流血女神伝
カリエ、14歳。彼女は、ルトヴィア帝国の国境にほど近い小さな山村の漁師の家に育った。ある冬の日、カリエは、いつもは女の身で狩りに出ることを快く思っていない父親に、珍しく「狩りに行け」と命じられた。吹雪の森の中、獲物を求め歩いていたカリエの前に突然現れたエディアルドと名乗る貴族風の男。「おまえを迎えに来た」――気を失わされたカリエが攫われていった場所というのは…!?
流血女神伝 喪の女王8
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砂の覇王 3
2009/09/14 21:53
生き抜くための掟、しかし時には枷ともなる
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドミトリアスが帝都で剣を持たない闘争に明け暮れている頃、カリエは砂漠のルールと向き合っていた。
同じ立場でありながら、何から何まで、ドミトリアスとは全く違うように見えるバルアンに反発するカリエ。しかしその行動は、死の土地に囲まれた場所で暮らすものにとっては必然の行動でもある。でも、カリエがそのことに気づくのは、もう少し先のことになりそうです。
女神の花嫁 後編
2010/06/26 09:14
極限状況で現れる本質
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
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傭兵たちが不在の隙をついて襲撃を受けたホルセーゼの村では、村を守る女たちが白刃の下に倒れていく。阿鼻叫喚の嵐の中で、ラクリゼはザカリア女神との契約によりザカールの力を取り戻す代わりに、腹の中の子を失う。
ラクリゼの奮闘によって全滅を免れたものの、家族を失った悲しみに暮れるホルセーゼは、サルベーンに傭兵団を任せ、半ば引退生活を送ることになる。それから数年後、現役復帰したホルセーゼと傭兵団は、滅亡の足音が聞こえるギウタの地に来ていた。
ラクリゼが女神の力を取り戻した頃によって、サルベーンとの蜜月は終わりを告げ、二人の間には溝ができ始める。結局彼らの関係は女神という存在を抜きに語れないのかと思うと少し哀しい。
本編との関係で言うと、幼少のエディアルドが少し登場し、その出生の秘密が明かされたりもする。あとはもちろん、カリエとラクリゼの出会いも描かれる。
最後のアデルカの人知れぬ貢献は、サルベーンの行動との対比で見ると際立つ。
女神の花嫁 中編
2010/06/25 16:57
安らぎのとき
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サルベーンと共にザカールの外の世界へ旅立ったラクリゼは、サルベーンの勧めに従って傭兵王ホルセーゼの下を目指すことにする。しかし、ザカールにいた時と保護者と被保護者の立場が入れ替わり、プライドを傷つけられたと感じたラクリゼは、サルベーンと喧嘩別れすることになる。
烈火のごとく怒り気ままに力を振るい優越感に浸っていたラクリゼだが、一人さまよい歩く森の果てで湖の女王に琥珀の指輪を取り上げられてしまい、女神の恩恵を全て失う。そんな時、猟師のアデルカと出会い、彼と彼の家族の保護を受けることになる。
剣の振るい方しか知らなかったわがままお嬢様が世間の常識と生活スキルを身につけていく。そしてついに訪れる二人の再会。そこにあるのは感動か、悲劇か。
ザカールのお話にも拘らず、本編に感じる宗教色が一番薄いような気がする。後には超人的活躍をするラクリゼが、最も安らいで生活できていた時期なのかもしれない。