なぜ働いていると本が読めなくなるのか
著者 三宅香帆
【人類の永遠の悩みに挑む!】
「大人になってから、読書を楽しめなくなった」「仕事に追われて、趣味が楽しめない」「疲れていると、スマホを見て時間をつぶしてしまう」……そのような悩みを抱えている人は少なくないのではないか。
「仕事と趣味が両立できない」という苦しみは、いかにして生まれたのか。
自らも兼業での執筆活動をおこなってきた著者が、労働と読書の歴史をひもとき、日本人の「仕事と読書」のあり方の変遷を辿る。
そこから明らかになる、日本の労働の問題点とは?
すべての本好き・趣味人に向けた渾身の作。
【目次】
まえがき 本が読めなかったから、会社をやめました
序章 労働と読書は両立しない?
第一章 労働を煽る自己啓発書の誕生――明治時代
第二章 「教養」が隔てたサラリーマン階級と労働者階級――大正時代
第三章 戦前サラリーマンはなぜ「円本」を買ったのか?――昭和戦前・戦中
第四章 「ビジネスマン」に読まれたベストセラー――1950~60年代
第五章 司馬遼太郎の文庫本を読むサラリーマン――1970年代
第六章 女たちのカルチャーセンターとミリオンセラー――1980年代
第七章 行動と経済の時代への転換点――1990年代
第八章 仕事がアイデンティティになる社会――2000年代
第九章 読書は人生の「ノイズ」なのか?――2010年代
最終章 「全身全霊」をやめませんか
あとがき 働きながら本を読むコツをお伝えします
なぜ働いていると本が読めなくなるのか
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2024/08/16 17:27
読書と仕事
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かずさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
学生時代書店に足を運び本を読むのを楽しんでいたが、何故か仕事を始めるとその量が減っていく。社会人になってからは年に数冊。自己研鑽の会社からの推奨本を少ししか読んでいなかった。他の本を読めなかった理由は「仕事で忙しく、疲れるているから」。仕事と読書の関係を日本人の読書史と時代背景から解き明かしていく本書は読書をしている人したい人に是非読んでもらいたい。最終章の部分は少々理屈っぽいがこれからの時代大切な事だと思う。
2024/08/14 02:32
深く刺さった一冊
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは、すべての労働者に読んで欲しいと思わせられた一冊です!タイトルから想像する内容よりも、はるかに深いなぁと感じました。本は江戸時代は、『朗読』するもので、『黙読』するようになったのは明治になってから!紙代が高くなり、少ない紙で売れる本を発行するために考えられたアイデアが、既に売れている本の文庫化!『若者の読書離れ』と言われ出したのは実は70年台からといった豆知識はさておき、本・読書を通して、今の働き方を考える内容。『仕事は男女共に半身で働くべきだ』は、本当に深く刺さりました。
2024/05/19 01:20
ノイズを楽しめる働き方
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はぐらうり - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分が思っていることととても近くて良かった。
情報はノイズキャンセリングされたもの。知識はノイズを含んだもの。つまり読書はノイズ。ネットやゲームはノイズがない。ノイズを楽しめる働き方の提案書。
転職前は移動時間(それも眠くないときだけ)が読書タイムだった。今は働きながら、月に10〜15冊ほど読めている。
読めることの相対的な特権は置いておいて、働きながら読むならやはり電子かなと思う。安いしね。働きすぎな仕事や家庭や育児をしながら細切れ時間を有効に使うのは、やっぱり大事。
ノイズを受け取れるアンテナを立たせておくためにも、文字に触れておくのが、「読みたい」を促進させることになるのだと思う。
自分の仕事に引き当ててもかなり示唆に富んだ内容だった。