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文章が若いなと思った。『なぜ働いているとー』を先に読んだから、余計に。といいつつ、この時の三宅さんより今の私の方が年下だけれども。
三宅さんの新刊が出たから内容確認せずに買ったらすでに持っている本の新書バージョンだった(笑)
この本を読んで、自分はなんで本が好きなんだろうと思った。本を好きになった、ハマったきっかけは三宅さんと同じで孤独だからだと思うけれども、今は昔ほど孤独を感じてないけれども、昔よりも本が好きだなと思う。
物語の自分の想像で作れる世界が好き。いくら作者が物語を書いても、登場人物が生きてから死ぬまで1秒単位で何をしたか、何を感じたかを書いている作家は絶対いなくて、物語である程度登場人物の人生を描いていても、それでも読者が想像で補わなければいけない・自分で作れる空白の世界が存在していて、それを考えるのが好き。あと単純に物語を一方的に与えられるのがすき。
三宅さんの本の分析力、本を読んだ後に自分が感じたことを言語化する能力が本当に大好きで、読んでいて気持ちいい。知性がある人の文章に癒される。
正直、ここで紹介される本すべてが自分の好みというわけではなかった。仁勢物語とか、高校時代の古典の授業思い出して発狂して読めないと思う。けど、「好きなものについて自分の言葉でしゃべる」人を見るのが好きで、やっぱり三宅さんの文章は読んでしまう。
この本を読んでいると、憲法の授業の先生を思い出した。大学で憲法の授業を取っていて、あんまり誰も聞いてなさそうだけど、先生がただひたすら楽しそうに憲法の話をしていて、法学部でないから私にはちょっとしたニュアンスの違いなんて全く分からないけれども、研究者のプライドというか譲れない部分があるのか、「ほんとうは○○って出来事があってここにつながるんですけれどもそれはまあ覚えなくていいです」っていうのをにっこにこしながら話してる。三宅さんと大学の先生が私の頭の中で重なった。そういう人が好きだし、そういう人になりたいなと思う。
要は、自分の好きなことに変態的にのめりこんでいて、話しまくる人が好きなんだと思う。
いい本だった。いくつか読みたい本も見つかったので、今後の人生を使ってゆっくり読もうと思う。
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感想
自分ではできない経験。幸福なら己の人生だけで十分。だけど。自分の手の届く範囲だけでは足りない。だから想像力の羽を使う。どこまでも飛ぶ。
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題名を見て、「いやほんとそれな?」しかなかった。
直感で読んでみたいと思った本。
三宅さんの言葉のセンスやテンポが絶妙で流れるように読めた。
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20代半ばの若い女子の書評本でした。表現が若いのは新鮮でしたが、オススメ本はどれも女子向けです。共感出来たのは、坂の上の雲の話と風と共に去りぬの、After all,tomorrow is another day (明日は明日の風が吹く)というスカーレットの生き方でした
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本を通した、他人の考え方や経験を感じることができた。
同感な部分もあったし、そうでない部分もあった。
しかしそれを作家が書いているので、とても読みやすかった!
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いやもうホントに。
悲しいかな、辛い時ほど沢山読めるし素晴らしい本にも出会ってしまう。
落ち込んでる時には本を見つける感性が研ぎ澄まされる感じがする。
ちょっとしたジレンマだよなあ。
さて、文章の若々しさには驚いたものの、一冊目を読んだ時の空気感を思い出させる本書。
それがまた良くて。
本好きさんの書評は、読むと楽しいんだよな。
個人的に太宰治の『女生徒』が気になりました。
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書評である。
人は何を読み何を感じたか。このことに関して、興味があるかないかは人それぞれだと思うが、読書感想文コンクール等が未だに存在して多くの人に読まれていることから、人が本能的に気になることとなのかも知れない。
自分の娘ほど歳の離れた筆者が感じた世界観は、自分の手の届かないところにあるものに感じで新鮮てあった。中には、筆者と年の差を超えて共感できる部分も多々あり、以前から気になっていた小川洋子の短編集を思わず買ってしまった。
筆者の若々しい表現に清々しい好感を感じるけれど、もう少し丁寧に言葉を選ぶことで、筆者の深い思いが多くの読者に伝わるのかなと思った。
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著者の前作、「好き」を言語化する技術が良かったのと、タイトルの「ずっと幸せなら本なんて読まなかった」に共感し、読んでみた。タイトルに関しては、私が本を読むようになったのもこれまで生きてきた中で一番辛い時であったからだ。
今はスマホもあるから本を読まない人生も十分有り得ただろう。私にとってスマホ、特にSNSは、キラキラしたものが多く、見たくないものも勝手に流れてくる。見るだけで自己肯定感が下がっていくツールだ。
