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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は精神科医で、ご自身も病に侵されているのに診察を続けておられて、その患者さんとのこと、とか。本当に、いろいろと深い内容でした。もう一回、読み返したら、もっと心の動きが分かりそうな……。
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投稿者:あびしぃにゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ALSを抱える精神科医師の闘病記と思い込んで読み始めましたが、予想を裏切られました。診察室で会う患者さんとの日常が多く綴られ、その延長線上にご自身の病が見え隠れする。そのような筆致によって、ALSと生きることのリアルを感じさせる1冊でした。
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いまのじぶんにとっては
大切な大切なことがたくさん書いてあって
ひとつひとつのテーマ、文章、言葉が
貴重なものだった。
人生の教科書として、何かに困った時に
いつでも何度でも読める本にしたい。
すてきな本をありがとうございました。
名言すぎて、良いところだけ書き出そうと思ったら、まるで模写のようになってしまったので諦めました。笑
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とても良い気付きがたくさんあり、付箋だらけになってしまいました(笑)
1歩踏み出したいと思います。
何度も手に取り読み返したい1冊です。
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仕事を私がやってあげようと心に決めて、やりたくない仕事をさっさと片づけてしまうとどうでしょう?残った時間で会いたい人に会ったり、好きな趣味に打ち込んだりできるのではないでしょうか。
やりたいこととやりたくないこと、ずっと一緒にいたい人と顔も見たくない人との間で起こるさまざまな出来事を、自分主体で解決し、バランスを取りながら生きていく。これこそ、真の大人の生き方ではないでしょうか。
楽しく生きることは,〜しなければという言葉を減らし、〜したいという言葉を増やしていくことから始まります。
人からとがめられても過度に動揺せず、間違えたら修正すればいいと思うこと。理不尽な指摘にはそれはおかしいときちんと反論すること。相手と対等な関係に立つこと。これらはすべて自分を信じ、尊重するところから出発します。
死は一巻の終わりではなく、人生の連続した一部である。
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40代前半から約20年のあいだパーキンソン病と闘っている韓国人の精神科医による、人生の後悔と希望についてのエッセイ。
著者のキムさんは60余年の人生を振り返って、あまりにも「宿題をこなすように過ごしてきた」ことを後悔しているという。
僕は34歳の若輩者だけど、その感覚、分かる気がする。
昨日の自分よりも良い自分になるために、自分にとって意味や価値がある(と頭で考えた)予定でスケジュール表を埋めて、移動や食事、家族や同僚との雑談、はては睡眠まで、生命維持に必要な行為は最低限に、受動的・突発的な営みはできるだけ避けるように生きようとする。
結果、毎日が、終わらないハードル走のようになる。
次から次に"自分で用意した"障害を飛び越えるのに必死で、休むヒマもなく疲弊してしまう。
本当は、ハードルのないトラックをのびのびと走ることもできたし、トラックも競技場も飛び出してゆったり散歩することだってできたはずなのに。
ベテランの精神科医でこころのプロフェッショナルであるキムさんが、パーキンソン病になって何を思ったか。
発症から20余年、来し方を見やり、行く先を見すえる中で何を手放し、何を手にしてきたのか。
キムさんの穏やかでまっすぐな言葉が胸に残る、
夏休みのおばあちゃんちの縁側で夕涼みがてら耳を傾けているような、とても心地いい読書体験でした。
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「完璧への執着は、失敗を極度に恐れさせ、何としても避けようとさせる。そして、現実を自分の思い描く完全無欠の理想に当てはめることで、さらに不安が増し、人生が疲弊していく」 p.25
もっと歯がゆいのは、「では、人生を楽しむ気持ちを犠牲にしてまで得たものは何?」と尋ねられたとしても、何も答えられないことです。 p.59
救助者幻想は、苦しい現実に置かれた自分を誰かに救ってほしいという願望と密接な関係があります。こうした願望を持つ人は、自分が救われたいという欲望を、他者を助けることで満たそうとするのです。 p.86
あなたが相手の傷を癒そうと動くと、意図せずとも相手を支配しようとするようになります。 p.87
もし、恋人が過去の傷みから抜け出すことを望んでいるようであれば、正しい手段は、カウンセリング受診を勧めることです。
その後は、恋人が自力で乗り越えられるようになるまで、ただ待ってあげることです。もちろん、恋人のそのままの姿を愛しながらです。 p.87
あなたが愛する人にしてあげられることは、ただ愛すること。そして、待つこと。この2つだけです。 p.88
もっと幸せになれるのに、ブレーキをかけていたのは私だった p.134
誰よりももっと賢く、完璧な人間になって周りに認められなければーー。そんな自分に向けた過度な期待が、結局は自分自身を幸せから遠ざけていたのです。 p.136
「許さなければいけないのは、人のことだけじゃない。自分もなんだ」 p.144
世界は自分が望んだ分だけ見せてくれるのだということ。つまり、楽しく生きようと決心した人の世界には、楽しみがどんどんあふれ出す��いうことです。 p.182
