投稿元:
レビューを見る
「マンガ認知症」続編。認知症の有無はさておき、介護施設を検討しなければならない日は意外と迫っていることもあり、まずは読んでおこう、と。番外編でレビー小体型認知症の樋口直美さんも登場。
投稿元:
レビューを見る
4年前に読んだ「マンガ認知症」(ニコ・ニコルソン/佐藤眞一)の続きとして出された「マンガ認知症【施設介護編】」が発売されたので、読んでみました。
前作と同様に、ニコさんのおばあさま(愛称:婆ル)の介護を題材に、ニコさんのわかりやすい漫画と、専門家による丁寧な情報を、ぎゅっとまとめた読みやすい本でした。漫画だけじゃない、専門家の話だけじゃない。その両方があることが重要!(ほんとにわかりやすい)。
前作では、認知症になった婆ルを在宅で介護し、最終的には、「そろそろ介護施設を選択肢に入れてみましょう」というところで終わっていたんですが、今作では、その「介護施設」について詳しく書かれていました。
いろいろな施設を試した結果、施設と合わずに、結局、また在宅介護に戻っている、というところからスタート。
今作では、心理学者の佐藤眞一先生だけではなく、実際に介護施設を30年間運営しているという小島美里さんも加わって、高齢者施設の種類から、それぞれのメリット・デメリット、実際に選ぶときの考え方や、実情、問題点まで、そして最終的には、今、介護している側の子供や孫(そう、私たち)が高齢者になった時に一体どうなるのか、現在進められている介護行政は適切なのか(否!)、というところまで、突っ込んだ内容でした。
「ピンピンコロリ信仰、ふざけるな!」
「歳をとっていく自分を肯定しよう」
あぁ、そういえば、以前に読んだ本にそんなことが書いてあった気がする(「いずれくる死にそなえない」名郷直樹著)。私たちは、「老い」や「死」を汚いものとして、見ないことにして生活しすぎているのかもしれないですね。
誰もが迎える「死」。そして、それに至るまでの「老い」「認知症」。見ないことにして、効率だけを求める行政に任せていたら、自分たちが老いていった時、何も支えるものがない世界になっているのかもしれない…。
怖いと思いました。
小島美里さんの別の書籍も読んでみよう。
投稿元:
レビューを見る
施設介護編。妻がグループホームにお世話になっており
2日に一回の面会を続けている。職員さんともよく話すし、同じユニットの入居者さんたちとも言葉を交わす。ホームの運営推進会議にも参加させてもらっている。
一年を越えてそんな暮らしをしているといろいろなことが見えてきて、考えたことをホーム長さんとLINEで交わすことも多い。
本書はピタッと来る。介護という大変な仕事を続けている人たちを大きく頼りながら、施設の改善や認知症への理解を少しずつでも共有することの重要性がわかる。
作者の小島さんが国のやり方に吠える(笑)のは痛快だし同感だ。自分も同行する。
投稿元:
レビューを見る
前に「マンガ認知症」も読んでいたので、こちらも手にしてみました。テーマは認知症の方の施設介護です。ニコさんのマンガはわかりやすく、読みやすいです。ニコさんのおばあ様、婆ルの認知症介護に関して、ニコさんとニコさんのお母さま母ルが悩まれる姿をマンガにしています。在宅介護で限界を感じた家族が選んだのは、施設介護…やっと落ち着いたと思いきや…新たな問題に直面するという展開です。そんな、ニコさん、母ルさんに助言してくれるのは、認知症心理学の専門家サトー先生と、介護事業のスペシャリストコジマさんです。で、私も何冊か読ませていただいた、レビー小体型認知症当事者の樋口直美さんもスペシャルゲストとして自身の言葉を寄せて下さっています。
在宅から施設に…そう切り替えると、当然費用面の負担も大きくなるし、環境がまるきっり変わることで認知症の方精神的な負担も大きくその進行を早めることさえありますよね…。特に婆ルさんの入居されたサ高住では、月40万円もの支払いが発生して…?えっ!!!有料老人ホームでないのに、月40万??逆にそういうこともあるのかと、驚きました!一概に何がいいのか…この本を読んだことで答えはでないのが本音です。
そして、リアル私が生活する地域には選べるほどの施設がない問題もあるし…。ただ、これから施設介護を選ぶ方の参考にはなるかと思います。だけど、自分の将来は不安になりますよねぇ…。
投稿元:
レビューを見る
■認知症の周辺症状(BPSD)
・中核症状
(以下の認知機能の障害)
学習と記憶、言語、知覚・運動、複雑性注意、遂行(実行)機能、社会的認知
・行動症状
多動・徘徊、暴言・暴力、無為・無反応、不潔行為、異食、性的逸脱、介護拒否
・心理症状
抑うつ症状、自発性の低下、不安・焦燥、幻覚、妄想
■物盗られ妄想の心理的な原因は、「自己防衛」。
■記憶
├長期記憶┬非陳述記憶┬プライミング記憶
│ │ └手続的記憶
├短期記憶┴陳述記憶─┬意味記憶
│ └エピソード記憶
└感覚記憶
その他─展望記憶、自伝的記憶
・陳述記憶とは体験したことを言葉に表せる記憶
・アルツハイマー病では海馬から萎縮が始まるため、陳述記憶のうちのエピソード記憶を短期記憶から長期記憶に移行する機能が認知症の初期から低下する。アルツハイマー型認知症の人にとって難しいのは、最近の出来事を覚えること。最も覚えにくいのは数分から10分ほど前の記憶だと言われる。
■高齢者の事故に大きく関わっているのが注意力の衰え。
・焦点的注意
特定の対象に意識を集中させること
・持続的注意
なにかに注意を向けた状態を続けること
・選択的注意
様々な情報から何かを選んで注意を向けること
・分割的注意
複数の物事に同時に注意を向けること
■分かっているのに間違った行動をしてしまう「スリップ」は、「ラプス(記憶違いによる手順の間違いやし忘れ)」「ミステイク(計画自体の間違い)」と並んで加齢とはあまり関係ない一般的なヒューマンエラーとされている。
■遂行(実行)機能とは、目標を決め、計画を立て、順序立てて実行すること。「PDCA」や「Plan Do See」。
認知症が軽度の場合、目標は設定できるけれども、具体的な手順の計画ができないという場合がある。