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今まで経験や勘で感じたことは、エビデンスより立証されたり、覆されたりになった。論文などの専門性もありつつ、実践においての事例も交えて説明するので、理解には苦にならなかった。今の仕事の環境ではいかに専門性が欠けてるかを気付かれた一方、いかに他人に理解してもらうかもヒントをもらった。
市場や消費者を見る視点は1つではない。最適解は置かれた文脈によって変わるもの。なので、エビデンスによって導いたものは全て正解とも言えないので、エビデンスを頭に入れつつ、今後の実践に新たな発見が見つかっていきたい。
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信用するかどうかに関わらず(私は信用する、本当は論文を批判的に読まないとだけれどそこまではできないので)
今後の議論のテーブルに常にある本だ
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エビデンストマーケティングこそがただ一つの正しいマーケティング理論だ、とはしていない。ただ、通例として何となく通っているファクトを無視したセオリーについて冷静に検討している。信用したいセオリーを信じたいように信じて使う──ある意味では、マーケターも消費者同様「そこまで考えていない」のかもしれない。そもそもそのセオリーや仮定でいいのか? を時折見返して議論できるようでありたい。
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既存の論文を参考に、誤ったマーケティング施策と、その実際の効果について述べている書籍
また、この本と一緒に「RCT大全」も参照することをおすすめします
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テーマ自体は興味深いし、学びも多い。でも個人的にはしっくりこなかった。
一言で言うと、結論めいたものがなくてモヤる。
「自分の知っている当たり前は当たり前ではないかもしれない」をベースに世に知られたマーケティングフレームへの反証を行なっていくが、結局なところ、ケースバイケース・場合分けと使い分けが大事、と。
まあ、そりゃ、全てにおいてそうだよね。
一番のモヤりポイントは、
「既存顧客の育成よりも新規顧客の獲得を優先すべし」
を前提に話が進められるにも関わらず、その前提自体がイマイチ腑に落ちきらない点かも。
(一応「新規を優先しつつ既存も両立すべき」としながらも、以降の論調は「これは既存には効いても新規には効かないから、ダメである。」が続くような印象)
新規が重要な理由ー
①新規による売上がバカにならない点、②既存の育成が容易ではない点。
①→もちろん既存顧客の売上もバカにならない。6〜8割は既存顧客。
②→これは確かに!ただ、大きなブランドやターゲティング可能な市場を除くという注釈付き。
だったら場合分け・使い分けのケースについてページを割いた方が、実りあるように思う。
ここの納得感が置いていかれると、全て「新規獲得には有効じゃないよ」と言っているにすぎず、そんなんは知ってるよ(別にそのために用いているフレームじゃないよ)、と。
また本書における「新規/既存」が、ブランドに掛かるのか、カテゴリーに掛かるのか、あまりちゃんと使い分けされていないのも結構気になる。
素直に学びきれないのは、読解力の問題?これこそが思い込みに囚われた私のゼンメルワイス反射?
とにかく個人的にはやや、既存マーケティングフレームの否定ありきで主語を大きくしているような印象が残る読後感だった。
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マーケティング業界で常識と思われていることは、全ての事例で有効とは限らないということをエビデンスをベースに解説している。
自身の商材をよく理解して、何が有効か見定めるのが重要。
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受け入れられやすい理論や聞こえの良いストーリーに惑わされず、当たり前を疑い事実を観察することでこれまでの常識の洗い直しを試みたマーケティング本。
ほぼ初学者の自分は用語を検索しながらだったが、ちょうどよかったかもしれない。
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いわゆるマーケティングの通説的なものが、エビデンスによりばっさばっさと斬られていく本。
こうもはっきりエビデンスを突きつけられるとそうよなあ、むしろなんで今までその法則が全てだと思っていたんだろう・・・と思う。
マーケティングにおいて普遍的な法則はない。
書いてある通り、やや商材が消費財よりなので自社ビジネスで使えるかどうかはケースバイケースだなあと思ったけど、繰り返し読んできちんと消化したい。
実務に落とすのはまだまだ難しそうだけど。
*
・ダブルジョパディの法則
