大名倒産
著者 浅田次郎
〈大ショックの若殿vs.逃げ切りを目指す先代〉
天下泰平260年の間に、積もり積もった藩の借金はなんと25万両!
この世のものとは思えぬ巨額の負債を知った嫡男はショックで急死してしまった。
丹生山松平家12代当主は、次男三男を飛び越えて
庶子の四男・小四郎に家督を継がせて隠居すると、
ひそかに「大名倒産」の準備を進め、逃げ切りを狙う。
何も知らずに大名家の家督を継いでしまった
21歳の小四郎は、クソがつくほどの真面目さ誠実さを武器に
最大の難関・参勤交代の費用をひねり出そうと必死に奮闘するが……。
万策尽きた時、人の世を眺めていた七福神たちが動き出す!?
笑いと涙がてんこ盛りの超豪華エンターテインメント。
2023年、映画化決定!
※この電子書籍は2019年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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大名倒産 上
2022/09/12 21:57
大名をやめるたくらみ
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
なかなか楽し気な時代物語である。江戸末期、十四代将軍のころの話である。日本中の大名家が借金まみれになっていた時代である。長きにわたって不戦国家であった江戸時代に、決定的な制度改革をせずに、積もり積もった儀式やしきたりに押しつぶされようとしていた。その中で越後の小藩の計画倒産を目論むご先代様と当代様との対立が、今後、どのように展開するかが、読みどころだろうか。戊辰戦争、ご一新を経て、大名家が消えることが歴史であるが、物語として、どのようにまとまるのだろうか。
大名倒産 下
2022/12/19 20:11
悪役は誰?
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヤマキヨ - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻では既得権益を守ってお家の計画倒産を図る守旧派VSそうはさせじと奮闘する改革派という印象で読み進みました。ところが、そう単純ではないようで、計画倒産までに貯め込む金は目的があって、私腹を肥やすためではない可能性が。お家を守り、進化の行く末を案じているのは一体誰なのか。
大名倒産 下
2020/03/28 12:31
上品な「プリズンホテル」
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コアラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んでいて懐かしさを感じた。有名になる前(直木賞受賞前)の浅田次郎の作品(たとえば「きんぴか」や「プリズンホテル」)に似ているのだ。荒唐無稽で楽しい。最近の作品はまじめに書いていて面白みに欠けていたのだ。本人も楽しんで書いている(のだろう)様子が目に浮かぶ。娯楽小説の決定版です。死神のセリフは「プリズンホテル」の女編集者のセリフそのままだし…。笑えて,ほろりとさせて,後味がよい。文学賞は取れないだろうが(もう取る必要もないだろうし),こういうまじめにおちゃらけた小説は浅田次郎にしか書けない。こういう作品を書いてほしい。