アクセル・ワールド
著者 川原礫(著者) , HIMA(イラスト)
どんなに時代が進んでも、この世から「いじめられっ子」は無くならない。デブな中学生・ハルユキもその一人だった。 彼が唯一心を安らげる時間は、学内ローカルネットに設置されたスカッシュゲームをプレイしているときだけ。仮想の自分(アバター)を使って≪速さ≫を競うその地味なゲームが、ハルユキは好きだった。 季節は秋。相変わらずの日常を過ごしていたハルユキだが、校内一の美貌と気品を持つ少女≪黒雪姫≫との出会いによって、彼の人生は一変する。 少女が転送してきた謎のソフトウェアを介し、ハルユキは≪加速世界≫の存在を知る。それは、中学内格差(スクールカースト)の最底辺である彼が、姫を護る騎士≪バーストリンカー≫となった瞬間だった――。 ウェブ上でカリスマ的人気を誇る作家の、第15回電撃大賞<大賞>受賞作!実力派が描く未来系青春エンタテイメント! 巻末には、気鋭の作家・川上稔による超豪華な短編小説 & ビジュアル解説企画付き!!
アクセル・ワールド27 ―第四の加速―
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アクセル・ワールド 1 黒雪姫の帰還
2009/02/07 23:41
練り込まれた世界観、バーチャルでの生々しい人間関係
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
15年前に登場した、ニューロリンカーと呼ばれる脳と量子無線接続する携帯端末により、リアル世界での生活をバーチャル・ネットワークでサポートできるようになった。学校という空間はあり、そこに中学生が集まることも変わりないのだけれど、授業内容は目や耳を介すのではなく直接脳内で映像化され、理科の実験も家庭科の実習もバーチャルで行われる。
そんな世界で生きる中学生の一人である有田春雪は、太ったいじめられっ子。昼休みも一人トイレの個室で学内LANに接続し、生徒の誰も興味を持たないゲームで時間を潰していた。そんなある日、誰も抜かせるはずがないと思っていた自分のハイスコアを、軽く抜かしてしまった生徒がいることに気づく。それは副生徒会長であり、黒雪姫と称される校内一の美少女だった。
彼女は、ハルユキにブレイン・バーストというアプリケーションを送信してくる。そのアプリは現実を壊してくれる、という黒雪姫の誘惑に乗った彼は、これまで知らなかった世界を知る。加速世界と呼ばれるそれは、一定時間だけ思考速度が千倍になる世界だった。そして、ハルユキと黒雪姫の戦いが始まった。
読み始めてすぐ、紹介される世界観がとても作り込まれていることに気づいた。ニューロリンカーの使用上で問題となる様なポイントにもちゃんと対策が取られている。個人的に気に入っているのは、この加速世界が人為によるものだということ。人為により作られたものは人の手で変えられるはずなので、知恵と勇気で必ずどうにかできるはず、という希望がある。
まだまだ物語の先は長そうなので、今後の展開が非常に楽しみです。
2020/09/10 16:27
圧巻の情報量、作者さんの思考の加速力がすごい
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:quest - この投稿者のレビュー一覧を見る
作中の時間経過が遅すぎて読者が加速世界にいる気分。メタトロンの気持ちがほんの少しだけわかります。しかし、待ったかいがあった内容。ハルユキと仲間の絆が盛りだくさんに凝縮されてて目を通す度にグッとくるものがあってそのどれもがしっかりした背景と筋があって一年の間を埋めるに十分、長く待つ分膨れ上がる期待に答えてもらってます。しかし、ハルユキはどこまて強くなるのか、限界を感じさせませんね。精神的にも強くなりながらも控え目な性格に共感できますし、ハルユキに心を開く女性の嬉しさがめっちゃ伝わってきますね。そしてなんといってもハルユキの覚醒シーンは圧巻です。過去の出来事が凝縮され走馬灯のように感動の悲しい場面が蘇り今この瞬間に繋がっていると思えるのも長く太くこの作品が続いてる証。まだまだ続いてくれることが有難いです。
アクセル・ワールド 8 運命の連星
2011/10/18 21:24
現実と仮想、相互作用のスパイラル
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
ISSキットを装着し負の心意に囚われてしまった黛拓武は、ネガ・ネビュラスの全てを有田春雪に任せ、全損覚悟でISSキットの中心へ挑もうとする。そんなタクムに対しハルユキは、自分の気持ちをぶつけ、彼の心を肯定する。
タクムをISSキットから開放するため、倉嶋千百合にも事情を説明し、ISSキットが侵食してくるという就寝中の出来事に対応出来るよう、直結をしたまま眠ることにする。そして彼らが心意システムを通じて導かれた先にあったのは、ブレイン・バースト中央サーバーと、そこに巣食うISSキット本体の姿だった。
そして運命の帝城脱出作戦が開始される。ブレイン・バーストの世界で経験したことがハルユキに新たな視点を獲得させ、それが現実世界の生き方にも良い影響をもたらす様になって来たいま、どんなピンチでも、仲間の協力があれば切り抜けられるはずだ。
だがそれで万事めでたしになるほど、現実は甘くはなかった。ISSキット関連で共に無制限中立フィールドに降り立ったはずのアッシュ・ローラーに関係して、それまでの努力を無にするような事態が起きてしまう。
また最後は続くになりました。色々分かってきたような、まだ分からないような、そんな感覚になる展開です。