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感動した。感動した。読んでいてもう読み終わるのがとてもいやでした。もっと終わらずに読んでいたいと思いました。版画を彫るシーンは映像で見た事がありあんなに近くで彫る姿がとても印象的でした。疎開した時に版画を配送できなかった時、志功が妻チヤがいてくれるだけでいいと言うシーンはとても感動しました。この作品を読んで棟方志功の木版画をじっくり見て見たいとつくづくと思いました。あなたもこの感動作をじっくりと読んで見て下さい。
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マハ様〜(*´-`)♡
なんて素敵な物語なんでしょっ!!
ゴッホに憧れ
ゴッホの「ひまわり」に魅せられ
日本のゴッホになる事を夢みた棟方志功…
やがて…
“世界のムナカタ”と呼ばれる芸術家になるまでの物語_
物語の視点も
“我(わぁ),日本のゴッホになる!”と言い
美の世界に魅入られた棟方を
健気に支え続ける 妻のチヤさんの視点で
語られるのも素敵だったなぁ〜(*´-`)
棟方のそばで 40年以上…墨をすり続け…
世界の棟方になることを信じて
時には背中を押すような 芯の強い一面もあるチヤさん!
どこか懐かしい気持ちにさせられ…それでいて
温かくダイナミックで 観るものを圧倒する
棟方志功さんの作品の裏には…
一生支え続けた チヤさんの存在があったからなんですね!
読み終えて…
ふたりの絆や愛に 胸があつくなりました!
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昨年10月 棟方志功展に行った。 洋画 日本画はよく行くけど 版画は興味もなく 「棟方志功は目が悪く這いつくばる様にして作品を作る人」位の知識しかなかったけれど 実際の作品を見て 圧倒されたのを覚えてます。
原田マハさんの「板上に咲く」 もちろん小説ではあるけど、 史実や実際の作品に基づいてるので 棟方志功さんの人柄とか 妻のチヤの事 とても感動しました。原田マハさんのアート小説はさすがです。
読後 棟方志功展図録を見直したら お話に出てくる作品あれもこれも 実際見てて あーこの本を読んでから 展覧会行きたかったです。
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アート好きなら誰もが知ってる棟方志功の物語。
妻の視点で語られます。
すごく面白かったです!
読み物として面白い!
内容も史実にそったフィクションに仕上げられていて楽しめました。
そして戦争の愚かしさについても考えさせられました。
時代背景が今と異なるのでとても新鮮です。
男女の考え方も昭和って感じです。
でも、昭和の時代の中でここまで強く生きられる女性ってすごくカッコイイ!!
終盤、惚れた男のために戦火の中へ戻る姿に感動しました。
すごいなあ笑
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棟方志功、来たっ!!
…とはいえ、作品以外あまり知らなかったんだけど。
弱視で、板に齧り付くようにして彫ってるイメージのみで、気難しくて、とっつきにくい人のように思っていたけど、家族を愛し、人にも愛される、素敵な人なのだった。
とにかく、奥さんのチヤさんが凄い。
なぜこんなに深く、信じて、支え、愛せたのかな?
チヤさんはひまわり。
棟方という太陽をどこまでも追っていくひまわり。
日本のゴッホに成ろうとし、世界のムナカタになったのも凄いんだけど、家族の太陽でもあったんだろうな。
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棟方志功というと独特の作品と弱視だったということ位しか知らなかったけど、この一冊でぐっと身近な人物になった。
一番近くで「世界のMUNAKATA」が生まれるところを見ていた妻チヤの目線から描かれていたことが大きいと思う。
純朴さやひたむきさが、板に乗り移ったかのような作品達。文字を読んでいるだけなのに頭の中は彼の作品だらけになっていた。
装丁もイメージにピッタリ!タイトルや作者名も棟方作品から切り貼りして作られたそうだけど、よく文字が全てあったなと。私の名前だと作れないんじゃないだろうか。
日本民藝館、大原美術館…また作品を観に行きたくなってしまった。
(棟方志功記念館が今春で閉館していてショック!)
