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はしがき
序章 法はあなたにとってどういう存在か
Ⅰ 「飼い馴らす」ことで得られるかけがえのなさ
Ⅱ 価値があるものは限られる
Ⅲ あなたにとっての国の価値
Ⅳ 本書の課題
文献解題
第1部 国家はどのように考えられてきたか
第1章 何のための国家か
Ⅰ 権威に従う理由
Ⅱ 国家が権威を持つとき
Ⅲ 国家の権威の限界と個人の選択の範囲
Ⅳ 小結
文献解題
第2章 平和と自己防衛を目指す国家──トマス・ホッブズ
Ⅰ 生の意味──モンテーニュからグロチウスへ
Ⅱ 判断基準となる国家の設立
Ⅲ ホッブズと宗教
文献解題
第3章 個人の権利を保障する国家──ジョン・ロック
Ⅰ 自然状態における個人の自由
Ⅱ 政治権力はいかにして樹立され、解消されるか
Ⅲ 最終判断は神による裁き──抵抗権論
Ⅳ ロック政治思想の限界と可能性
文献解題
第4章 自由を保全する国家──ジャン・ジャック・ルソー
Ⅰ ルソーの問い
Ⅱ 一般意思とは
Ⅲ 大衆を導く世にも稀な「立法者」
Ⅳ ホッブズを読むルソー
文献解題
第5章 永遠に完成しない国家──イマヌエル・カント
Ⅰ 他者の敵対心からの保障
Ⅱ 定言命法と道徳格率の多様さ
Ⅲ お世辞は反道徳的か
Ⅳ 「私の」社会の法秩序
Ⅴ 人間性というねじ曲がった素材
文献解題
第6章 人々がともに生きるための立憲主義
Ⅰ 公と私の区分の必要性
Ⅱ 基本的人権の保障と政教分離
Ⅲ 正義の状況
文献解題
第2部 国家と法の結びつきは人々の判断にどう影響するか
第7章 法の規範性と強制力──ケルゼンとハート
Ⅰ ザインとゾルレン
Ⅱ 法予言説の問題点
Ⅲ ケルゼンの「根本規範」
Ⅳ ハートの「認定のルール」
Ⅴ 法による強制をどう見るか
文献解題
第8章 法と道徳の関係──ハートとドゥオーキン
Ⅰ 道徳をどうとらえるか
Ⅱ 裁判官の良心
Ⅲ 「正解」を求めて
Ⅳ すべては解釈なのか
文献解題
第9章 法が法として機能する条件
Ⅰ 「法の支配」
Ⅱ 法と道徳の必然的関係?
Ⅲ 「法の支配」の限界
Ⅳ プラトンとアリストテレスの考えた法の限界
文献解題
第10章 法と国家──どちらが先か
Ⅰ 憲法がないと国家もない
Ⅱ 法人としての国家
Ⅲ 憲法制定権力の存否
Ⅳ 国民の代表とは
Ⅴ 宮沢俊義の「国民代表の概念」
Ⅵ ケルゼンの民主政観
文献解題
第3部 民主的に立法することがなぜよいのか
第11章 なぜ多数決か
Ⅰ 人民による人民の支配
Ⅱ 一人一人の意見の尊重
Ⅲ 議会の選挙と人民投票
Ⅳ 正解を求める手段としての多数決
Ⅴ 多数決の過ちをどう防ぐか
文献解題
第12章 民主政の過去から学ぶ
Ⅰ 多数の判断はより善い判断である──アリストテレス
Ⅱ ���衆に判断はできない──プラトン
文献解題
終章 法に従う義務はあるか
Ⅰ ソクラテスはなぜ死刑判決を受け入れたのか
Ⅱ 「人は殺すな」はどのような法か
Ⅲ 国家の能力を見極める
Ⅳ 正しい政府を支えるための遵法
文献解題
補論 道徳がすべてなのか
Ⅰ 道徳の普遍性
Ⅱ 定言命法の空虚さ
Ⅲ 盗賊の人格と道徳の衝突
Ⅳ 妻を救うべきか
文献解題
あとがき
事項索引
人名索引