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書店の文庫本コーナーで人気上位だった本書が目に留まり、読んでみることに。
本書の趣旨は、著者の経験をもとに「お金の世界地図」を読み解き、この先10年の「伸びる国」「沈む国」を予測しようとするもの。
学びとしては、グローバル視点でお金・経済について考える良い機会となったが、「中国推し」が全面的に溢れ出ている。
以下、気になったことをメモ
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投資で成功するためには、「お金がどう動くか」をイメージすることが不可欠。
お金が流れ込む国の条件は二つ。
1.国が開かれていること
2.有能な指導者がいること
この視点にもとづき、「伸びる国」として著者がもっとも有力視する国は「中国」。
減少に転じたとはいえ14億人を要する大人口を持ち、鉱物や化石燃料、森林資源など、豊かな資源にも恵まれている。
現代において、アメリカにとってかわる覇権国家としての要件を備えているのは中国しかないという。
たしかにこれまでの中国は鄧小平という有能な指導者のもと、改革開放により国を開くことで驚異的な発展を遂げてきた。
現在も一帯一路は中央アジアやアフリカへの投資をもたらし、貧困問題解決を導いているなど、近年でもっとも成功した経済プロジェクトと評している。
さらに、農業、観光、旅行、エンターテイメントなどには明るい未来はあるとしつつも、テクノロジー企業などの新興企業を摘発するなど、今後もその成長が続くかどうかについては楽観的ではない。
著者も指摘するように現在の中国にとって一番の問題は、国を閉じていくのか否かである。
しかしながら、著者によれば、実質的に終身権力を得た習近平は大胆な政策を実行する力と自信を持っているとし、今後も注目するべきと述べる。
その他有望な国は、サウジアラビア、ウズベキスタン、ルワンダ、ベトナム、コロンビア。
これら多くの国が、経済政策の転換や、内戦等の国内の混乱から立ち直りつつあり、投資対象として期待が持てるとのこと。
いっぽうで今後「沈む国」は、アメリカ、イギリス、日本、韓国。正直あまり驚きはないものの、韓国については南北統一への期待には共感した。
海外留学経験を持つ金正恩がその圧倒的な権力をもって北朝鮮の経済解放が実現できれば、東西ドイツ統一のような熱狂を目の当たりにするかもしれないとのこと。
投資の基本は「安く買って高く売る」。
4つのチャンスの見極め方
①魅力的な製品を作っているか、②イノベーターが存在するか、③技術革新が生まれているか、④危機から立ちあがろうとしているか。
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著者は現在の米国株式市場に悲観的であり、現在は米国株を保有していないという。中国については豊富な天然資源もあり有望ではあるが、指導部が国を開くか閉じるかが分かれ目であり、習近平が正しい選択をすることを望んでいる。
将来有望な新興国として中国・サウジ・ウズベキスタン・ルワンダ・ベトナム・コロンビアが挙げられている。個人的にはウズベキスタンには興味を引かれる。外資系企業数は2017年の5千社から2020年に1万社に。教育水準は高く、農業(特に綿花)も盛んで、天然資源も豊富。金の埋蔵量は12位、石炭は10位。観光資源も優秀で、4つの世界遺産の町がある。外資系ホテルの進出も多く、著者は50年後には世界的な観光地になると踏んでいる。(全体的にはカザフスタンとよく似ていると思う)
今後10年で沈む国の中には、当然のことながら日本か入っている。著者は日本で有望なのは観光業だと以前から書いている。基本的に債務が膨らんでいる国は評価できないようなので、当然米国も衰退するとみている。
私的には基軸通貨がドルしかない現状が変わらない限り、米国の有利は揺るがないと考えるが。
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ジムロジャースというファンドを設立している投資家の書かれた本です、この人の名前は私が大学生の頃(昭和末)から聞いています、まだご活躍のようで凄いですね。その彼ば、2030年に向けて伸びる国と停滞する国について将来予想を書いています。
日本を始め、今まで世界経済を引っ張ってきたとされる所謂「先進国」の成長はもう頭打ちで、これからは今年(2024)初めに拡大したBRICsを中心に発展していくことになる様です。人口が増えるかどうかがポイントの様ですね。
私個人的には日本経済がまだ成長している時に社会人生活を送らせてもらってきますが、これからは私の経験がほとんど役に立たない役に立たない将来が待っています。2030年までも今まで(コロナ騒動等)とは異なった激動の時代となると予想されますが、様々な情報を基本は書籍から得ることで過ごしていきたいと感じています。
以下は気になったポイントです。
・投資において成功したいのなら、未来を見通す力をつけなければならない、特に「お金がどう動くか」をイメージする力が不可欠である(p6)
・ロシアがウクライナに侵攻した直後、世界の食糧価格は高騰し、食料価格指数は過去最高に達している、原因は、ロシア軍が黒海に面したウクライナの港を封鎖し、穀物輸出をストップしたことである。その後、国連とトルコの仲介により両国間での合意が成立し、ウクライナの穀物輸出が再開したので落ち着きを取り戻したが、高い水準で推移している(p22)
・戦争が起きた時に、私は当事国のマーケットに目を向けるべきと考えている、戦争が起きて価格が暴落した国への投資は、長い目で見ればリターンを得ることが多い(p38)
・インフレが再発すれば、悪化する可能性が高い、なぜならここ数年にわたって、歴史上かつてないほど大量の紙幣が印刷されてきたから(p40)
