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僧侶とヤクザ、、、持ちつ持たれつ歩む、、、仏教とは⁈悟りとは⁈
僧侶の名前が混同するが、終始ストーリーに釘付け。
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仏の道とは、他者救済のための道。
本山の腐り切った体制に腹が煮えくり立っているにいるが、地方の貧乏寺の倅故に、表だった行動に移せずにいるが、出世欲深き坊主の凌玄が本作の主人公。
ふとした瞬間から闇社会の顔役と知り合い、
ヤクザ、地上げ屋、闇社会の住人とありとあらゆる手段を用い、のし上がっていくことで
正しい仏道を歩んでいるはずだった。
人の欲深さ、猜疑心、妬み、蔑み、洛中という魔物の如き狂気の蠢く小説で、読む手が止まらなくて面白かった!
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日本仏教の最大宗派、燈念寺派の若き僧侶志方凌玄。
弱者救済を志す凌玄の前には、暴力団、フィクサー、財界の重鎮、政治家、市役所職員など、古都に群がる魑魅魍魎が。
腐敗しきった燈念寺派を立て直すため、悪に身を投じる凌玄。
しかし、その求道を突き詰めていけばいくほど、深みにはまっていく。
より多くの金をつかんだ者が京都を制する、最後に嗤うのは誰か。
あっという間に読了、とにかく面白かった!
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ダークヒーローかと思ったら、坊主のくせにヤクザと手を組んで私利私欲のために、邪魔なやつらを消していく話だった。最後まで救えない主人公とその他の坊主たち…
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主人公がどんどん利己的に宗教観を解釈していく様が、まさに人間らしいと感じました。ヤクザ、天才肌経済学者被れ、坊主、フィクサーの闇のドリームチームで、京都を牛耳っていくその無双ぶりは、ちょっと出来すぎ感もありましたが血で血を洗うような展開が臨場感がありました。
お金は留まっては濁るといいますが、回りすぎるととんでもない遠心力で威力を生み出すのだなと体感しました。
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仏教最大宗派の権力闘争を裏で操るフィクサー・闇勢力との権謀術数が大河ドラマ的に描かれる。月村作品らしい素晴らしいストーリテリングで、時間を忘れるほど夢中に読み進めることができる。ここまでの生臭坊主ぶりが真実とは思いたくないが、宗教法人税制のゆるさを考えると、そこに闇勢力が暗躍するのはさもありなんとも思える。虚実の微妙なラインで縦横無尽に健筆を振るう月村作品、今後も非常に楽しみ。
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最初から最後まで息もつかせぬ出来事とその対処で埋めつかされて一気に読み進めてしまった。仏教の世界での一僧侶の出世いや違うヤクザと繋がりながら問題解決やらヤクザとの関わりから逃れていき最後には頂上にまで駆け上がってあと故郷に---そして世の無常を知る!なんとダイナミックな話しだったことよ!
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京都に関する暗部を炙り出しにした作品。御仏の名の元に金を集める寺とそれに群がるヤクザの世界。
最初から最後までどっぷり人間の欲を嫌というほど晒していく。400頁はある小説だが、圧倒的な面白さで3日間で読み終えた。
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仏教最大宗派燈念寺派の末端僧侶凌玄がバブル期に怪しい面々と組んで頂点を目指そうとする話。
めちゃくちゃ面白かった。すごく好み。バブル期の京都の裏側や役所、政治家、ヤクザ総出演。実在の人物を想像できる人もいたが多くはフィクションなのかモデルがいるのかさえ分からないぐらい壮大。
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曼荼羅です
曼荼羅ってさ凄いのよ
まぁ、日本人ならどっかで見たことあるよね
仏の悟りの世界を現した絵図、図形のことですよね
あれさ、めっちゃ緻密よね
本作『虚の伽藍』は、月村了衛さんが小説という手法を使って書いた曼荼羅だったのではないかと思うのです
うん、自分でも上手いこと言うてるなーと思う
やるぅー
まぁ、とにかく緻密よ
そんでこれもう確実に浄土真宗本願寺派(作中は「錦応山燈念寺派」ちなみに浄土真宗本願寺派の本山は龍谷山本願寺ね)をモデルにしてると思うんだけど、もうめちゃくちゃ下調べがしっかりしてると思われる
そんでそれがちゃんと物語に厚みを加えていて素晴らしいんだけど
最近マジでそういう厚みのある社会派の小説を書きまくってるのよ月村了衛さん
これってとんでない体力いると思うんよね
大丈夫?
マジで心配
身体壊さないでね
ちょっとマジ異常事態だからね
あ、あとタイトルにもちょっと触れたい
「伽藍」とは寺院の建物群を表す言葉なんだけど、「がらんどう」や「ガランとしている」って表現の語源になった言葉なのね
「虚」ってのは中身がない、空っぽっていう意味なので、『虚の伽藍』は空っぽを重ねているとも言えるタイトルなわけね
もう、空っぽ中の空っぽです
全く中身がありません
つまりそういう物語なんですね
空っぽの物語なのに★5なん?