人生とは経験であって理論ではない。人生に解釈は必要ない。人生とは生きることであり、経験し、享受することでもある。 p.183
「去る人は去る。残る人は生きるだけよ」 p.191
「家族とは、涙で歩む人生の道のりにおいて、もっとも長く、もっとも遠くまで、見送ってくれる人だ」 p.234
もし私が人生をやり直せるなら、もっともっと、失敗したい。 p.254
何かひとつに没頭できれば、他のことにも没頭することができる。熱愛中の人には世の中がキラキラと輝いて見えるように、何かひとつにハマると世界と恋をすることができるのです。 p.275
ユーモアとは、人間の持つ理不尽さを理解する態度であり、危機的な状況下でも希望を持って耐え抜く力を与えてくれるものです。 p.278
「哀れな人間の行動を、涙交じりに眺める時に得られるものである。したがって、時にユーモアには哀愁が宿る」 p.278
山あり谷ありの人生を送ってきた人々の穏やかな笑いがありがたく感じられるのは、そこに現実を肯定する態度がにじみ出ているからです。 p.280
ニーチェはこう言っています。「いま最もよく笑う者は、最後にも笑う」と。 p.280
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パーキンソン病を患っている精神科医の著者が自分の人生をまっとうするためのヒントを綴る。
本当に頭の良い人は、誰にでもわかりやすい言葉で話をすると言うが、本著はまさにそれが体現されている。訳書なので翻訳家さんの技量もあると思うが、たいへん読みやすく心にスッと入ってくる文章だった。
すでに立って料理をするのもままならないほど病状が進行していると終盤で知るが、それを感じさせないほど前向きで軽やかな文章。物事の捉え方ひとつで人生は変わるんだと思った。
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パーキンソン病に罹った筆者が気付いたこと
①どんなに準備しても、「完璧な時」は決して来ない
・優秀な人ほど、完璧を追い求め、失敗を回避しようとする。但し完璧主義でいると、最高級の評価を受けていたとしても、自分の思い描く完全無欠の理想とのギャップに不安が増し、人生が疲弊していく。
・明日何が起こるかわからない以上、事前に全てを予測して未然に防ぐことはできない。どんなに準備しても「完全な準備」などあり得ない。寧ろ準備に時間をかけすぎて一歩がなかなか踏み出せないのは勿体無い。6割満たせていれば十分だと考え、一歩踏み出してみる。
②「他人に振り回される人」と「自分主体で生きる人」の大きな違い
・コントロールの決定権を自分主体で持つことを心掛ける。
・自分がやりたくない仕事をやる時でも、「やらされている」と感じて嫌々やるのではなく、「私がやってあげている」とマインドチェンジをして、さっさと片付けてしまう。そうすることで、取り組む姿勢も前向きになり、残った時間で会いたい人に会ったり、好きな趣味に打ち込んだり、ということにメンタルと時間を使えるようになる。
③時には義務と責任を放り投げよう
・「しなければ」より「したい」を優先する。義務感や責任感だけで生きるには人生はもったいない。家事、育児、仕事…多少は欠かしたり他人に任せてしまっても大ごとにはならない。自分がしたいこと(好きな映画を見る、好きな音楽を聴く…等)も適宜に取り入れ、自分のことも労わりながら、人生を楽しむことを忘れない。
④劣等感だらけでも楽しい毎日を過ごす、私なりの秘訣
・劣等感は誰にでもある。但し劣等感もあまりに度が過ぎるようでは、その人の人生が暗く不幸にしかならない。自尊感情が低く、自分が価値のない人間だという思い込みを持つ人は、幸せになれるはずの多くの機会と可能性を手放している。
・劣等感で悩むのであれば、それを隠そうとするのではなく、他の長所を伸ばすことで、劣等感を小さくしていくように努めるべし。
・全ては、その人がその人自身をどう見るか。自分の欠点ばかりクローズアップして尻込みしてしまうのであれば、それは他人に縛られているということ。他人からどう見られるかではなく、自分が自分自身をどう見るかが大事。自分のことを情けない、欠点だらけの人間だと見ていれば、人生もそのように流れる。他方、自分は優しく思いやりがあり、一生懸命な人間があると見ればそのように人生も流れる。他人に咎められたら過度に動揺せず直せばいいし、理不尽な指摘にはきちんと反論すれば良い。自分以上に自分のことを信じてあげられる、守ってあげられる人はいない。
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著者は韓国の精神科医で、40代で若くしてパーキンソン病を患い、一度は絶望感に打ちひしがれたが、このまま、何もせず過ごすのは嫌だ、と立ち上がった経験と、その後の人生をどう生きてきたか、その心持ちを優しく、わかりやすく書いてある。
パーキンソン病は不治の病で、だんだん身体もきかなくなり、認知症も発症すると言われている。しかし、著者は次第に身体がいうことを聞かなくなってきたが、幸い認知症にはなっていないため、このような本が出せる。
精神科医として、さまざまな患者と向き合い、治療してきたからこその説得力のある言葉の数々。
考え方の癖を直せば幸せになれる、嫌な人のために自分の大切な時間をとられる方がもったいない、自分の楽しみを見つける、必ず春は来る、許しとは心の中の怒りや憎しみを手放す作業、どんな苦しいときでもユーモアを忘れない、などの言葉が心に残りました。苦しくなったら何度でもこの本を読み返したい。
著者はとても読書家でたくさんの本が登場しますが、なかでも邦訳されている下記の本はまた読みたいなと思いました。読んだことのない作品もありますし。
「モリー先生との火曜日」
「窓ぎわのトットちゃん」
「ナミヤ雑貨店の奇蹟」
「夜と霧」
プラトンの「国家」
「さよならを待つふたりのために」
「イワン・イリッチの死」
あと映画「最高の人生の見つけ方」も見たい。
まだ65歳の著者、じぶんの病院は閉めてしまったそうですが、どうか病の進行が少しでも遅くなる事を祈るのみです。