・AIIBの資金援助により、スリランカ、ラオス、モンゴル、パキスタンといった国のインフラ開発などで中国に依存する状況が生まれている、スリランカはハンバントタ港を建設したが、投資資金を十分に回収できず、2017年には「借金のカタ」として99年間にわかって港の運営権を中国に引き渡すことに合意している(p43)
・お金は常に、安全で最高のリターンを得られるところに向かう、アメリカに代替する安全で高いリターンが得られる国は存在しないが、中国が通貨解放(中国元をインターネット上で売買)を継続すれば、アメリカに取って代わる可能性は高い(p50)
・中国では全国民が同じ言語を読み書きできるが、インドはそうではない、英語が使われているイメージがあるが、使用できる人は10%、流暢に話せる人は4%ほど(p65)
・国の成長のために必要なのは「人口」と、アイデアやエネルギーの源泉となる「自由な精神」である、日本やドイツでは政府が経済活動に干渉することなく、自由にさせたことでうまくいった(p78)
・永遠にトップであり続けるのは不可能である、1815年イギリスはワーテルローの戦いに勝利したことで覇権国家となった、しかし19世紀末からイギリス経済は衰退化の道を歩み��め、第一次世界大戦の勃発によりパクス・ブリタニカの終焉を迎えている、アメリカも時間の問題である(p134)
・ウクライナ侵攻において、西欧諸国遺体でアメリカに追随してロシアに制裁を貸している国はそれほど多くない、多くの国は中立的な立場をとっていて、アメリカ一強だった時代が終わることを示している(p136)
・世界経済が比較的好調だった時代に、なぜイギリスは低迷を余儀なくされたのか、その背景には固定的な階級制度、保守的な教育、労働力の不足、頻発する労働組合のストライキ、施設の老朽化が存在した(p140)
。問題を抱える国に共通巣rのは、かつては何世代にもわたって経済的に成功を収めたということ、成功が続くと国は自己満足に陥り、やがて問題を抱える、インフラも老朽化する(p144)
・歴史を振り返って、人口が減少し続け、借金が急増し続ける国に発展がもたらされたことはない、日本がそういう状態になっている(p152)
2024年3月7日読了
2024年4月8日作成
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お金が流れ込む国は、国が開かれ(安全)、有能な指導者がいて(リターン)、開放性があること。
伸びる国の条件は、世界が必要なものを手に入れる(天然資源の開発)と成長に重要となる労働人口。
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・まだS&P500に投資してんスカ?(笑)
これから金を産む国条件は以下の通り。
①言語が統一されていること。②労働力が安く、教育が行き届いていること。③経済的に開かれていること。
過去のアメリカや日本がこの典型。逆に、今後伸びると言われているインドは①を満たしていないので厳しい。
じゃあどこが伸びるか。サウジアラビアやウズベキスタン、ロシア、ルワンダあたりだそう。面白いところでは南北統一したら北朝鮮にも見込みがあるとのこと。
さらに面白いことに、アメリカは確実に沈むそう。これは債務超過の国が辿った歴史的運命とのこと。日本は、、、言わずもがな。
卑屈な個人的感想としては、S&P500よりオルカンに投資して良かったな....wと、意味のないほくそ笑みができたのが収穫(※オルカンもほぼアメリカ株です)
・アフリカの謎 -なぜ条件を満たしていても伸びないのか?
ルワンダは見込みがあるが、その他の国もポテンシャルがあるのに経済発展してないことに、筆者は理由がつけれていないそう。
個人的には、吉本隆明の晩年の思想「アフリカ的段階」が関係しているのではないかと思う。詳しくは中沢新一『精神の考古学』で解説されているが、要するに交換的ではなく贈与的なのである。だから交換ベースの、もっと言えば収奪ベースの資本主義とは馴染まないのだろう。
とは言えこれは妄想なので『超加速経済アフリカ』あたりを読まないとなと思う今日この頃です。
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栄える国には一定の法則、条件のようなものがハッキリしているそう。
①外貨を獲得できる手段に優れていること
②国が開かれていること
③指導者が優秀であること
①に関してはまず天然資源か輸出品。
政治がどうとか、国民がどうとかよりも、とにかく天然資源。
世界中から必要とされる資源が、地面からザクザク採れるっていうのは、何ものにも代えがたい優位性があるのは認めざるを得ないみたいです。
こういったものが無い場合、例えば戦後の日本は「高品質&低価格」な製品を作りまくることで、世界中のマーケットシェアを獲得することに成功したわけですが、ここにきて人口減による労働力不足が重たい影を落としていることから見通しは暗いようです。
②に関しては、元々オープンな国よりも、ここ最近、独裁政権や共産主義、保守主義的な政治から変更があって、開かれ始めている国に大きなビジネスチャンスが生まれるようです。
③に関しては、言わずもがな、その国のリーダーが「負債を減らして資産を築くことが重要である」という大原則のもとに行動できているか否かに因るそう。 借金まみれなのに子どもにお小遣いを配りまくったりして家族関係を維持しているお父さんのいる家庭はどうなの?って話です。
こういった観点から、世界のマーケットで「これから伸びる国」と「これから沈む国」を具体的な事実や歴史の史実をもとに解説してくれます。
続きは弊ブログに掲載しております⇒https://x.gd/E0Yp2
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米国はこれから衰退し、中国やロシア、ルワンダなどがこれからは有望。自分の頭で考えなければ導き出せないような言説の数々に引き込まれた。