気になった人は読めばいいがな
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地方の小さな寺の息子志方凌玄は、京都の最大宗教団体燈念寺派の高僧が行う様々な不正を正すため、裏社会のフィクサー和久良と共に宗派内の問題僧を排除してゆく。
次々と悪き高僧を排除手立てとして凌玄は、毒を毒で征するが如くヤクザの扇羽組を使い"正しい教義“の遂行の為に強硬な手段をとり、ついには凌玄は周囲の人々を不幸に陥れてしまっていた。
自ら正しいと信じたものが実は空虚なものであり、それを気づいた時の落胆は自分の身勝手であったと知ってしまった凌玄。
因果応報では収めない結末は現実感があって説得力があり、手段を問わない理想の立場への到達の意味が何だったのか?実に深い余韻が残る小説だった。
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まるっきり別世界のストーリーだけれど、否応なしにひきこまれてしまいました!
月村了衛さんの最新作は、日本仏教の最大宗派燈念寺派を舞台として、バブル期から現在まで、一僧侶である凌玄を主人公に描いた長編です。凌玄の信念は、「真の仏教を護ること」「仏教で人を救うこと」…。そのためには、燈念寺派を率いる立場にならなくてはならない…と、暴力団やフィクサー、政治家、市役所職員などとの関係を築いていきますが…。
フィクションなのに、あぁ…こういう世界もあるんだ!とか、思っちゃいました。仏教は私にとっては一番身近な宗教…ウチには仏壇があって、地域のお寺の檀家にもなってもいます。そのお坊さんに、説法されるように、悪いことでも訥々と聞かされたら、全てが良いことのように思えちゃいますよね…。凌玄自身も、凌玄の友達だった海照夫婦も結局みんな救われない…けど、ハマりました!!
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★5 人を救うためのお坊さんが京都の支配者として暗躍する… 煩悩丸出しの社会派犯罪小説 #虚の伽藍
■あらすじ
寺格の低い生まれの凌玄は燈念寺派の僧侶、大学で宗教学を学んだあと宗務を司っていた。ある日、内部の不正行為らしき事案に気づくも、上司から圧力をかけられてしまうことに。
困り果てた彼に、謎めいた人物和久良が近づいてくる。どうやら和久良は事情を知っているらしい。仏教の正しい教えを実現するため、悪の人脈を広げていく凌玄であったが…
■きっと読みたくなるレビュー
お寺さんの物語です。ありがたーいお話… などでは全くなく、中身はアウトレイジ、半沢直樹、白い巨塔。業と欲にまみれるゴリゴリの犯罪小説です。
時は90年代のバブル期、京都を舞台にした不動産をはじめとした金脈の奪い合い。登場人物はフィクサー、暴力団、政財界のドン、役所職員など極悪メンバーで、もちろん敵側も同じような輩たち。お坊さんが主人公にも関わらず、いつもギリギリの駆け引きや殺るか殺られるかの殺伐としたシーンばかりなんです。
え、宗教って人を救うもんじゃないの? まさしくその通りで主人公の凌玄も誰よりも強い志をもっている。それなのに何故こんなことになってしまうのか…
物語としては次々と強敵が現れ、様々な謀略を繰り広げられる。時には防御、時には攻撃と煩悩丸出しで戦っていくのですが、これが面白いのなんのって! ドエンタメに展開されるお話は読む手を止めてくれません。終盤なんて、もろに白い巨塔で鬼アツ展開ですよ。
しかしどんな策略に対しても、お坊さんならではお説教による解釈が挟まれるところが興味深く、物は言いようだなとあきれるばかり。でも説得力があるんすよ、どんな世界でも賢明な人間が生き残っていくんすね。
またキャラクターがそれらしくっていいんですよ、ぜひ映像化を期待しちゃいます!主人公の凌玄はもちろん、インテリヤクザの氷室、フィクサーの和久良、親友の海照、女性陣の美緒と佐登子。この辺りは芝居のやり甲斐がある役どころですよね。表の顔と裏の顔、腹の座った迫力のある演技をぜひ観てみたい!
イチ推しは美緒と佐登子の女性二人。可愛らしい女子大生だった二人が年齢を重ね状況が変わっていくうちに、彼女たちも変貌を遂げていく。外面如菩薩内心如夜叉… はー、仏さんの教えは人生勉強になります。
人間の我欲強欲を凄まじく描いた犯罪小説でありながら、平成時代のバブル期の裏社会を描いた社会派小説です。極悪エンタメですが人生勉強になる一冊です、ぜひお時間をとって読んでみて下さい。
■ぜっさん推しポイント
執着ってのは罪深いすね… まさしく仏の教えは正しいすね。
ただまっすぐに正しい道を突き進もうと思っているだけなのに、いつの間にか思惑や行動が歪んでいってしまう。自らも葛藤に苛まれるときもあるけど、仏を心のよりどころにして正当化してしまう。
その結果、多くの屍を越えていくことになるのだが、果たして他人も自分も救うことができたのか… 考えれば考えるほど頭がぐるぐる回ってしまって、何が正しかったのかわか��なくなりました。
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すごい話。
最初は黒川博行読んでるのかと思うくらいだったのが、
映画のゴッドファーザーになり、後半は長浦京のプリンシパルに変化。
誰も救われない。
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政界にしても仏教界にしてもどんな業界でも悪党は一定数いる。しかし「先生」「和尚様」などと形式的にでも崇められて勘違いする輩がいるだけタチが悪い。
こんな巨悪ではなく小悪だが、実家の坊主は高校時代に婦女暴行で退学になり、でも坊主の跡を継ぎ、嫁さんは3人とも逃げ、乗ってる車はフェラーリからポルシェ。
これからお寺は過疎化・少子化で経営的に苦しくなるのに大丈夫だろうかと心配になる。