大鞠家殺人事件
著者 芦辺拓(著)
大阪の商人文化の中心地として栄華を極めた船場。戦下の昭和十八年、陸軍軍人の娘・中久世美禰子は婦人化粧品販売で富を築いた大鞠家の長男に嫁いだ。だが夫・多一郎は軍医として出征し、美禰子は新婚早々、一癖も二癖もある大鞠家の人々と同居することになる。やがて彼女は一族を襲う惨劇に巻きこまれ……大阪大空襲前夜に起きる怪異と驚愕の連続を描き、正統派本格推理の歴史に新たな頁を加える傑作長編ミステリ!
大鞠家殺人事件
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大鞠家殺人事件
2021/11/23 13:09
戦時中での横溝正史的なミステリ
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけとり - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白かった。この時代背景・設定でないとできないトリック、動機、ストーリーであり、しかしこの惨劇も10万人殺された大阪大空襲の前では微々たる数でもあり、そこは「たかが殺人じゃないか」を彷彿とさせる…。ちょっと捻ったところもあるけれど正統派な展開だし、大阪弁でも読みやすいし、わからないところにはふりがなや解説があるので読みやすかった。
華やかな時代から始まって、徐々に太平洋戦争に世相が呑まれていく描写が切ないね…。