・新規と既存、どちらが大事か→「両方、別々に」対応する必要がある
・ロイヤルティには上限がある(購入頻度や利用額は”変数”ではなく、上限がある”定数”)
・サブスクリプション市場は新規獲得が大事(そもそもベースのLTVが高い)
・態度が行動を決める、だけでなく行動が態度を決める、もある
・未顧客の大半は無関心層(ペインはない)
・広告の質や解像度で「リーチ不足」をカバーできるのか
・事業成長は効果が先、効率は後
・事業成長とROIの最大化は別物
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良い結果と 良い決定は違うもの
エビデンス 事実に基づく知識=視点=選択肢
新規と既存 両方、別々に
離反はマーケターがコントロールできない 既存は短期で効果が出やすい
シェア小さいと浸透率が成長に影響し シェア大きいと購入頻度の上昇が成長源
成功事例の再現性
パレートの法則 80%の利益は上位20%の顧客から =長期スパンでの話
ヘビーユーザー安定性50% 半分が入れ替わる 同じ人でも波がある
未顧客に1回、ライトユーザーにもう1回を考える
カテゴリーのヘビーユーザー=多数のブランドを購入
同じブランドリピーター=ライトユーザー :よく知らないから同じブランドで
大きなブランド みんなのカテゴリー需要を満たすためロイヤリティが高くなる
競合するブランド間の顧客構成はほぼ同じ ライトユーザーを増やして成長いく
ニッチ戦略や高ロイヤルティは悪い結果 ヘビーユーザーの伸びしろは小さい
決定論的なマーケティング 態度や評価 →購買行動 AIDA
確率論的なマーケティング 行動の一定の規則性
購入意向=過去の経験による結果
購入したのは 購入意向のない大半の人
NPS 推奨意向 未顧客層の変化に着目する
買わない人が買うのは 理由ではなく 想起の問歳 大半は無関心層
差別化 マージン(高い値付け)の要因になるが ボリュームへの寄与は少なめ
水平差別化 価格帯は同じで特徴を備える
垂直差別化 基本的品質を差別
ニッチ? 気分転換? 利用文脈に合う?
消費者にとって値段を付けられる価値 一般的に10%値下げで25%の販売量増加
価格プロモーションに反応するのは既存顧客のみ
ボリューム戦略:カテゴリーユーザー全員、特に未顧客に
マージン戦略 :既存顧客
軸をずらす 「購買文脈×商品属性×価格」の組み合わせ
ブランドイメージ? シェアや浸透率で決まる
良いイメージから買うのではない 購入したことで良いイメージを持つ
ポジショニング? STPだけでない
目立った広告だけでなく様々な文脈(間口が浅く広い)による 想起頻度の高さ
カテゴリーメンバーシップのないブランド どこにいるのか知られていない
相違点PODより 類似点POP を訴求する 未顧客は無関心
ROI=効率の指標 効果の指標ではない
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・ダブルジョパディの法則:「ロイヤルティを高めればブランドが成長する」と思われているが、向きが逆。浸透率を増やさずにロイヤルティだけを高めたりはできない。顧客数が増えるほどリピートや利用額も増え、高い価格も受け入れやすくなっていく。
・離反とは、他の変数と独立して、マーケターが任意にコントロールできる変数ではないのです
・新規も既存も「両方別々に」対応する必要がある。短期でわかりやすい成果を出しやすいのは既存顧客なので、マーケターやプランナーなど実務者側の実感としては既存顧客が成長の中心にいるように見えるわけです。しかし、個人の経験や実感を超えた時系列・規模のデータで確認すると、既存顧客中心の成長には限界があり、持続的な成長を遂げているブランドのメインドライバーは浸透率やブランド構築であることもまた事実なのです
・大きなブランドになるほど既存顧客のロイヤルティやマージン成長(WTPやLTVの向上など)が相対的に重要になっていきますが、小さなうちは顧客基盤の拡大によるボリューム成長が何より重要だ
・カテゴリーのライトユーザーほど同じブランドを利用することが多く、カテゴリーのヘビーユーザーになるほど色々なブランドを利用してカテゴリーニーズを満たしている。ライトユーザーは基本的には無関心層であり、カテゴリーに対する知識が少なく、商品やサービスの違いについても詳しくない(知りたいという動機もない)ので、いつもと違うものを買って失敗したくない、それなら大きな有名ブランドの方が良い、となるわけです。「そのブランドが好きだからリピートする」のではなく、「よく知らないし、特に興味もないから同じブランドで”済ませる”」のです。
・レパートリー市場とサブスクリプション市場では「ロイヤルティ」の意味も違ってきます。レパートリー市場では、毎回の購買が独立しており、消費者はその場その時の購買文脈に応じて、様々なブランドを利用することでカテゴリーニーズを満たしています。したがって、チェックすべき主なロイヤルティ指標は、購入頻度、SCR、ブランドに100%ロイヤルな顧客の比率などです。逆にレパートリー市場でリテンションや離反率だけ見ていてもあまり意味がありません。なぜなら複数のブランドを利用することが「普通」であり、スイッチして「当たり前」だからです。
