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インド最大都市ムンバイのごみ捨て場デオナール。ごみ山を、絶えず欲望を追いかけてモノで心を満たそうとする現代生活の産物であるかのようだと著者は考える。
ファルザーナーの家族を始めとする、ごみ山に暮らす人々については引き込まれるように読んだ。
ごみ山で手や脚は傷だらけになり、汚染物質から出る有毒ガスに体を蝕まれる。ごみ山から抜け出したくても、生きていくためにごみ山を離れることができない人々。
シャイターンと呼ばれる悪霊、護符や霊廟が生活の中で当たり前のように存在している。
あらゆることが興味深かった。
並行して書かれている司法・行政の動きが私には難解だった。
さまざまな縮小・処理計画が出たかと思えば頓挫し、閉鎖の延期が繰り返され、読んでいるうちにわけがわからなくなってしまった。
珠玉のルポタージュであることは確かだが、私にはどうにも読みにくく、読み終えるまでにかなり時間がかかってしまった。