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待ちに待った文庫化!待ってた!
本田さんの話を読むと、割り切れないものとの向き合い方とか、法についての向き合い方とか、全てのものについての感じ方っていうのは、人の数だけあって、どれが正しいとかの問題ではないことが痛いほど突きつけられる。全部正義なんだ。登場人物の色々な思いがダイレクトに伝わってきて、そこにはもちろん自分にとって新しい発見もあって、とても新鮮。毎回勉強になる。
ラストは元恋人が主人公を車で迎えに来て、車が発進していくところで終わる。なんだかデジャヴと思ったら、momentのときもそうだった。この表現は、自分の中で区切りをつけて、気持ち新たに未来へ進んでいくことを表しているのかしら。清々しくていい感じ。
あとやっぱり、会話部分がすきなんだよな。
ぶっきらぼうだけど、絶対的に優しい感じ。なんなんだろうな、本多孝好の住人だって安心する感じ。
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2024.10.06〜10.12
人の話を聞く、って難しいと思う。
とても穏やかな感じで、ゆったりとしたカウンセリングのように描かれているけど、その心の内は全く穏やかではない。
心の傷は完治しない。瘡蓋がたまに剥がれてしまったときは、最初とは違う痛みを感じる。厄介だ。
その傷の痛さを少しでも和らげる、いや、「痛い」ということを聞いてあげる。同情ではなく、聞く。やっぱり、難しいな。
全く穏やかでないカウンセラーのお話なのに、なんだか心が緩む、悪くない読後感の一冊。
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人の話を聞くってことは難しいし奥が深いなと感じた。
1話1話それぞれ良かったけど、最後に繋がるところがちょっと泣けて良かった。
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事件被害者やその家族のカウンセリング。人はただ生きているだけでも大なり小なり心に傷を負うものだ。ただ、それが突発的に奪われる「事件」であったら、その傷は自力で癒すのは難しいだろう。それは想像できる。だからとしてカウンセリングという手法があるのも想像できる。実際がどんなだかは不明だ。高階唯子、彼女も真摯に誠実に、カウンセラーとして向き合う。あまりにも生真面目な接し方に彼女が疲弊しないか心配になる。彼女が公認心理士を選んだ理由そこにある想いは、不器用だけど実直だった。
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犯罪被害者の立場をカウンセリングによって支援するというとても難しい仕事だなと思いながら読んでいましたが、一話一話、話に没入ができ、あっという間に読むことが出来ました。
読み終えた今、スッキリとした気持ちになっています。いいお話でした。
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本多孝好さんの小説初めて読みましたが、とても好みでした!個人的に好きな心理系xミステリーというジャンルなのが良かった。
犯罪の被害者にも加害者にも、事件が起こった後に生涯にわたり長く長く続いていく、当人にしか(いや当人にすら)分からない深い心の傷や闇。ただ善悪の概念たけでは済ませられないことであって、犯罪当事者へのケアは難しいのでしょうが、その方々が社会で引き続き生きていくには本当に重要なことなのですね。
高階さんのようなお仕事に携わっている方々も実在しているんですよね、心から尊敬します。。
本作の続編を熱望しています!
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服役はあくまで法律上の償いで、
故意の殺人は自らの死をもって償うものだという考えのカウンセラーの成長物語。
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高階唯子(たかしな・ゆいこ)は警察から依頼され、事件被害者やその家族のカウンセリングを行っている。
彼女は様々な傷を抱えたクライエントと向かい合う。
夫を殺されたのに自分こそ罰を受けるべきだという妻。
誘拐犯をかばい嘘の証言をする少女。
心の傷から快復したはずなのに、姉を殺した加害者に復讐した少年……
多くを語らないクライエントが抱える痛みと謎を解決するため、唯子は奔走する。
絶望の淵で、人は誰を想い、何を願うのか。そして長い沈黙の後に訪れる、小さいけれど確かな希望――。
「集英社」内容紹介より
重い内容.
消化するのが難しい.
救いがないのかというとそうでもない.
けど、簡単にそうと言えるものでもない.
ただ、当事者だから言えることばというのは確かにあるなと思う.
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題材は重めだけど読みやすかった
主人公がお父さんを完全拒絶じゃなく、
また会うかもしれない未来を
可能性として作れたのがよかった
加害者家族のカウンセリング編
みたいな感じで続きも読みたいな
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犯罪被害者に対するカウンセリングを行う、臨床心理士の女性主人公が関わる事件を短編連作で描く。主人公自身がある事件の当事者家族であるため、彼女の心の葛藤と、カウンセリングする対象者との対峙の仕方も物語に深みを与えている。臨床心理士が主人公で、そこから事件に関わるサスペンスへとストーリーを広げていくような作品は今まで私は出会ったことがなく、興味深く読めた。