前半は面白いのだけれど...
2024/03/10 10:49
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投稿者:忍 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前半は、小松左京の「お召し」のスケールを大きくして、かつ、SF的な理屈付けをすることで、子供たちだけの世界になることの説明を行っており、アップデート感を感じた。
ただ、子供たちだけで今の世界をそのまま存続させようとするあたりにかなり無理があり、説得力がない。子供たちの世界のために、今の大人が新しい秩序を作り出していくプロセスが描かれているのかと思っていたが、早い段階で意外にあっさりと退場してしまう。そうなると、残りの後半部分、子供たちだけでどうやって生きていくのかを描いていくことになるだけで、SFからはかけ離れていき、退屈になりそうな予感がした。実際その通りになり、子供=遊び=ゲーム=戦争という流れで説明しているものの、ルール化されてはいるものの、大人の戦争の劣化版であり、古き冷戦時代を引きずっているだけのものであった。
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『三体』の劉慈欣の第一作目の長編が翻訳されるということで、以前から楽しみにしていた。
地球に超新星爆発による放射線が降り注ぎ、14歳以上の「大人」がすべていなくなり、子どもだけの「超新星紀元」の時代を迎える、と、設定を見ると少し「十五少年漂流記」を思いだした。
大人たちが全滅するとわかってから子ども世界に向けた準備期間や子ども世界になってからわずかな期間におきた紆余曲折の歴史を描くものとなっており、
歴史のリアルタイム感を感じられるSFになっていた。
やっぱり劉慈欣はおもしろい。
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三体作者の長編デビュー作がやっと翻訳されましたということで読んでみた。地球規模版少年少女漂流記と言いますか、ぶっ飛んだ設定はさすがのスケールも、後半はかなりひっちゃかめっちゃかになりがち。そこも含めて楽しみたい。
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前半はとても引き込まれて面白いのですが、後半は結構お話が迷走します。
コンセプト止まりといった感じで、他作品に比べると少し勢いが足りない感じです。
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三体シリーズ並みの期待値で読むべからず。デビュー作ということで粗削り感は否めないですが劉慈欣パワーやこの後の作品への進化は感じ取れるので読んで良かった。
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なんか地球がとんでもないことになって、感動。。。とくに袋を渡す父親のところ!
と、いい雰囲気だったら後半w 「子供が考えたような」お話・アイディアが圧倒的な世界規模のスケールで描かれる
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2024.6 前半は最高に面白かった。やっぱすごいな劉慈欣、と思っていたんだけれど後半は読んでいてもすぐ眠気が…とにかくつまらない。ページ飛ばし読みどころか読まずにページだけ巡って終わらせました。劉慈欣ほとんど読んでるんだけれどね、これは私の気に召さずな小説でした。
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三体著者の初長編作。日本の読者は長編を逆の時系列で読むこととなった。
暗黒物質に阻まれ8光年の近距離にありながら、その存在を知られていなかった恒星が超新星爆発を起こし、地球上に満遍なく降り注がれた放射性物質により、13歳以下の人間しか生き残れないことが明らかとなる。全世界の大人たちはわずか1年で子供達へそれぞれの国の引継ぎを急遽行い死滅。後には子供達が自身で支配する国々が残った。子供達のみの世界は、その純真さと未熟さゆえに共同し平和的な世界運営がされるのではないかという楽観的な思いが西暦時代には期待されてもいたのだが…。実際には彼らは子供特有の残酷さを、思う存分発揮するのであった。
戦争についてかなりの枚数を使っているのが若干退屈ではあるが、その後の収束手続きもなかなか面白く、そのことにより後に起こったであろう大混乱も、著者の想像力で詳細に描いて欲しかった。
戦争時代の常任理事国に理事国中では極端に軍事力が脆弱な日本が入っていたことに違和感があったが、冷兵器ゲームの発案をさせる為だったようだ。まぁ確かにそれは日本が最適であろうけど。しかし実戦であれだけ準備した日本刀が使われなかったのは謎である。
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子どもと大人の違いとは?遊びとはなんだろうか?というテーマがSFの大きなスケールで展開される。親になる自分にとっても楽しめた。
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2023-08-16
