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投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
大金持ちの大叔母が殺された!?
ほとんど面識はなかったけど、推理作家志望の主人公が謎を解くことに。
怪しいやつらばかりなのが、ああもどかしい。
奇抜な犯人当てミステリ
2024/09/23 20:19
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投稿者:今井 - この投稿者のレビュー一覧を見る
なかなか設定が奇抜で面白かった。自分が殺されると確信して、生きている間はずっと犯人探しをしていたなんて、どんな心境だったのだろう。とても正気ではいられなかったはず。そんな大叔母の無念を晴らすべく、主人公アニーは奮闘するのだが。大叔母視点の過去と、アニーの現在が交互にくる展開が小気味よくてスリリング。過去ではヤンチャだった人物が、現在では老齢期にさしかかっていたり、既に故人だったり。月日の流れが切なく感じられる。若さ故の過ち、女の子達の不安定で歪な関係性など、人間関係の微妙なさじ加減を描くのが上手いと感じた。
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ミステリ作家志望である25歳のアニーが主人公。
いつか殺されるという予言を信じる大叔母の財産についての会合に参加するため、アニーが彼女の屋敷を訪れる。そこにはフランシス大叔母の遺体があり、財産を受け取るために犯人を探すことになっててんやわんやするお話。
現代のアニーの話と、大叔母であるフランシスの記録が交互に出てくるので、登場人物を把握するのに時間がかかった。
とくに、記録にはやんちゃなティーンエイジャーとして出てくる人物が現代ではすごくいい人のようになっていたり(これもある意味伏線なのだが)してちょっと混乱した。また記録の日付と、季節の描写とが一致していないところもあるがそれは特になんの伏線でもないようだ。
全体的にはとても面白い。サスペンスの要素もあって読了するのは難しくない。ボリュームもちょうどよい。
ただ、なんとなく没頭できないところがある。
もう少し、心理的な描写や説得力が欲しいような。
序盤まで遡る伏線もあり、謎解き自体は満足でした。
伏線は全てちゃんと描かれていて、もう少し読めていれば気付けたかも…(まあ無理ですけど)、というところもよし。
ラストについてはなんとなく「アメリカっぽい…」という感じ。懐かしいけれど、映画の『プリンセス・プリンセス』みたいな…。アメリカンドリームなのか…。イギリスが舞台だけどそれっぽくないなと思ったらビンゴでした。
凝った作りのミステリで読み応えあり。
次作が出たらチェックしたいです。
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正確にはプルーフ版の先読みに当選したのでそちらを読んだ。
現代と60年前を行ったり来たりしながら手掛かりを探す。なかなか面白い趣向だった。
過去の消息不明の方はなんとなく想像がついたが、現代の方は動機が全く分からず、いつもの通り犯人は分からず。
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プルーフを読む企画で当選したので先に読ませていただきました。
シンプルに主人公のキャラクターが好ましく、舞台であるイギリスの空気が行ってもいないのに凄く感じられてミステリだけどお出掛けしたようなワクワク感があって面白かった。犯人当てのミステリとしても楽しめるけれど、友情と愛情の絡みや家族のあり方について色々考えさせられた。ミステリの王道タイプ。映像が浮かんでくる文章で読ませるなと思った。
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・あらすじ
ミステリー作家志望のアニーは大叔母から遺産管理について話があるとキャッスルノールに呼び出される。
会ったことがないその大叔母は、16歳の頃に占い師から「おまえは殺される」と予言されていた。
アニーが村を訪れると、予言通り大叔母は何者かに殺害されていた。
大叔母が集めていた村人達の知られたくない沢山の秘密。
アニーは彼らの秘密を暴き大叔母を殺害した犯人を見つけだそうとする。
・感想
予言とか村人の膨大な資料とか事件にどう関わってくるのか楽しみにしてたんだけど正直イマイチだった…。
私の苦手なマウント取り合う不健全な関係の女の子達…彼女らの思考回路も情緒も動機も理解不能。
フォードやサクソンも田舎の謎めいた有力者みたいな描写だったけど作者がなんでこんな要素入れたんだろう?と不思議に思うキャラ設定だった。
あのキャラ設定必要だった?
自分がいつか誰かに殺されると被害妄想に陥り、殺された時のために村人全員の秘密(弱み)を握ってやろう!ってその論理おかしくないか?
