薄暗い夏が好きな方におすすめ
2024/01/29 18:56
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投稿者:りん - この投稿者のレビュー一覧を見る
夢野久作の「瓶詰地獄」が好きで、ラノベも含めて近親相姦ものはいくつか読んでいるのですが、好きなタイプの話でした。
ラムネも、ひぐらしも、うだる暑さも、描写全てが世界にふたりきりみたいな感じで本当に良かった。真夏で太陽もあるのに、灰色で薄暗い雰囲気が常に続いている感じ。季節が夏だからこそ良い内容だと思う。
ネタバレなしで書くとすると、本当にどうしようもなくてままならなくて最後まで苦しかったです。でもそれが良かった。誰もが認めるハッピーエンドはいらない方は好きだと思います。
あとがきも素敵でした。
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大学三年の夏休み。おれは水素水詐欺にあった祖母の様子を見に、静岡へと向かう。我儘なねえさんも一緒に。ねえさんはなぜだか、ずっと、おれについてくるのだ。
久しぶりに逢う祖母の目はうっとりとしていて、同じ言葉を繰り返す。爺さんが死んだのは、めんとりさまのせいだ。居るんだ、めんとりさまは――そして、祖母は失踪した。
祖母の行方を追うため「めんとりさま」の正体を調べる、おれとねえさん。しかしそれは家族の闇と絶望に触れる、禁忌の探索だった――!
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一つだけ気になった場面が。
序盤で祖母の住む富士市に実家のある藤枝市から姉弟が向かうところ。
藤枝から富士駅に電車で到着して降車し、駅は夏休みで人の往来が多いと書きながら辺鄙な土地で当然タクシーは来ない、と表現。その後弟が「藤枝は田舎だから仕方ない」と一言。
藤枝?富士ではないの?辺鄙な土地なのに人の往来が多い?
富士市は都会とまではいかなくても静岡県内では栄えている方だと思うし、藤枝も駅前は辺鄙な土地というほどの田舎でもないように思えます。
何度読み返しても富士に到着したはずなのに藤枝と表現していて、間違いなのか何なのか分かりません。
ストーリーとしては、最終的に結局何がどうなったのか、ちょっとよく分からなかったですね。でもそういう性質の作品なのだろうから、そこは別にそれでいいのだと思います。
夏らしさは上手に表現されていたと感じました。
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☆2.5 純文学みたいだ
カクヨム書籍化。
言回しはところどころ文学チック。一方でオノマトペはラノベ特有のもの。それなりによく書けてゐて認知症老婆といふ題材も純文学みたいだが、姉の存在は会話を含めてファンタジーだらう。
作者の経験は混ざってゐるとおもふ。しかし経験を活かさうとするあまり、途中の梅酒の作り方などがくはしすぎて長い。もうすこし削ってもよかった。
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うーん。。。
全体的には嫌いな感じじゃないけど、なんか、わざわざ拗らせて、むつかしくしてるような、、、。
なんか、もったいない感じ。
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一族に伝わるもの。
頭のいい姉弟だったからこそ、答えに辿り着くことができたうえに自分たちの置かれた状況を把握できたのだろう。