二作目の終わりから今回の結末まで読めたことは満足。ストーリーは予想外すぎたけど、作者の犯罪に対する思いが詰まっている作品として割り切れば面白かった。
あとポッドキャストで色々聴いてみようと思えるかも。
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★4.8/5.0
いやぁ〜、面白かったなぁ。
2022年末に『自由研究には向かない殺人』を、2023年頭に『優等生は探偵に向かない』を読んでの今回だったから、少々時間が空いてしまったのは残念。
それでも読み始めると前作までの内容が一気によみがえってきた。
今回は、1.2作目とは少し違って、約650ページのうち中盤には事件の犯人が明らかになるので、1.2作目のような最後まで分からないハラハラやドキドキはあんまりなかったけど、3部作でピップが築き上げてきた周囲の人との関係性が顕著に描かれていたなと。
「きみが行方不明になったら、誰がきみを探してくれるのかな」の答えは中盤以降にしっかり描かれていたのでは?
それから今回は、ピップの張り詰めた様子とか、現場の様子とか、情景描写がとても多かったけど、私は爆速で読み進めてしまったので、いまいちイメージできない(しづらい)部分というのがいくつかあった。その部分を、今後読み直す時や、映像化される時にはもっときちんと見ていければと思った。
最後ね〜、まあ、何事も一筋縄にはいかないよね。多少の犠牲や覚悟は必要なのだなと。ピップ、ラヴィ、家族や友達などが、いつかみんな幸せになれるといいね。
正直、途中までは「あの人」を疑ってしまったので、何度も疑ってしまってごめんなさい、という気持ちと、結局ヤバいやつはヤバいままなのだなと感じました笑
今作は1年以上時間が空いてから読んじゃったので、今度読む時は3部作一気に読んで、より臨場感溢れるものにしたいなと思います!
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まさかの完結編。
物語の中盤から、なんで?どうして?と思いながら、ピップとラヴィのふたりと一緒に血まみれになりながら読み進めた。
ピップの選んだ道が正しいとは(倫理的に)思えないが、それでも、最後の1ページで、心から二人を祝福したいと思った。
漫然と三部作があるのではなく、完全な善を成した1作目から、割り切れない2作目に、信念を通しながらも完全にダークサイドに堕ちた3作目で完結、という流れが、あくまでもシリーズで読まなければならないと思わせてくれる良い作品だった。
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神★5 マジで?マジなの? 二重三重に入り組んだ真相… 真実の先には何が #卒業生には向かない真実
■あらすじ
まもなく大学の入学を控えていたピップは、かつての事件と捜査をきっかけに、名誉棄損で訴えられそうになっていた。さらに怪しいメールや自宅へ悪戯がされはじめ、何者かにストーキングをされてしまうことに。
ピップは得意の独自調査を開始すると、どうやら6年前の連続殺人事件と同じような手口と判明する。しかし、その事件の犯人はすでに逮捕されていて…
■きっと読みたくなるレビュー
待ちに待った自由研究三部作の完結編。
世の中には「どんでん返し」とか、様々な宣伝文句がありますが、もうそういう次元じゃないです。1作目、2作目と読んできた人は誇張なく必読。ガチで必読。死んでも必読です。
まだ前作を読めていない人は、三冊丸ごと買ってきましょう。なお2冊目以降は前作をネタバレしてますので、必ず最初から読みましょうね。安心してください、1冊目も2作目も、単体ですべて★5レベルの面白さです。
さて本作、完結編のレビューです。
○ドエンタメ大冒険ミステリー活劇
純粋に面白い!読む手が止まりません。700ページ近くある文庫でも二日で読み終わりました。
冒頭の調停シーンだけで、もう夢中ですよ。そしてその後のピップを見て、またもや惹きつけられる。事件の予感を感じさせる生々しいサスペンス展開もお見事で、一気にストーリーが加速していく。そして中盤以降はもうね…
仕掛けもテンポも会話も、めちゃくちゃ上手い!完全にプロの技でした。
○ピップ
もはやミステリー界で最も愛すべき主人公のひとりになりましたね。
利発で行動力抜群、前向きで意思も強く、根性もユーモアある。いくつもの事件を経て、葛藤と成長を繰り返し大人になっていくのです。さらに本作は前作と比較して、めっちゃ存在感が強いの。キャラクターに血が通っている感じがするんですよね。
○ラヴィ
彼のようにパートナーを愛することのできる人が、世の中にどれだけいるでしょうか。優しい人間ほど、実は強い人間なんですよね。
○愛する家族とリトル・キルトンの仲間たち
ひとりひとり性格も関係性も違いますが、ピップを愛する描写がキュンキュンきます。こんな友人たちと過ごせたら、最高だろうなぁ。イチ推しはナオミ。彼女の優しくも狡猾で、意志の強い態度に惹かれました。
○いつもの現代風アイテム
今回ポッドキャストやデータ分析などが登場、これは楽しいなぁ~ 小道具の使い方が相変わらず上手です。ストーカーの痕跡画像も、臨場感が増してGOODですね。
○壮大なミステリー三部作
前作まで語られてきたリトル・キルトンで起こった一連の事件。伏線回収なんてもんじゃない、何度も前作をペラペラ読み直してしまいましたよ。あったあった、このシーン。そういうことだったのかよ!
文字通り二重三重の入り組んだ真相に驚愕、マジ凄かったです。
■ぜっさん推しポイント【卒業生には向かない真実】
1作目、2作目で���ップが追い求めていた真実。真実を明らかにすることで、多くの友人たちが救われ、人間としても成長を遂げてきました。
ところで真実とはなにか? それは虚偽だったり秘密にされていることを「暴く」ことです。その世界に踏み込んでしまった卒業生は、完結編でどうなるのか…
あれこれ言いません、ただ私は夢中になり、手に汗を握り、そして胸が熱くなりました。
2023年海外ミステリーのトップレベルだと思います。こんな三部作を書いてくれた作者に対して、ありがとうとお伝えしたいです。