それ対して読書は自分で読みたいものから読んでいける。また小説なら自分の頭の中で自由に想像、妄想を膨らませたり実用書なら自分が知りたかったこと以外の知識も増やすことが出来る。意図せず出会った情報であっても、スマホの中で出会う情報より確実に役立つし、それに出会えた時の喜びはこれからも大切にしていきたい。
書評家である筆者だが、そんな筆者が書いた書評本を読むのは今回が初めてだった。
内容については、33の日々の割とライトな悩みから辛い、悲しい、寂しいにまつわる様々なテーマがあり、それぞれの悩み(症状)に「処方箋」という形で筆者のおすすめ本が紹介されるといったものだ。
自分が今悩んでいるものもあったし、テーマがなかなかにピンポイントすぎて笑ってしまうものもあった。
だが、自分にとっては理解するのが難しい本が紹介されていたりそういう本が続いた時、読み進める手が止まってしまうこともあったので、星4とした。
...といいつつも、自分が知らなかった本や読もうと思ってたがまだ読めていない本も紹介されており、読んでよかった。
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今、話題の文芸評論家による初期の書評集。作者の前書きにもあるが、若い頃に書かれたので文体が若い。もちろん作者もまだまだ若いが…。ちょっと付いて行くのにキツイ感じがありました。作者も最近はテレビでよくお見かけします。さらなるご活躍を期待しています。
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私も自分の悩みを人に相談することがなかなかできないので、三宅香帆さんの処方する本たちが好ましく思えた。特に悔しいときに読む本として紹介されている村上春樹の「走ることについて語るときに僕の語ること」は、悔しいこと以上に頑張ればいいんだなと深く納得した。紹介されている、悩みに効くおすすめ本を、処方別に少しずつ読んでみたいと思った。
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大ヒット本の著者の初期作。紹介された本で悩みが解消するなら、それはそれでよし。少なくとも、世界は広がるはず。
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『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が集英社新書で発売されたのが2024年4月17日。この本が、幻冬舎新書で発売されたのが2024年9月26日で、続くなぁ、すごいなぁ、と思っていたら、2019年に刊行された『人生おたすけ処方本』を改題したものだそうです。
で、新書版のまえがきの書き出しはこうです。
「まったく他人に相談しない人生だった。」
『人間失格』(太宰 治)の冒頭(「恥の多い生涯を送って来ました。」)を思い起こさせるような書き出しの文章の意味を、三宅さんはこう説明します。
「だけど私にとっては、ずっとずっと究極の相談相手が存在していた それが、本だった。」
幻冬舎新書の紹介文にもこう書かれています。
「寄り添う。見守る。救う。裏切らない。それが本なんです! いつも幸せだったら本など読まずに生きていけるけど、残念ながら、一ミリの退屈も苦痛も後悔もない人生などない! つらいときこそ、本は寄り添い、解決法も教えてくれる。だからこそ、人生に読書は不可欠なのだ。」
読書セラピーの本を読んだことがありますが、読書はストレスの68%を軽減する効果があるという研究結果があるそうです。
たしかに、読書は、作者との対話であり、その相手(作者)は同時代を生きる人のみならず1000年前の人もいます。日本の人に限らず、いろんな文化背景を持つ国外の人たちが目白押しです。これほどの相手はいません。
そして、大切なことは、読書することで作者と対話しているようでいて、実は自分自身とも対話しているということだと思います。作者が提示する事柄を自分の心に反芻して、自分ならどう捉えるかを知らず知らずに考えている。この過程が大切なのであり、読書が「相談」となり得るということだと思います。
人に何かを相談する時は悩みがある時、ということは読書する時も悩みがある時、と言えるでしょう。それが、本書のタイトルに繋がるとも思います。
本書では、読者の目的に応じた形で、4つの章を立てて、古今の名作33作品から、処方箋となる本を紹介しています。
・対処療法編 この苦しみ、とにかくどうにかしたい!
・予防編 未然に防ぐ、これ大事!
・変身編 自分を脱ぎ捨て、劇的に変わりたい!
・滋養強壮編 この一冊で、バッチリ元気!
この本自体も、三宅香帆さんに相談事を投げかけ、答えてもらっている本、という気がします。悩みを抱える時、悩みを相談された時にもご覧いただければと。
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三宅さんの書店爆買い動画をご覧になったことはあるだろうか。この本を読むと三宅さんが熱量高く喋っている感じで音声が再生される。
三宅さん、いろんな本読んでてすごいな。「カップラーメンができるのを待っている間に読む本」が「細雪」なのおもしろい。
読んでみたくなった本:「華氏451度」、「アンナ・カレーニナ」(夫の耳がキモいエピソード読んでみたい)、「細雪」