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投稿者:une femme - この投稿者のレビュー一覧を見る
一般的になドラキュラのイメージを持っていても、なお、本書は楽しめる。
日記や書簡などでのみ構成され、日付けや語りの時制にところどころで無理のある箇所も見受けられるものの、ストーリーの展開は、面白い。そしてまた、バンパイヤーたちの消滅に、彼らの最期の表情が示す、一抹だが最大の救いがあるところに、やはり、感動を覚えた。
物語の最後の追記により、客観性の問題が残されているのは、いささか謎が残った。語り伝えられた伝承に過ぎないと示したかったのだろうか。
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平井呈一訳の『ドラキュラ』を読んだのは一昔前のことで、ストーリーをほとんど覚えておらず、まるで初読のように読み進んだ。映画の(どの映画だったかは覚えていないが)ドラキュラの印象が強かったので、「ああ、こういう話だったのか」と思うところが多かった。
もちろんメインとなるのは、 ”ドラキュラ” vs. ”ドラキュラを倒し、その企てを防ごうとする人たち” の戦い振りということになるのだが、「解説」にもある通り、この小説が書かれた時代、19世紀末のイギリスの社会状況が小説の中にいろいろと反映されているところに興味を惹かれた。
例えば、迷信深いルーマニアの人々に対する、魔術や迷信を否定するプロテスタントのイギリス人との対比、心理学の黎明期であるこの時代を象徴する、脳を専門とする科学者と精神病院医師という主要登場人物の間の思考法の相違など。
主な舞台となる場所の地図や適宜の注釈が付いていて、理解を助けてくれるのも実にありがたい。
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昔、創元版で途中挫折したけど、古典新訳版は読み易くしっかり読了できました。コッポラの映画版は原作に忠実なのかと思ってたけど、ちゃんと読んでみたら全然違った。日記、書簡形式で話が展開するので、どうに無理矢理な書き方も気にならないでもないが、吸血鬼もののパイオニアという立ち位置の作品なので、名作を読んでおいて損はないから、読ん方がいいと思います。
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図書館新刊本棚より借り読了。解説にあったが、翻訳で読みやすくして下さった点と丁寧な説明により面白くスイスイ読めた。語りは登場人物の日記を読む形で日付の齟齬があるものの同じ事象でも人によりこんなに感じ方が違うのかと物語の奥行きを感じ面白かった。昨今吸血鬼の孤独が映画題材になっているようだが、ルーシー、ミーナの運命に対する同情のほうが強く感じる文体。悪に甘い顔は禁物! 解説含め837ページの分厚い本だけれど、いつかこの本を持ってルーマニアを巡ってみたいな。
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吸血鬼ものの元祖が新訳で出版ということで、これを機に読了。
訳はとても読みやすく、スラスラ読めるので800頁も苦ではない(多分)。
ドラキュラの住むトランシルヴァニアへの旅行描写、そこに住む人々の詳しい描写など細かくリアリティを積み重ねることでドラキュラの実存感が高まるのが素晴らしい。
また、中盤にかけてのドラキュラが船でイギリスに上陸し、いつの間にやら着々と地盤を固める様子や、ルーシーが吸血鬼にされてしまう所の普段通りの日常生活が崩れる展開などホラーとしての面白さを存分に発揮している。
ただ、後半のドラキュラを倒す部分は人間側があまりにも強すぎて面白みがない(金のパワーで大抵解決する)のと、ドラキュラ側の言い分が描かれないのでちょっと可哀そうに思える。
また、正直800頁超えはやっぱり長いし、三分の二くらいにページを減らしても特に問題ないのでは?と思う。
あと、半吸血鬼になってしまったミーナが逆にドラキュラを探知するところや、ドラキュラを不死たらしめている土の入った木枠を次々と破壊するところなど、ハリーポッターのヴォルデモートみたいだと思った。
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読みやすくて、あっという間の約800頁だった。
解説も含めたら800頁超え。
凄く面白かった。
誤記もあるけど丁寧な注釈で、地図もあり臨場感もある。
読み手をヴァンパイアハンターに導いていく構成といい最高に面白いエンターテインメントだった。
吸血鬼文学の金字塔でもあるけれど、古典文学に苦手意識を持つ方にも手に取りやすい内容と描写、訳だったと思う。
頁数は結構あるものの、ストレスフリーで読めるのが良い。
あまりにもハマり込んでしまったので、レファニュの「カーミラ」も買ってしまいました。
吸血鬼文学ってこんなにも面白かったのか!と初めて気付かせてくれました。
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元祖ドラキュラです。アニメやTVで子供の時から知ってるあの俳優の吸血鬼や、小野さんの屍鬼やキングの呪われた町など怖い吸血鬼を知ってるけど、そもそも元祖がどうだったのか気になってた。本家本元は意外に共通項も多く、ニンニクと十字架が弱かったり、コウモリや狼に化身する一方で、血を1回吸って、はい、バンパイア仲間の出来上がりと言うわけにはならないのである。
で、電子書籍では気づきにくいけど結構分厚くて立派な怪奇小説の本作、とても長くて読むのにすごく時間がかかった。日記形式で、各登場人物のモノローグで進むから、個々の心情が細かく色濃く(しつこく)語られ、良い意味で雰囲気がじっくり味わえる。恋人が徐々に冒されていき、じわじわと死が忍び寄る雰囲気はなかなか怪奇でよい。血が足りないから全員で献血輸血して(血液型関係ない笑)、その後師匠に吸い取られて弱って、その繰り返しのなか遂に不審死してからドラキュラ化するのだけど、その異様さもホラーの魁として、読みごたえがあった。あえていうなら、決戦で向かったルーマニア行程が長すぎで、その割にあっけなくという感じだったので、もう少し頑張ってほしかった気もするけど、そのあたりは古典文学、元祖でお許しをということかもしれない。この文庫ではフランケンシュタインも読んだし、後はなんだっけか。
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名作かつ、自身が創作好きで特にドラキュラ伯爵概念が好きなのでずっと読みたかった一冊。
一度目買いに行った時本の厚みに慄いて断念しましたが、二度目にてトライ。
ボリュームがかなりありますがサクサク読める作品でした。
自分の今までのドラキュラ伯爵と原作は異なる点が多く、驚きや感心、ハラハラといった感情で読みました。
内容が登場人物の手記や手紙、書類などで構成されているため、ドラキュラ伯爵の動向が「登場人物の前に現れた時」にしかはっきり分からず、物語的には登場人物たちの「いつどこから敵が現れるからない緊張感」が伝わっていいのかもしれませんが、伯爵推しにとってはとてもモヤモヤしました。
外伝で伯爵の手記とか手紙の内容が書かれた話があれば迷わず読んだのに!ってなりました。
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ページ数は多いが、訳がわかりやすいのでサクサク読める。ストーリーも最後は駆け足だがハラハラ感があって楽しめる。
あとがきも非常によくできている。現代サブカルチャーでの吸血鬼の受容を含めた機知に富んだ内容。