フランシスは村人に不当な扱いをうけてたと主張してるけど、隠してる秘密を探ろうとする変な被害妄想女がいればそりゃ大抵の人は距離を置くのでは。
予言を自分の都合の良い(この場合は悪い様に、だけど)ようにこじつけて解釈し、どんどんその世界観から抜け出せなくなった陰謀論者みたいな人だった…ってこと?!
確かにローズがエムに送った脅迫状がフランシスの手に渡ってしまったことでその妄想を強固にしたっていうのは運が悪かったなとは思うけど。
所々で「なんでそうなる?」とちょっと理解できない論理展開や登場人物の言動が多くて(おそらく私の作品への没入度のせいかも)ついていけない所があった。
犯人は割とわかりやすかった。動機などを整理してる時に出てこない人間が犯人なんだよなーってすぐぴんとくる。
なんか全体的に登場人物の言動全部がチグハグな感じがして物語に入り込めなかったな。
最後の方は若干流し読みした。
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とても良質なフーダニット。
小さな村で老婦人が死ぬ。
彼女は、ティーンエイジャーの時に宣告された「予言」にとらわれ続けた人生を送った。
「予言」が現実となり、彼女は殺されたのか。いったい誰が……?
主人公アニーの視点と、老婦人フランシスの日記が交互に語られ、徐々にフランシスを取り巻いてきた人々や出来事が明らかになっていく構成。
アニーが日記を読むスピードと同じタイミングで過去の出来事が知れるので、謎解きの臨場感がものすごかった。すぐに没入して読んでしまった。
犯人当ての部分はもちろん手に汗握るが、フランシスの半生がとてもドラマティックで、哀しくて、心に残った。
閉ざされた狭い村のなかの複雑な人間関係をめぐる悲喜交々が事件に絡んでくるさまはクリスティを彷彿とさせる。
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予言込みのミステリだったので、かなり期待して読んだのですが(・・;)
今回は合わなかったようです。
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「犯人当てミステリの大傑作」というあおり、まさに!
莫大な遺産を残して亡くなった大叔母フランシスの、その財産を賭けた犯人当て。
16歳の時の占いを信じ、60年間自分を殺す相手を調査し続けた大叔母は、狂気の人だったのか。
若きフランシスに起こったこと。そして現在、二つの謎を追うアニー。
誰も彼もが怪しい。怪しさに全て根拠がある、動機もある。正しく読んでいけばたどり着けるはずのミステリ。
なのにたどり着けない自分の頭を恨む。血走った目で、沸騰する頭で、必死に追うヒントのカケラ。
読み終わった後に残る心地よい疲労感と満足感、そして漂う切なさ。
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英国の片田舎。若き日の占いに囚われ続ける大叔母。彼女に呼び出されたアニーが訪れた時、大叔母は占い通りに殺されていた。
魅力的な謎に素人探偵が挑む王道の本格ミステリで、派手さはないですが、読み応えがありました。
過去パートと現在パート、同じ人物がよく出てくるのですが、少し立ち位置が変わったりしていて、冒頭の登場人物一覧に大変お世話になりました。
帯等にもある通り、クリスティを彷彿とさせる雰囲気もgood!
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久しぶりに、本格的な犯人探しのミステリを読んだ。犯人、最後まで分からなかったなあ。
大叔母フランシスが殺され、突然遺産争いに巻き込まれたアナベル。フランシスが17歳の頃に失踪したエミリーの事件も遡りつつ、犯人探しを始める。昔の関係者もまだ村に住んでいて、皆んなが何か隠しているし全員怪しい。殺されたにも関わらずフランシスが魅力的。でも占いの言葉が呪いのように縛りつけ、その一生が左右されてしまった彼女が悲しかった。
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アメリカの作家、クリティン・ペリンのイギリスを舞台とした作品。おそらくデビュー作?
