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読了!
途中までは「なるほどね、今回はそういう事件ね、ふむふむ」とか言いながら読んでいたのに、途中から「まじ?」「やば」「えー!」しか話せなくなっていた。
先の2作にあった伏線も回収しつつ、また別の世界へ連れて行ってくれたなあ。
1作目から引き続き、ピップの周りの人はほんとうにピップが好きだね。恋人のラヴィを含めて。でも、立て続けに事件に関わったピップの心の傷は深くて、周囲の優しさにも気付けないほど。
痛々しい。
彼女をまるで実在の人物のように生々しく感じる。
ピップの選択は、わたしたち読者のなかでも賛否両論だろう。しかしピップが「手段を選ばない」ということは、前の2作ですでに何度も描写されており、「まじ?」とは思っても、意外とは言えないのかも。
個人的にはやはり許されないことだと…思う。
実のところ、本作の後半を読みながら、わたしは火村英生のことを考えていた。
有栖川有栖先生の生み出した探偵、火村英生。
彼も悪夢を見ては手に血がついていないか確認する。
ピップがもし、火村英生と出会っていたら彼女の心の闇が少しだけマシになったのではないかと空想してしまった。
この世界のどこかで、ピップとラヴィが幸せに暮らしていますように。
完結なんて言わず、短編でいいのでその後の彼らを知りたいですお願いします…!
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この本の感想にネタバレを含まない、なんてかなり難しいので書いてしまいます
ずっと読みたかったので、他の人のレビューなど全く読まずに読んだ結果
ピップが罪を犯すことに衝撃です
衝撃すぎて、いったん読み進められなくなりました
ピップの殺人という行動
賛否両論ある、ということですがそりゃそうだろうと…
殺されるかもしれなかった恐怖、そもそもの精神不安定、警察への失望と絶望
これらに苛まれていて、ピップと同じ行動を自分は果たしてとらないのだろうか、と考えると疑問が残りますが
それでも
殺人はダメなんだよ…と、思います
主人公が殺人の罪をきせられそうになったり、ダークヒーロー的な展開なら読んだことはありますが、元々爽やかな、快活で明るいピップだっただけに
こう、闇に堕ちていくのは初めてでした
まだ初体験が待っていたとは
だから、読書はやめられないなぁ
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まさに衝撃作でした。
これだけ長いのも納得です。前半と後半でテイストがガラッと変わります。ピップの選択がこれでよかったのか個人的には?ですが、実際にはその立場に追い込まれた本人にしか分からないのかもしれないです。最後の最後に救いめいたものがあってよかった。他の方も書かれてますがこの本は警察や司法制度に疑問を投げかけたい筆者さんの心の声なのだと思います。
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自由研究には向かない殺人の三部作完結編。
ミステリ史上最も衝撃的と書いてあるとおりの内容でした。
過去の事件によって傷つき闇の中に落ちそうになりながらもがくピップをみるのは辛かったです。
そしてその闇をどう振り払って立ち直っていくのかを期待していました。
しかし!まさかこんな展開になるとは…
もはや何が正義で何が悪なのかすらわからなくなってくる問題作だと感じました。
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圧倒的な完結編。読み続けてよかったミステリ…!
「自由研究には向かない殺人」「優等生は探偵に向かない」と続く3部作の最終編がついに日本語訳されました。
ピップという女の子が自由研究と称して過去の事件を解決するという、テーマが斬新かつ読み応えのある青春ミステリでした。
このシリーズを振り返ったときに、圧倒的に驚きのトリックがあるわけでもないし派手などんでん返しが魅力かと言われるとちょっと性質が異なります。
とにかく読みやすいんです。話が流れている感じで、ピップと一緒に事件を解き明かしながら、時には感情を共有しながら同じ時間を過ごしているかの
ようなのめり込みやすさがあります。
そこに現代風な捜査方法を用いており、それがまた新しくて面白い。ポッドキャストやSNSを活用した捜査は今だからこそできるもの。
これを違和感なく取り入れているので、ミステリとしてのめり込みやすいのです。
そして三部作を通して描かれるピップやその周囲の人のいくつもの顔がまた特徴的です。
この小説は「真実=正義」としては書かれておりません。
真実が正義ではないし、時には真実を捻じ曲げてしまうことが正義だったりもするということです。
著者も同様の想いがあるそうで、意識的に描かれていますね。
突拍子もない設定やトリックではないけれど、それが何より我々の作品への没入体験を高めてくれているように
感じました。
そしてそう思わせる筆力。何度読んでも圧倒的です。
ちょっと混乱してきた時に情報整理をしてくれたりと、良心的。
こんな調子で2作目までを読んでいたから、3作目となる本作は驚きばかり。
ここまでピップに同乗して共感してきた我々読者は、痛みを伴いながら読み進めることになるでしょう。
最後の最後までハラハラの展開だし、ピップの苦悩を思うと自分自身も苦しく感じてしまいそうです。
それでも、この作品は読んでよかった。そう思わせてくれる、素敵な読書体験でした。
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CL 2023.9.16-2023.9.20
作者はこの三部作で、司法で裁かれない犯罪者は私刑で償わせるべきだと言いたかったらしい。なんと恐ろしい。
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1作目がとにかく面白くて、早く次を読みたいと思った。3巻について作者の思いは伝わるし、面白い作品なのだと思うけど、私はあまり好きではなかった。主人公には賛否両論あるけど、私は好きだったし、そこまでの重責を負わせて欲しくなかった。
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#読書記録 2023.9
#卒業生には向かない真実
まさに衝撃。