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憧れのゴッホを超えてその先へ__板画家棟方志功の半生を妻チヤの視点で描いたアート小説。チヤの献身的な姿に何度も胸を打たれました。そして、人生は"もしも"の連続だ。2人が出会わなかったら世界のムナカタは存在しなかっただろう。
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宗像志功は、人との出会いに恵まれていた。もちろん、それだけではなく、才能もあった。
誰もやらなかったことを成し遂げた宗像の日本人魂を尊敬する。
当時は油絵の方が世間で持て囃されていて、宗像の板画は格下に見られていた。そこで腐らず、どうやったら板画が認められるのかを考え、苦しみぬいた末に作品を完成させてしまう。
天才と言いたいところだが、彼は作品を生み出すのに毎回かなり苦心しており、何だか少し身近に感じられる。
芸術に全てを捧げるのかと思いきや、妻のチヤや子ども達を大事に思っているところも良い。
チヤが宗像の展示作品を観られないのは、仕方のないことだったかもしれないが、どうにか観てもらいたかった。
チヤにとって宗像は太陽、宗像にとってチヤはひまわり。明る過ぎる気もするが(笑)、何と素敵な夫婦ではないか。
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事実として知っていらっしゃる方も多いと思うので全部ネタバレで書きます。
棟方志功の妻となったチヤ子が語る棟方志功の生涯。
二人が出逢ったのは棟方とチヤの故郷の青森市。
チヤは18歳で看護師を目指していました。
棟方は17歳でゴッホの<ひまわり>を見てひと目で心を奪われ東京で青森の絵の仲間の家に居候しながら「日本のゴッホ」になりたいと言っていました。
チヤと棟方は弘前のデパートで再会し、棟方がその後新聞で公開ラブレターを送ります。
そして二人は結婚するのですが、東京へ戻った棟方はなかなか食べられず、チヤと長女のけようを呼び寄せてくれません。
ところが棟方はとある偶然から、
柳宗悦、濱田庄司、河井寛次郎の三人に認められ、太平洋戦争を経て「世界のムナカタ」になります。
ヴェネチア・ビエンナーレのグランプリ国際版画大賞を受賞しました。
日本のゴッホになる、とあの人は最初言いました。
だけど結局、あの人はゴッホにならなかった。
ゴッホを超えて、とうとう世界の「ムナカタ」になったんです。
「私はひまわり、あの人は太陽」。
棟方は四人の子どもたちとチヤ子のことをとても大切にしていた愛妻家でした。
若い頃二人が離れ離れに暮らしたのも棟方が妻子を大切に思うからこそでした。
チヤ子はチヤ子で棟方の為に、版画で使う墨を磨って、子どもたちに「お母さんは墨の匂い」と言われるほど。
相思相愛の素敵なカップルでした。
閑話休題
この本は出る前から私はとても楽しみにしていました。
というのも、私の母の実家に(母が産まれる前ですが)棟方は遊びにきたことがあるのです。
母の実家は東京の阿佐ヶ谷に二軒家を持っていて、隣の一軒を青森出身の人に貸していたそうです。
この本を読むと、その人物とは棟方の居候していた家の主人で、青森出身の松木満史ではないかと思われます。
そして、棟方が日展(帝展)に初入選した日、二人が「隣の奥さん親切だから御馳走してもらうべ」と言って訪ねてきて母の母(私の祖母)が御馳走すると、「ワァは、世界のムナカタになる」と言い、「奥さん紙をください」と言って何枚も墨絵を描いて残していってくれました。
そのうち何枚かは、私も家にあったので(母は上の姉二人を乳児の時に亡くした一人っ子です)実物を見たことがあります。
でも、その絵もうちに置いておくより棟方の好きな方にお譲りした方がいいということで売ってしまいました。
最後の一枚だったふくろうの墨絵の写真を私のXにポストしておきますのでよろしかったら御覧いただければ嬉しいです。(私のXには私の本棚からすぐ入れます)
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原田マハさんのアート小説。
今回は、板画画家 棟方志功。
ゴッホに憧れ、ゴッホをめざし、ゴッホが感嘆した版画で、
世界のムナカタになったーー
その人生を妻 チヤの視点でえがいた。
棟方もチヤも青森出身。
戦前の日本で、地方での暮らしでは情報もごくわずか。
そんななか、棟方は雑誌で紹介されたゴッホ「ひまわり」を見て、芸術の雷に打たれた。
当時、パリでもまだそこまで評価されていなかったゴッホを日本で取り上げていたというのに驚き!