んーと。面白いんだけど何かスッキリしない。エリート志向(それ自体は悪いものでは無い)に対し、衆愚が暴走してしまった悲劇のように読めてしまう。やや思弁性にかけるというか。結末も意外ながらそれでいいのか、と思った。
核に関しては、やっぱり巨大な花火のような描写で、残念でした。
ま、面白かったんですけどね。
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物語の中で何かと世界の命運を託される子供たち。汎用人型決戦兵器に乗って使徒を殲滅し人類滅亡を防ぐ子供たち。または、地球だけでなく火星の経済にも悪影響を及ぼす大人たちに対してモビルスーツに乗りクーデターを起こす子供たち。こういう物語は自らの未来を切り開くための力(信念)で悪(とされるもの)に立ち向かうことが明確なのだが、この物語は災厄に見舞われて有無を言わさず未来を託され、明らかな悪(とされるもの)のない現代の地球で起こる。ただ生き抜くこと。世界は大きく変わらない(地球環境の変化はあるが生活は可能)のに日常が大きく変わることは、状況は違えどコロナ禍を経験してきた分なかなかに大変なことだと想像できる。この物語では大人たちが全ていなくなるため、知恵や経験が急に無くなることを考えると大変さはその比ではないかもしれない。変化した世界で無邪気な子供の純粋さは残酷で非情であるが、寂しさや心細さが半端ないからこそ人に優しくなれるようにも思う。それにしても過酷で容赦ない世界だった。純粋な欲望は恐ろしい。
地球から8光年離れた恒星が超新星爆発を起こし、地球に大量の放射線が降り注ぐ。そこに含まれる高エネルギー宇宙線は人体の染色体を完全に破壊するものだった。生き延びられるのは、染色体を自己修復する能力がある12歳以下の子供のみ。約1年後にはそれ以外の人類は死滅する。
後書きを見ると、この物語は2003年に本国で出版されたようだが、書き上げられたのは1989年とのこと。少し物語の内容に触れるが、大人が死滅した後の混乱を自意識を持ったAIが解決する場面があり、他にVRワールドも出てくる。だが、目立ったテクノロジーの描写は少なくどちらかと言えば現代的な内容が多かったように思えるのは、30年以上も前と思えば納得かもしれない。その反面、30年以上前にこの物語が書き上げられていたと考えると恐れ入る。
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『三体』で有名な劉慈欣の第一長編。太陽系にある恒星が超新星爆発を起こしたことで、近い未来、地球には未知の放射線が降り注ぎ、人体細胞を破壊することが判明。自己修復が活発な12歳以下の子どもたちのみが生き残ることが可能な世界となり、残された数ヶ月間で大人たちは子ども達に文明を引き継ぐ……というのが導入。
『蝿の王』や『十五少年漂流記』など、「子ども達だけの世界」という設定の物語はあるが、現代の中国が舞台となり、しっかりと"引き継ぐ"過程が描かれる点が新しい。作者の知識量によりディテールは細かく、何となく説得力を持つように見えます。けど、その他は結構ガバガバ。たぶん、というか間違いないなく作者は後半の展開をこそ書きたかったんだろうなあ。ミリタリーや戦争が好きなのはこれまでの著作で知っていたので、気持ちは理解できるのですが、にしてもそうはならんやろって展開ばかりで作品の評価は低くならざるを得ないです。作者のファンならその後の著作につながる要素も多数あるので手に取ってみては。
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劉慈欣の初期小説。さすが!
超新星爆発により13歳以下の子供たちだけが生き残ることになった地球。『蝿の王』を超える残酷ぶりが吹き荒れるわけだが、淡々とした筆致とユーモア、子供ならではの軽い命認識などとあいまって、悲惨感はなく、どう落とし前をつけるのかなとページを繰る手が止まらない。
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あらすじから惹きつけられ、序盤の感情的な導入からいったいどんな展開がなされていくのかとワクワクしていたら、全く予想できない方向に話が進んでいって非常に驚きました。いや、とても面白かったんですが、まさかそんな展開になるとは。
三体に比べると風呂敷の畳み方を含め、正直荒削りな部分的も多いんですが、著者のルーツを知るという意味ではとても魅力的な作品だと思いますので、三体を読み終わった方にはぜひ手に取って欲しいですね。
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1番最初の長編小説らしいのですが、気づかなくて最近見つけて読みました。
前半と最後のあたりは面白かったのですが、途中戦争の描写が細かすぎてよく分からないので、私は飛ばし読みしてしまいました。戦争や兵器などに興味や知識がある人は興味深く読めるのかな??
この作品以外は全て、心から面白いと思い、興奮しながら読みましたが、こちらは他の作品と比べると興奮度合いは下がります。
創世記の展開からオチに至るまでの部分の説明がもう少しあれば楽しかったかなと思います。
でも大好きな作家さんなので、また新刊が出たらすぐ読みたいです。