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一人娘が大学に入学し一人暮らしを始め、夫婦二人のコロナ下の生活。二人とも仕事を持ちお金にも余裕があり理想の家族だったはずなのに。選ばなかった人生選べなかった人生。それをもう一度やり直すと決めた夫。妻は心の整理をつける事ができるのか。
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なんじゃそりゃ…という最後
結局どうするの??離婚を受け入れて自分の人生を再出発させるということなのか
結婚22年もいっしょに暮らしてきて残るのは娘だけって
色んな夫婦の関係性があるとは思うがちょっと理解できなかった
終始夫の勝手な言い分に腹がたった
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コロナ禍の時、肺ガン診断の日に別居を言い出す夫。もう一つの人生を選びたい。主人公の妻の行動が始まる。
作者の父とも仕事をし、作中の句集作者の息子の編集者の解説が俊逸。
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肺がんの診断を受けた夫は、今日からは好きな人と暮らすと言って出ていってしまうのが物語のはじまり。その夫に対して妻の思考は始終ずっと堂々巡りをしている。夫とはどうなるのだろう?と考えながら読んでいたが、あくまでもこの本の主人公は「妻」だった。もっと夫とのエピソードがあってもいいな、と思ったが、主人公が「妻」であることを思うと、こういうラストシーンもありだと思う。
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検査で初期肺がんが見つかったその日に別居を申し出る夫を持った主人公名香子。1年前に高校時代の同級生に再会し、その女性と闘病生活を送ることにしたのだという。
随分ひでえ夫だなぁ…と思いつつ、自分の命が有限であると知り、育児や家のローンなどの問題がなく、経済的な補償もきっちりできる状況で、別れを切り出すのなら、他者がつけいる部分ではないとも思う
…とはいえ、小説なので登場人物に感想を持つのは自由。最初ひでえと思った夫の行動も、ヴィンテージTシャツの下りや、猫が逃げた時の下りを読むにつけ、それ以外の、割り切れない思いをしたこともきっとあったんだろうなぁと想像がつく。ただこの夫は割り切れない思いを蓄積していくタイプの様なので、次の人との関係でも喫水線を超えたら逃げ出すんだろうなとは思う。
割り切れない思いを吐き出すことによる面倒くさいトラブルを経験した人は、反省から吐き出すことを辞め貯め込んで我慢できなくなると、その環境から逃げることを選ぶようになる。俺もそういう風になってきたのでよくわかる。
夫の立場が分かるようになりつつも、自分に置き換えると逃げる側より逃げられる側で想像してしまう。こういうのは性別じゃなく性格なんだろうなぁ
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自らの選択で諦めてしまったことや叶えられなかったこと、時間と共に四六時中悔やまずとも生活できるようになるものだけれど、病気や事故で死を近くに感じた時、諦めてしまった過去叶えられなかった過去を誰しも取り返したくなるものなのかな?
突然のがん宣告、新型コロナの感染、交通事故、心変わりした婚約者、逃げて帰ってこなくなってしまった猫。
自らの選択に由来すると思える失敗や後悔でも、自分で選べない見えない気付かないそういうもっと外的な色んなものが組み合わさった結末なんじゃないんじゃないかと思った。自分の選択や行動だけで結末が変えられることなんてそうそうない。
奇跡みたいな再会、庭に住みつくようになった猫、生まれてきた最愛の娘、とかそう言うのも全部。
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結婚して20数年経つ夫が肺がんになって突然、「他に好きな人おるから今日から家出てその人と生きてくわ〜人生やり直すわ〜じゃね〜bye」という状況だけ聞くとエグい話なんだけど、登場人物全員が〈人の心はどうにもならん〉的な諦念を持ったような言動のせいか、まったくドロドロしてないしむしろ爽やかさまである
主人公にも夫にも過去に破談になった経験があったり、夫に会いに行こうと試みてもなんかうまく会えなかったり、ミーコのこととか、それこそコロナだったり、自分の意思だけではどうにもならんことが起こって人生になっとるんだなぁ
角田光代さん解説が好き【自分のものなのに、こんなにも自分の力でどうにもならない人生を、生まれてしまったという理由だけで、私たちは生きている】