・レパートリー市場では、その名の通りいくつかのレパートリーの中から確率的にブランドが選ばれます。つまり、リピートされなかったとしても想起集合には入っている、購買頻度が低いだけで潜在顧客ではあるということです。こうした一時的な離反(平均への回帰)と本当の離反(想起集合に入らない)を混同しないようにしましょう。必要なのは後者のケア、つまり想起すらされなくなるのを防ぐことです。
・英国IPAによると、消費財カテゴリーにおける最適なマーケティング予算配分は、長期的なブランド構築に60%、短期的な購買喚起に40%とされています。
・態度が行動を決めるというベクトルだけでなく、行動が態度を決めるというベクトルも考慮する必要がある。何かを経験して、その後、その���験に対する意見なり態度なりが形成される
・購入意向というのは、過去の購買習慣や利用経験によって内生化された従属変数(結果)であり、将来の行動変化を予測する独立変数(原因)ではないのです。
・水平的差別化:人によって好みや評価の分かれるような属性に付いての差別化です。価格を大きくかえるというよりも、価格帯は同じで競合にはない特徴を備えるという方向性が比較的多い
・垂直的差別化:カテゴリーユーザー全てに好まれる機能や性能を強化したり、訴求したりすること(燃費の向上、ユーザビリティの向上など)。基本品質の向上に伴い、高価格帯にシフトするケースも多くなる
・差別化は「まったく需要がないところに需要を生み出す打ち手」ではなく、「需要があるにも関わらず機会損失されている消費を呼び起こす打ち手」である。商品の差別化や価格変化に反応するのは、すでにブランドに対して興味や関心を持っている既存顧客やカテゴリーユーザーであり、未顧客はブランドに興味が薄いので、なにか変化があっても気づきません。プレミアムラインに価値を感じるのはレギュラーラインを知っているからですし、低価格のサブカテゴリーやディスカウントに反応するのも、過去の経験や記憶に基づく内定参照価格があるからです。
・シェアが大きくなると浸透率が伸びにくくなり、相対的にロイヤルティ寄与が大きくなる。シェアが小さいうちはとにかく浸透率、シェアが大きくなってからは「浸透率+ロイヤルティ」が重要。
・消費者の中で最初に知覚されるのはブランドの差異ではなく「文脈の差異」です。その場その時のプレファレンスに合致した特徴を持ったブランドに「気づく」のです。
・マクロな視点で意識しておくべき基本的事実として、企業がどれだけエクステンションしようが、カテゴリーの総需要が増えるわけではありません。
・行動ロイヤルティ:行動が変化する分岐点を見つけ、それは誰か、それはなぜかと調べていく。(ドロップボックスの「写真や動画をバックアップするための保管庫として使う」という行動は有料プランにアップグレードする可能性が低く、「仕事で使うようなドキュメントやプレゼン資料などを共有し、ネットワークを介してコラボレーションする」という行動は価値が高いことを発見した
・カスタマージャーニーの中で習慣として確立されている文脈と、習慣が確立しきっていない文脈を分け、後者の文脈に狙いを定めて認識変化を集中させる取り組みを行う
・ブランドイメージもダブルジョパディの法則に従う。顧客数が少ないブランドほどブランドを好きだという顧客も少なくなる
・ゼロの想起をわずかにゼロではないレベルに引き上げる「広く薄いパーセプション」の浸透が大切になってくる
・例えばコカ・コーラは海でも山でも想起されるでしょう。それは数十年にわたって、様々なオケージョンとブランドを結びつけてきた結果、そういう記憶構造になっているわけです。1つのオケージョンである程度の想起を獲得したら別のオケージョンでの想起獲得に取り組むべきです。
・広告をしたからといっていきなりシェアが伸びることはなくても、広告をしておかないとシェアを維持することすら困難になる
・広告を見てブランドを���い出したときに消費者が好きな連想を結びつけることができる作り
・Point of Differenceの前にまずPoint of Parityを達成することで、「どこが違うか」の前にまず「何であるか」を先にわかってもらうことが大切。PODばかりを訴求するとライトユーザーが置き去りになってしまう
・購買プロセスをスタートさせる起点を作りたいなら感情側面を訴求すべきであり、売上に対する直接的な効果を高めたいなら経験側面を強調した広告にするのが良さそうです。
・効率を優先するとマーケティング活動が小規模になり、結果的にリターンの絶対額も小さくなっていく
・ROIは短期的なリターンを過大評価する一方で、持続的なキャッシュフローを生み出す活動にペナルティをかけるため、最終的にはビジネスを破壊してしまいます。短期成果の積み重ねで長期成果が達成できるわけではない
・自分の知っている当たり前は当たり前ではないかもしれない。実はあたりの前ではなく、ハズレの前位にいるかも知れない ことに気づく