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欧米は人権擁護、民主主義のお手本ではなかったのか
2024/08/12 20:43
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投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
8月9日の長崎市の平和祈念式典にイスラエルは招待されず、パレスチナは招待されている。ここで欧米は大使を出さないと決めて、マスコミを賑わしている。イスラエルはハマスの奇襲攻撃を理由に、無差別ともいっていいほどの攻撃を行い、子どもを含むパレスチナ市民はジェノサイドと言ってもいいほど死傷者を出している。多くの日本人から見て、なぜ、こんなことが起こっているのと思っているだろう。本書は、中東、欧州移民社会を研究している内藤正典同志社大学大学院教授と三牧聖子同志社大学大学院准教授の2人がこの問題に切り込んで、イスラエルを支援するアメリカやヨーロッパ各国の状況を解説する。また、日本政府の対応についても取り上げる。対談形式によるわかりやすさもある。目次を見ると、
10.7が可視化した暴力の世界 内藤正典
序 章 イスラエル・ハマス戦争という世界の亀裂 内藤正典
第1章 対談 欧米のダブルスタンダードを考える
第2章 対談 世界秩序の行方
終 章 リベラルが崩壊する時代のモラル・コンパスを求めて 三牧聖子
となっている。
以上のように展開される。そもそも、ハマスの奇襲攻撃から始まるのではなく、イギリスの植民地とされていたパレスチナの人々が居住している地域に、第2次世界大戦後、イスラエル建国を容認したイギリス、それをオーソライズした国連の問題からの歴史がある。ガザの狭い地域に200万人以上押し込められ、約7割は生活の場を追われた難民という。その中からハマスは生まれてきており、この奇襲攻撃が起こることはイスラエルにも情報が来ていたが、ネタニヤフ首相は無視したという。そういったところから、テロとは、テロリストとはという点、欧米の白人至上主義的な見方も垣間見え、ホワイトフェミニズムという批判も出てくる。トルコの果たした役割など興味深いところが多い。ロシアのウクライナ侵攻に対する姿勢とイスラエルのガザの無差別といえる攻撃に対する姿勢がなぜこうまで違うのか。やはり、ダブルスタンダードと批判されるだろう。日本政府は、こうした国際情勢に対して、アメリカの顔色を見ているばかりという印象は免れない。私たちの理解を進めるためにも一読してほしい。
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