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ほとんど乗る機会のない路線がある。
それは武蔵野線。
著者は「武蔵野線は実につかみどころのない鉄道路線である」と述べている。
目玉となる中心ターミナル駅がないと指摘しているが、確かに浮かんでこないなあ。
しかし、武蔵野線をなめてはいけないとも述べている。
この武蔵野線がなかったら、今の首都圏は成り立っていないと言っていいとハッキリ述べている。
「何だコレ」と思ったのは、「黄金のナマズ」だ。吉川駅前に黄金のナマズ像がある。
著者は気になって黄金のナマズ像近くにある説明書きを見た。
それによると、古くからある中川沿いの舟運では繁盛した河岸町で、旅籠や料理屋が建ち並び、定期的に市も立ったほどの盛況ぶり。
よく提供されていたのがナマズ料理だった。
川魚がよく穫れて、川や田んぼに引いた用水路などは、ナマズにとって良いすみかとなった。
そういう経緯があるので駅前に黄金のナマズがあったのかあ。
ナマズがモデルの「なまりん」というゆるキャラもいる。
武蔵野線は、当時の国鉄が担っていたので、著者が指摘しているように、私鉄と違って街作りを考えていなかった。
それにあくまでも「貨物路線」として武蔵野線を見ていた。
このような状況だったからこそ自動改札機を1973年の開業当時から設置できたと述べている。
今では武蔵野線沿線も人が増え、商業施設もできたり様変わりしている。