投稿元:
レビューを見る
小天体の衝突によってできた地球上のクレーター、近年に落下した隕石、地球近傍小天体についてまとまったものを読むことが目的だった。話題は地球の構造や年齢、太陽系の形成、生命の起源、プレートテクトニクスにまで及んでいて読み応えがあった。
・ガスとチリから成る星間雲は銀河の総質量の約10%を占める。密度が高い星間雲を分子雲と呼ぶ。
・太陽の大気の観測による元素存在比と、ある種の炭素質コンドライト(未分化の石質隕石)の元素組成は似通っている。
・39億年前までが隕石重爆撃期。32億年前ぐらいに、現在とほとんど変わらない頻度に落ち着いた。
・ウイリアム・スミスが層序累重の法則を唱え、ライエルが現在の自然現象が過去にも起きたとする斉一観を説いた。1912年にウェーゲナーが大陸移動説を発表。1960年代後半にプレートテクトニクス理論が登場した。
・上部マントルは下部の岩流圏(アセノスフィア)と上部の岩石圏(リソスフィア)に分かれ、岩石圏と地殻が一体となって運動しているものがプレートと呼ばれる。
・月面のジョルダーノ・ブルーノ・クレーターは、1178年に観察された隕石衝突によってできたもの(※その後の月探査機かぐやの観測では100万年から1000万年前と推測された)。
・火星起源のALH84001に発見されたチューブ状の物質の長さは0.4μmで、地球上の生物の大きさの100分の1。