すでに今年の年間ランキングで、表彰台確定と思われる。
誰がこの展開を予測できただろう。
まず第一部の終わりでガツンとやられる。
クライマックスでは、残り30ページ、10ページ、5ページ、早く終われ!とページをめくる速度が過去最高を記録。
喉は乾くし、読書でこんなに緊張した記憶はちょっとない。
気づくと降りる駅を通り過ぎてた。
#読書好きな人と繋がりたい
#読了
#ミステリ
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かなりダークな作品になっている。ピップが精神的に病んでしまっているのに、誰にも助けて貰えず苦しんでいるのが読んでて辛い。
中盤からの展開は衝撃的すぎて私には納得出来なかった。他に何か方法があったのでは?この後ピップはさらに病んでしまうのでは?という思いしかない。
1~3作目まで続く大きな闇をピップが暴く壮大なミステリーとしては、とてもよく出来た面白い話だった。
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この終わり方は賛否両論あると解説にも書いてあったが、私は否定にかなり近い。
ただ、このエンディングで良かったとは思う。
愛すべきピップがまさか手を血で染めるなんて、正直何かの間違いであってほしいと思う。
しかし、ガッツリ現実(本の中だが)で、しかも隠蔽工作もちゃんと行っている。
ピップの友人たちも1人も裏切らず、何があったと聞かずに協力しており、固い結束を感じた。普通の人なら自分が何をしているのか、ピップがやったことなどを考えてしまい、重圧に耐えきれなくなるだろう。最も凄かったのは相棒兼恋人のラヴィで、彼の存在がなかったらピップは自由になることなど到底諦めていただろうと思う。
ピップがこうまでしなければならなかったのは、司法制度のせいなのだろうか。
犯罪を犯した者が自由になってしまっている社会で、どうやって生きていけばいいのか。
ましてやピップには敵が多過ぎる。
そう考えると彼女が取った行動に対し、倫理的にどうなのか等と賢しらぶって言えない。
自分の身は自分で守るしかないのかもしれない。
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驚き。
とにかく驚きました。
第一作目や第二作目には思いもしなかったラスト。
ずっと叫ばれている女性差別問題が痛いほどわかって主人公の苦しみが良くわかる。性交渉に同意があっただのなかっただの、ストーカー被害に何もしてくれない警察、優秀な女性に対する男の僻み逆恨み。
犯人はすぐにわかったけど、そこからまだページ半分もあるけど大丈夫か…?!と思っていたらまさかの第二部。
こうするしかなかったように思います。
今も。戦うにも限界がある。
推しのラヴィが幸せならオッケーです。
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2023/10/9読了
#ホリー・ジャクソン作品
向かないシリーズ完結編。
ついにピップが事件の当事者となる。
前2作と比較して一気にダーク感が加速。
ミステリとしてこの終わり方でいいのか
賛否分かれそうだが、
全編通して楽しませてもらったのでこの評価。
新作にも期待したい。
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「自由研究には向かない殺人」を読んだ時には、今作の展開は全く予想していませんでした。
ピップの内面で沸々と湧き上がっていた、司法と警察に対する怒りや失望から、この展開は納得がいくものではありました。
最終盤のハラハラする展開は、自分の複雑な感情も入り混じり、とても楽しめました。
面白い三部作でした。
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第一部から三部(本作)までほぼ一気読み。
あまりに予想していない展開には驚き、ページをめくる手が止まらない。
倫理などは置いといて、衝撃は2023年でNo.1ですな。
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シリーズ三部作の完結編。
大学入学を控えているピップですが、いくつもの問題に悩まされています。
前回の事件によるPTSDに苦しみ、薬に頼らないと眠れなくなってしまっている上、前作でまさかの“無罪”となってしまったマックスからピップを名誉棄損で訴えるといってこられている状況。
さらに、そんなピップの身辺でストーカーの仕業と思われる不審な出来事が相次いで起き始めて・・・。
当シリーズの第一作目『自由研究には向かない殺人』を読んでいた時点では、その後の展開がここまでダークになるとは予想だにしていませんでした。
あの快活だったピップがここまで病んでしまうとは・・と、第一部の序盤から既にしんどい感じでしたが、ストーカーの手口と過去の連続殺人事件の関連性から、真相を追っていく流れは、ハラハラドキドキ引き込まれるものがありました。
第一部の終盤でDTキラーと呼ばれる殺人魔の正体が明かされ、ピップが大ピンチに陥ってから、衝撃のラストまでの展開は目が離せませんでした。
ピップをあそこまで追い詰めたものは何だったのでしょう・・。
ピップの言うことを信じないホーキンス警部補のような“使えない”警察への失望、そして罪を犯した者が無罪となり、逆に無実の者が有罪とされてしまう司法制度への怒りが“私的制裁”という選択になってしまったのでしょうか。
第二部は、破滅の道を進み続けるピップの姿とその周辺の彼女を愛する人たちの優しさが切なくて、読んでいて胸が締め付けられるようでした。
過去に“冤罪”に憤りを覚えていたはずのピップが“冤罪”を仕立てあげてしまうことの皮肉もそうですが、シリーズ第二作目『優等生は探偵に向かない』でも考えさせられた、“正義”とは何なのだろうという事が本作でも根底にある気がします。
ラストの“画面”を目にしたとき、もう色んな意味で泣きそうになりました。
なんて、やるせない物語なんだろう・・・。
巻末での著者の方の「謝辞」で、個人的な司法制度に対する怒りがあったように見受けられますので、その怒りが本作のような展開と結末に繋がったのですかね。
正直、辛く重い内容ではありましたが、三部作通してここまで心を揺さぶらせるプロットの見事さには脱帽です。
個人的には『自由研究~』のような爽やかで元気なピップに戻ってほしかったのですけどね~。