都市国家の衰退と消滅
2024/03/01 11:30
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投稿者:かずさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
繁栄を誇り民主政を創り出したギリシア都市国家。しかし、都市国家間の絶え間ない覇権争いと戦争で次第に戦力・知力・資力を失っていき指導者にも事欠く。その間に力を蓄えたマケドニアの台頭と侵略に対抗できずに消えていくアテネ・スパルタ諸国。
作者の「ギリシア人は民主政を創り出せば衆愚政も創り出す。市民全員の投票を実現すれば不正投票も実現する。」この言葉は現在のどこかの国の政治を表しているのかもしれない。
覇権は次々と移り変わるが
2024/02/25 11:14
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
覇権は次々と移り変わるがどの国も長続きはせず、世界史上 特筆すべき特色もない。そんな時代を描いている。世界史を通して言える原則 法則の一つに、覇権は辺境に移ってゆく というものがあるが、この時代のギリシアも同様に覇権は北方の蛮国マケドニアに移っていった。
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ペロポネソス戦争に敗れた後のアテネの衰退の過程が、今の日本と被るような気がして、暗澹たる気分になった。
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「そして、バトンは渡された」フィリッポスからアレクサンドロスへ。最終巻へ素晴らしい繋ぎ方。(註: 文庫版上の演出です。)
マケドニア王フィリッポスがカイロネアの会戦後に見せた、対アテネと対テーベとの戦後処理の違いを見るにつけ、ギリシア財政危機の際のギリシア政府の堂々たる開き直り(ヨーロッパ文明の源流はなんだかんだ言ってアテネだよね、みんな感謝せよ。俺たちは永遠の債権者だ!)に通じるものを感じた。
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2023/10/18読了
〈ペロポネソス戦役〉に敗退し、覇権国家から陥落したアテネ。その後釜に座ったスパルタもテーベも覇権を維持できず、都市国家の時代は終わって、北方のマケドニアが台頭。躍進の原動力であった、フィリッポス二世が斃れて、後を継いだのがアレクサンドロスだった……この歴史の流れは偶然の重なりであって、何かの意志が介在した訳がないのだが、ついついそんな『物語』を見てしまう、そんな巻だった。
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ペロポネソス戦役。敗れたアテネ。デロス同盟が崩壊。経済大国としての機能も失う。落ちていく一方の市民生活。人材が輩出されない。凋落を受けいれるだけ…唯一の覇権国となったスパルタ。頑なに守り続けた古い政体がその立場に耐えられぬ。地位は維持できず…二頭政治で一時台頭したテーベ。2人亡きあとを継ぐ者がおらず衰える…主役交代。マケドニアへ。フィリッポス二世。満を持してのカイロネアの戦い。勝利の喜び。息子との確執。暗殺…都市国家たちの栄枯盛衰。一つ舵取り誤れば命取り。栄えた国も滅びるのが歴史。それは現代にも続く。
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テーベが強くなったと思ったらすぐ終わってしまった。
でもいよいよフィリッポスが出てきて、マケドニアが強くなってきた。
次巻はいよいよアレキサンダー大王でとても楽しみです。
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アテネの凋落から都市国家ギリシアの終焉、マケドニア台頭までを描いた「ギリシア人の物語」第三巻だが、アレキサンダー登場前の幕間のような退屈な巻かと言えば、全くそんなことはない。
ペロポネソス戦役で敗れて後、「民主制という制度」が「民主主義という唯一無二の絶対善」に変容し、凋落の一途を辿るアテネ。(現在の日本とダブって悲しかった)
覇権を握ったはずが経済センス皆無のスパルタ。スパルタを破ったが、人材不足のテーベ。そこに現れたマケドニアの若き王フィリッポス・・・
読みどころは多いが、個人的にはフィリッポスの軍事改革(ホプリーテスからファランクスへ)についての記述が非常に面白かった。
最終巻、アレキサンダーの活躍を読むのが楽しみ。
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ギリシア人の物語3
文庫版
新潮文庫 し 12 48
民主政のはじまり
著:塩野 七生
第3巻は、凋落により、寛容性が失われれていくアテネ、デロス同盟の解体
ギリシア市民兵の傭兵化、スパルタとペルシアの接近
テーベの一時的な興隆、そして、マケドニアの台頭を描く
ギリシャは、再び、ペルシャの影響力の下におかれるが、それに対応できるほどの力は
スパルタにもなかったにもなかっただけでなく、財政的な支援を、ペルシアに仰ぐこととなる
レウクトラの海戦は、テーベと、スパルタの間で行われる
テーベが圧勝し、ペロポネソス同盟も、このために瓦解することとなる
マンティネア平原の会戦
ギリシア本土にある都市国家を二分する戦い、テーベVS反テーベ
戦闘時代はテーベ側が勝利したのだが、結果的に勝者も敗者もおらず、ギリシア世界には、覇権国なしとの
結果で終わることとなる
その3年後、ギリシア北方のマケドニアで、フィリッポスが王位につく
フィリッポスは、軍制改革を行い、マケドニア軍を精鋭化していく
その業績、効果は、BC338のカイロネア平原での会戦にて結実していく
マケドニア軍は、テーベ、アテネ連合軍を破り、ギリシア世界の新しい盟主として、覇権を確立していく
そして、フィリッポスの後をアレキサンドロスへと繋いでいく
目次
第1章 アテネの凋落
第2章 脱皮できないスパルタ
第3章 テーベの限界
第4章 マケドニアの台頭
ISBN:9784101181141
出版社:新潮社
判型:文庫
ページ数:292ページ
定価:750円(本体)
発売日:2023年10月01日
全体の構成
1巻
第1章 ギリシア人て、誰?
第2章 それぞれの国づくり
第3章 侵略者ペルシアに抗して
第4章 ペルシア戦役以降
2巻
第1部 ペリクレス時代
前期(紀元前四六一年から四五一年までの十一年間)
後期(紀元前四五〇年から四二九年までの二十二年間)
第2部 ペリクレス以後
前期(紀元前四二九年から四一三年までの十七年間)
後期(紀元前四一二年から四〇四年までの九年間)
3巻
第1章 アテネの凋落
第2章 脱皮できないスパルタ
第3章 テーベの限界
第4章 マケドニアの台頭
4巻
第1章 息子・アレクサンドロス
第2章 ヘレニズム世界
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図書館で借りた。
ギリシア人の物語3巻目。2巻を読んでから間が空いてしまったが、3巻目は1・2巻より薄い印象。さらにはアテネなどギリシア諸都市国家が凋落して、アレキサンドロスが出てくるまでの"狭間の時代"であることもあり、さらっと読み終えた。
そういう時代背景もあるのか、どーも煮えきらない。子供っぽく言えば、面白くなかったかなぁ。
ひとまず星2つ評価で据え置き。