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ずっと前から知っていたのに、なぜ読まなかったのだろう。
手にとって初めて、その新鮮さに驚かされた。
漱石の日常。
「凡てを癒す「時」の流れ」
私はこの「時」にどれだけ癒されたことだろう。
どの人間にも平等に流れる「時」によって、癒される傷もある。
この作品に出会って「時」を経た今、ふとそう思った。
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「がらすどのうち」。「なか」じゃなくて「うち」なんですな。
夏目漱石本人萌えにはたまらない、エッセイです。
気難しい人の印象が強い漱石先生ですが、本人は本人なりにいろいろと妥協して生きているんだなあということが分かる一冊。
踏み潰された三代目猫が哀れ(-人-)
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一度先生の家に伺いたい。 講釈の説明を求めるのではない、自分の著作を頼みだすのでもない、短冊を書かさせるのも。 ただこう三代目のくろにゃんこに面会を得し、先生周囲の雰囲気を感じたい。 その子供の出ている時に閑静な住まい、髭が伸びっていてぼんやりと黙想している先生、それはどんな匂いがするのかしら。 窓から覗いて、冬も、春も、誰が戸をぐぐって入るのだろう。 どんな会話、どんな喧嘩が起こるの。 原稿用紙を見て緑に染み透されるの。 淋しい時、一緒にうつらうつらでいいの。
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日常のことがつらつらと書いてある、それだけなんだけど、
とても面白かった。家の中、庭先、表の通の様子など、目に浮かんでくる。
明治の文豪も、私と同じようなことで悩んでいたりしたのだなぁ。
今回これ、図書館で借りたのだけれど
かなり前に発行されたもので、140円ナリだった。
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生きるということを人間の中心点として考えれば、そのままにしていて差支えないでしょう。然し美しいものや気高いものを一義に置いて人間を評価すれば、間違ってくるかもしれません。
死は生よりも尊い。
私の瞑想はいつまで座っていても結晶しなかった。
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飾らないとか等身大とかありのままとか、安い言葉しか思い付かない自分が情けないけど
ただある姿をただ書くことの偉大さに何度も震えた。
漱石の魅力は小説も随筆も全く同じところにある。
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大学の講義で「八」を読み、気付けば夢中でノートに書き写していました。文庫を買った今も、その切れ端を捨てられずにいます。漱石の中で一番好きな作品。淡々とうつくしいです。
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明治に朝日新聞に連載されていたエッセイ。
文豪・漱石も普通の人なんだな、と思える日常の話、
漱石ってやっぱりちょっと偏屈…?とも思える話、
漱石の元を訪ねてきたちょっと変わった人の話…
高校の授業で読んで、今再び読み返しました。
少し親近感が湧く大好きな一冊です。
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一気に読破。頁自体少ないし、難しいことを言っていないし、非常に読みやすい。それに「ああ、こういうこと思うよ」と夏目漱石という大御所先生とでもいうのか、もの凄い人が身近な人に感じられた。気軽(ということもないだろうが、今の私からすれば)に漱石先生に会えたという当時の人が実にうらやましい。会って話がしたいなと思わせてくれる本です。
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漱石の生活観(もしくは生活感)がよくわかる。
なんというか、漱石の目線で世界が見られたら無常だけれど面白そうだな、と思う。
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晩年の大正4年連載エッセイ。全体的に「ほんわり」してた。この心境はやがて則天去私にまで通じるのではないか…と解説に書いてあって、納得。
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人とのつながりを描いた漱石のエッセイ。
ふとしたときに、手にとってみたくなる魅力がある。
漱石をふつうのおっちゃんに感じることのできる一冊。
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図書館から借りました
エッセイ。
夏目漱石が私事をつらつらと書きつづったもので、読みやすかった。おもしろいかどうかは、また別だろうけれど。
犬の話。猫の話。
病に伏せったりして、室内から出られず、硝子戸の向こうの代わり映えしない景色を見ながら、つらつらと。
図々しい人からの手紙に辟易したり、友人との思いでをつらつらと書いたり、姉や兄のことを書いたり。
その時代の空気や、人々の様子がよくわかる。
それにしても。
子猫潰しちゃった話は、痛々しすぎ。(布団に潜ってて、気がつかずに踏んじゃった、という・・・)
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私にとって他に代えがたい珠玉の随筆です。
繰り返される短いセンテンスの美しさに何度読み返してもうっとりしてしまいます。
幼い日の思い出や愛娘に注ぐ眼差しに触れ、心の中に温かい火が灯ったような気がします。
屁理屈をこねて友人ににやにや笑われるといった可笑しな経験談の数々に微笑します。
突然現れる淋しいエピソードや数々の死に自分の人生を考えます。
生きること、死ぬことについて思いを馳せたいときに手に取っていただきたい一冊です。
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漱石の身の回りに起きる事を徒然なるままに綴った記。
「今の私は馬鹿で人に騙されるか、或は疑い深くて人を容れる事ができないか、この両方だけしかない様な気がする。不安で、不透明で、不愉快に充ちている。もしそれが生涯続くとするならば、人間とはどんなに不幸なものだろう。」(p97-98)
人間の狭間で揺れ動く漱石が垣間見えた