芸樹の目利きの素晴らしさよ。
そしてこれが縁になっていくのもまた不思議なめぐり合わせ……
棟方は絵の才能もあったが、視力が弱く物を正確にとらえることが難しかった。
それが版画への道に進んでいくことにもなる。
心にわきあがったものを板に削れば手の感覚で、作品を見ることができる。
実直で温和な棟方は人を惹きつける魅力もあった。
彼のそれは作品にもあふれた。
彼を支援した柳宗悦らは「民藝の美」を提唱した。
ーー
民藝の美は、無心の美であり、自然の美であり、健康の美である。
それまで誰も注意を払うことのなかったごくふつうのものーーうつわ、台所用品、着物、かごやほうきに至るまでーーにこそ普遍的な美が宿っている。
ーー
棟方の作品は慈愛が満ちている。
彼の人柄が溢れ出ている。
弱視だからこそ、彼の心にみえるものを作り上げた。
読みながら作品名を検索しながら読んでいった。
スマホの小さな画面からでも感じる感動は、本物を目の前にしたら……
柔和で酒もタバコもやらない、子どもたちや奥さんを愛して、ただひたすら作品にうちこんだ棟方志功。
棟方の制作工程はチヤさんも覗くことはなく、物語であってもうかがい知ることはできない。
ここが拡がれば小説の感動もふくらんだだろう。
最後に載った参考文献の数々、取材協力の方々、原田マハさんは小説であっても忠実に「棟方志功」を語りたかったのだろうな……
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すごくいい!!!
読み終わってから棟方志功を調べてみたら、確かに物語のムナカタさんと重なって朗らかで優しそうな笑顔が印象的だった。
そしてチヤさんの強さにとても惹かれてしまった。こんなご夫婦素敵だな。
夫に絵を描くこと以外をしないで欲しい、って言える?仕事もして家事も育児もして、ってのが当たり前に要求される時代には新鮮過ぎる潔さだった。
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こんなふうに、人を待ったり何も言わずに見守る、ってことを
ずっとできる、というのは凄いとただただ思う。
自分だったらそんなふうに信じてあげられたかな、
と。
雑誌の1ページだとしてもゴッホの絵を見た時に、受けた衝撃は大きかったんだろうな。
私もゴッホの絵を初めて見た時のことはよく覚えています。
才能のある人の周りには
支えてくれる人が集まるのでしょう。
私も大切な人のことを
ただ信じようと思わされる本でした。
ただ待ってみようと思います。
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感想
花はどこにでも咲く。精一杯咲く。だけど水は必要。それは人も同じ。才能があっても支えがなくては生きていけない。孤高の天才なんてきっと。
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audibleで聴きました。まずaudibleだから、の感想として、渡辺えりさんのナレーションがとてもよかった!青森弁のセリフ(渡辺さんご自身は山形県のご出身だそうですが)にとても味があり、地の文の部分も耳に心地よいナレーションでした。ひとつ前に聴いた「黄色い家」のナレーションではセリフ部分が感情的にやや過剰な感じがしたので、余計にそう感じたのかも。
妻チヤの視点から語られる棟方志功はとても魅力的な人。才能に恵まれ、自分の目指す芸術に向かってストイックに猛進しつつも、家族への愛情にあふれていて、まずそこに心をつかまれます。志功に間貸ししていた同郷の松木や、志功の才能を見出してよきアドバイザーとなった柳宗悦など支援者に恵まれたのは、志功の人としての魅力が引き寄せたのだろうな、と思えます。そして志功本人も、支援者あっての自分だと分かっていたのでしょう。ゴッホに憧れた志功ですが、その生き方はゴッホと対照的で熱いというよりは温かい。
多くの人に支えられた棟方志功ですが、一番のサポーターはやはり妻のチヤ。チヤの志功推しはゆるぎなくて、この夫婦のあり方は尊い!と思いました。
ストーリーはマハさんらしく優しくて、聴き終えたあと温かい気持ちになりました。
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『日本のゴッホになる!』と宣言した極貧で弱視の男性が『世界の棟方』になったお話。
どの分野でも天才と呼ばれる人間は実はかなりの数がいると私は思っています。ただその才能が認められ成功した言われる人間はどれだけいるのでしょうか。
そこには運が必要でしょう。いや、運が無い人は結果天才とは言われないんですよね、生きている時には。
棟方志功はまさにその運をもった人間だと改めて思いました。
運が無かったのは彼が神様のように崇拝したゴッホ。ほんと天才とは何なんでしょうね、ゴッホと言う天才が棟方志功という天才を誕生させ、そして、彼は現役の内に天才の称号を得る、って簡単な話ではなく、棟方志功の極貧生活(もー、成功する前に子ども3人てw)を読み、柳宗悦に偶然に発見されたシーンでは鼻先が熱くなりましたよ、良かった、良かった、努力が報われて本当に良かった。
アートとはここまで命を削るものなのかと、壁に落書きしているどっかの国のオッサンもまあ、見つからないように命を懸けているかもしれませんが、一瞬美大進学も考えた大甘ちゃんな私はアートに対する意識の乏しさに大反省する次第であります。失礼いたしました。
とは言えこの天才にはチヤさんという奥様があってこそ、チヤさんの人生観、性格、全てが棟方志功を世に送り、チヤさんに出会えた棟方志功の運の良さ、そしてこの本はそのチヤさんから見た物語です。感動。