10代の頃に受けた予言を信じ込み、村人全員の秘密を60年以上集めた老女フランシス。大叔母に当たる彼女から連絡を受けたアニーは、訪問した矢先フランシスの死体を発見する。遺産を相続するためには犯人を見つけないといけなくて。。。
うーーーん、正直期待外れか。凄くプッシュされている割には、ストーリーも真相もそこまでという印象。
アニーを視点とする現代パートとフランシスの日記という体裁の過去パートからなる。フランシスの死の真相と、フランシスの友人の失踪事件を解くという体裁自体は非常に良いのだけど。
何より登場人物が多い割には、そこまでキャラが立っていないため全体的に薄っぺらく。ミステリ的にも、まぁそうか、という感じ。
クリスティ的な雰囲気は出ていたので、読んでて面白くはあったが、もう一押し欲しかった作品(エリー・グリフィスに似た雰囲気。訳者が同じだからかもしれないが)。
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主人公が探偵じゃないのが原因だと思うが、こういった類のミステリーなら必ずある犯人を指し示すための説明が薄くて物足りなさを感じた。
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過去の日記を手掛かりに、現代で起こった謎を解け! スモールタウン本格ミステリー #白薔薇殺人事件
■あらすじ
作家を志す25歳のアニーは、資産家である大叔母の弁護士から相続について話し合いたいと連絡をうけた。弁護士や相続関係者と一緒に大叔母の家を訪れると、彼女は図書館で亡くなっていたのだ。
大叔母は若い頃、占い師から殺害される予言がされており、60年間にわたって調査していた。アニーは大叔母の調査記録を手掛かりに、殺人事件の捜査を始めるのだった。
■きっと読みたくなるレビュー
がっつり本格ミステリーすね、クリスティ作品を思い出させます。
ストーリーとしては現代でおこった事件の捜査を進めていくんですが、それと並行して60年前の出来事を大叔母の日記という形で提示されていく。過去の出来事の謎が解明されていくうちに、現代の事件も真相が見えてくるという流れです。
遺産相続、スモールタウン、過去の日記、怪しい占いのメッセージと本格ファンにはワクワクが止まりません。
さらに登場人物が大量で、かつ親族や友人など繋がりも多い。さらに過去と現在で関係性が変化してたりするのでしっかり把握しなければいけません。本格ミステリーの醍醐味っすね~、多少手間でもノートなどに人間関係図を書いて理解することをおすすめします。
主人公はミステリー作家志望のアニー、思いもよらず相続問題に巻き込まれ、大叔母の過去の出来事と事件を調査することになる。決して派手ではないんですが、じっくりと着実に捜査を読ませてくれる。村人や刑事とのやりとりも探偵小説っぽく会話の妙が楽しいんです。
人間性もどこにでもいそうな女子で愛着があって、前向きなところが好きですね。きっとこれから彼女の作家人生が始まると思うし、めいっぱい応援したくなっちゃいました。
本作の影の主役は、過去パートに登場するエミリー。これはもう彼女が悪いんじゃないと思うんだよなぁ。時代や環境に恵まれず、成長もままならないと人間ってこうなっちゃうよね。自身でも気が付いているのに、なぜ生き方の方向性を修正できなかったのか。きっと幸せになれるはずなのに… 親世代の自分としては未来世代が苦しむ姿は切なすぎるよ。
ミステリーとしては難易度は高いですね。かなり情報は提示されますが、論理性はもちろん想像力が必要です。重厚感のある謎解きで読み応えはあるのですが、個人的にはもう少しエンタメ性があると、より広く楽しまれる作品になると思いました。
とは言え、久しぶりに王道設定の翻訳もの本格ミステリーで面白かったです!
■ぜっさん推しポイント
本作、血筋がテーマのひとつだと思います。
・大叔母フランシス、母ローラ、主人公アニー
・大叔母の友人エミリー、ローズ、ジョン、ゴードン、夫フォードと義理甥サクソン、兄のピーターとその妻タンジー
まだまだ人がでてきて、それぞれ関係性があるのですが、これが奇妙で面白いんです。特にフランシスとアニーって、頭の良さや意思が強いところだったり、不安定なところが似てるんですよ���物語が進むと色々あるんですが、しかし人の縁って不思議ですよね、生き方を学ばせてくれるところがあるんです。
親族や先祖って、結婚式や葬式でしか繋がりがなかったりするので、少しずつ縁遠くなってしまう。涼しくなったらビールでも片手に、親戚のおっちゃんの家に遊びにいこうと思いました。
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見事なフーダニットのミステリ!おもろかった!
謎解きの手がかりは、死亡した被害者が集めている。これだけでとても魅力的。
この作者は、読ませる力がすごい。
ずっと面白いとか、ノンストップハラハラドキドキとかそんな事ではなく、情景とか心情とか動きがスッと頭に入ってくる感じ。
物語の中に、現代と60年前の二つの時間軸があり、そこに共通して出てくる人物と、そうでない人物がいる。共通する人物の青春時代と老後の姿。どんな人生を歩んだのか想像させてくれながら、謎解きのヒントが出揃う。
とにかく、読みやすい!おすすめです!