二人一組になってください
著者 木爾チレン(著)
卒業式直前に始まったデスゲーム(特別授業)
あなたに本当の友達はいる?
誰かと手を繋がないと死ぬ――。
女子高のクラス内カーストが崩壊し、
裏切り、嫉妬、憧れ、真実が手を取り合う。
『みんな蛍を殺したかった』の著者が
青春と友情の極致を描く最高傑作!
【ルール】
・二人一組になってください。
・誰とも組むことができなかった者は、失格になります。その回の失格者が確定したら、次の回へと続きます。
・一度組んだ相手と、再び組むことはできません。
・残り人数が偶数になった場合、一人が待機となります。
・特定の生徒が余った場合は、特定の生徒以外全員が失格になります。
・最後まで残った二人、及び一人の者が、卒業式に出席できます。
・授業時間は60分です。
《あらすじ》
「このクラスには『いじめ』がありました。それは赦されるべきことではないし、いじめをした人間は死刑になるべきです」
とある女子高の卒業式直前、担任教師による【特別授業(ゲーム)】が始まった。突如開始されたデスゲームに27人全員が半信半疑だったが、余った生徒は左胸のコサージュの仕掛けにより無惨な死を遂げる。
自分が生き残るべき存在だと疑わない一軍、虚実の友情が入り混じる二軍、教室の最下層に生息し発言権のない三軍――。
本当の友情とは?
無自覚の罪によるいじめとは何か?
生き残って卒業できるのは果たして誰か?
二人一組になってください
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2024/09/22 19:23
青春スリラー
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
晴れ晴れしい卒業の日が、突如として凄惨なデスゲームに侵される。目に見えるモノから隠れたモノまで、悪意とそれをも凌ぐ無邪気な善意と、あらゆる「イジメ」の形を炙り出した青春スリラー。
自分がヒエラルキーの何処に位置していたかによって感覚が変わるであろう作品。グロテスクな描写はあるが、中高生がこの作品をどう捉えるのか、課題図書にしたら新しい見解が生まれて面白そう。
登場人物一人一人が良くも悪くも芯を持っていて、言動の違いがクリアに見て取れる分、色んな価値観に悩まされ、考えさせられた。
「何もしない」という事も同罪になるのだとしたら、それは全員に言える事なのかもしれない。誰かが何かをしてくれるのを「ただ待ってるだけ」の人も然り。
根本的な解決には繋がらないが、このくらい腹を割って話せる場が設けられていたら、彼女たちの日常は大きく変わっていたのかも。人をよく見て、考えて、伝え合う、今の教育現場に足りないモノが見えてきた気がした。