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タイトルの「サリエリ」と言うのが言い得て妙でした。
名門音大付属高校で起きた殺人事件。根底にあるのは「嫉妬」。
ほんの些細な嫉妬が、衝動的に事件を起こしているのがなんとも言えませんでした。
そして、第三のサリエリ事件。これもとても何とも言えず後味の悪いものでした。
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あまりクラシックに馴染みのないので
世界観をつかみにくかったが
心理描写が丁寧に書かれていていたと思いました
作中に出てくる曲がどんなのだろうと思って調べてしまいました
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音楽大学附属高校の卒業演奏会で、出演者がもう1人の出演者を殺し、1人の腕に傷を負わせる事件が発生する。マスコミはこの事件を「サリエリ事件」と命名し、曖昧な動機を追及する。その4年後、同じ卒業演奏会で再び殺人事件が発生した……。
最初の事件は犯人も被害者もわかっているので動機が焦点となる。第2の殺人事件は「誰が、なぜ」に拡大する。この動機がくせもので、週刊誌記者の取材で徐々に真相が明らかになるけれど、到底納得できるものではなかった。最終章に至ってはもはやホラーだ。
雰囲気はよかっただけに残念だった。
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はじめて読む作家さん。
ピアノの道に進むにはお金がかかる。
分かってはいたけど、才能のある若者が経済事情が理由で夢を追えないのは悲しいな、とおもった。
ピアノの世界に限らずだろうけど。
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音楽の名門校の卒業演奏会の最中に起こった、クラスメイトによる殺人事件。四年の時を経て二度も起こってしまったその悲劇の原因は何だったのか。哀切な読み心地の物語です。
お互いに切磋琢磨し和気藹々とした日々を過ごしていた六人のクラスメイト。冒頭でそのうち二人が殺され、二人が殺人者となることが明かされています。高校卒業時に起こった事件によりそれぞれにやりきれない思いを抱えたまま、四年後に再び卒業演奏会に挑む四人。その中の誰が誰に殺されてしまうことになるのか……それが気になってぐいぐい読み進みたい気持ちと同時に、読みたくない気分にもなりました。だって誰が殺されても、誰が殺してしまうことになっても、あまりにつらすぎるのだもの。
音楽を続けるために必要なのは、才能だけではないという厳しい現実。その一方で、やはり才能というものに打ちのめされてしまう苦痛。やり場のない思いはどこへ向かってしまうのか。そして誰もが危惧する、事件に自分の言動が影響を及ぼしたのではないかという惧れ。なにもかもがあまりに苦しく、痛々しい物語でした。だけど惹きつけられる物語でもあります。
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額賀澪さんは、新刊を毎回待ちかねて読む作家さんの一人。
でも、今回は、ダメ。生理的に受け付けない。
時々、額賀さんの作品は、こういうことがある
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Amazonの紹介より
朝里学園大学附属高校の卒業演奏会の最中に、出場者の恵利原柊が音楽科クラスメイトの雪川織彦を殺してしまう。
作曲家アントニオ・サリエリがモーツァルトの才能に嫉妬して毒殺を企てた説にちなんで、事件は「サリエリ事件」と呼ばれた。卒業演奏会に出た残りのクラスメイト4人は朝里学園大学に進学し、四年後、同じ卒業演奏会で再び顔を合わせることに。そして、演奏会の最中に、再びクラスメイトを殺す事件が起こってしまう。何故、二度も殺人事件は起きたのか。週刊現実の記者である石神幹生は二つの事件を追っていた。
あの日あの時、何が起きていたのか?現在と過去を行き来しながら、事件の詳細が明らかになっていきます。事件を通じて垣間見る嫉妬や憧れなど、そこにはそれぞれの家庭事情が浮き彫りになっていて、ピアニストを目指すことの難しさが伝わってきました。
冒頭では、誰が誰を殺したのか?といった具体的ではないものの、そういったことが起こるということを予告しているので、ある程度分かってからの始まりでした。
それぞれの登場人物の背景を知ることで、なぜこのような事が起きてしまったのか?といったことを探っていくのですが、それにしても、モヤモヤ感の残る真相だなと思いました。特に過去パートでの殺人事件は、突発的であり、犯行に及ぶまでの過程も、それで犯行に及ぶ?という疑問が湧いてきました。
ある出来事をきっかけに、急に殺意による沸点が上がるのではなく、ヌルっと上昇して、犯行に及ぶ解釈だったので、終始モヤモヤしてしまいました。
その一方で、現在パートでは、急激に沸点が上がっての展開だったので、そういった意味では納得がありました。
ただ、あまりにも突発すぎて、思わず「えっ⁉」と驚いてしまいました。
同級生達の仲睦まじい雰囲気とは裏腹に、陰ではドロドロの雰囲気に、読みごたえがありました。
特に、何気ない言葉が時として「凶器」へと化すことが印象的でした。相手にとっては、トリガーになりうる可能性があります。なかなか難しい事が、相手のことを思って、言葉を発信しなければいけないんだなと思いました。
他にも、女性達の嫉妬による執念が印象的で、「悪女」としての表現が凄いなと思ってしまいました。
もうとにかく切なすぎる物語でした。ピアノのために切磋琢磨して努力したのに、家庭の事情やお金の事情、周りとの成績によるランキングなどピアノとは違った影響で、断念せざるを得ない状況に、やるせない気持ちになりました。
そして、犯罪へと進化することに、複雑な気持ちにもなりました。
最後の展開でも、また新たな驚きの真実と展開が待ち受けるのですが、なんだか歯に何か挟まったまま終わったかのような読後感とモヤモヤ感が残りました。
一応、謎は明らかになるのですが、それにしても、犯罪にまで染めるのか?という突発さと大胆さがあって、被害者にとってみれば、あまりにも不憫だなと思ってしまいました。
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図書館に行ったとき、新刊の棚を眺めていてタイトルが気になったのがこの本。額賀澪さんっていつかどこかで聞き覚えがあったし。ただウィキってみても思い当たるタイトルが見当たらず…記憶が…それはさておき、この本、装丁の通りピアノ、音楽学校のお話。そこの卒業演奏会で殺人事件が起こった過去がある。それを音楽関係者ならわかる「サリエリ事件」と名付けられた。そしてその四年後にも再び殺人事件が起こった。感想は、まぁまずまずだった。ただ動機が人間ぽくて良かった。ジャンルは違えどピアノの描写は名作「蜜蜂と遠雷」には勝てないか。
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なんとも言えない負の連鎖。
人は弱いから、ちょっとしたきっかけで壊れる。
そのきっかけを作ってしまったのは私では無いのかと、疑心暗鬼になってしまう気持ちもよく分かる。
けどなんだかなぁ…
モヤっとするんだよなぁ…
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クラスメイトによる殺人事件。その4年後にまた同じ関係者で新たな殺人事件が。その動機を巡っての物語。週刊誌の記者が絡んでくるが彼も含めてそれぞれの視点で語られる真相。結局は嫉妬心が1番恐ろしいと感じた。
音楽大学生だけあっていろんな楽曲の解釈が面白かったです。
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音楽用語やクラシックに関して詳しく書かれている小説。
序盤は特にクラシックに詳しい人は面白く読めるのかなと感じた。
第5章の最後から、え!?って驚きました。
そして最終章の最後も予測してしなかったことが起こったので、少しドキッとしました。
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なんとも言えない、救いのないラストでした。
こういった芸術的な世界は努力だけではどうにもならない上に、金銭的な基盤がないと続けられないというのが現実。そうでなくても不安定な彼らの精神状態に嫉妬心も加わって、何が殺意の引き金になるのか分からない恐ろしい世界。
額賀さんの作品ではあまりない感じの作品。作品の内容からすると、こういうアニメっぽい表紙はそぐわないように思えました。