健康で文化的な最低限度の生活
著者 柏木ハルコ(著)
新卒公務員の義経えみるが配属されたのは福祉事務所。
えみるはここでケースワーカーという
生活保護に関わる仕事に就くことになったのだが、
そこで生活に困窮した人々の暮らしを目の当たりにして――
新聞メディアはもちろん、
現職のケースワーカー、医療、福祉関係者の方も注目する本格派ドラマ!
[生活保護]に向き合う新米ケースワーカーたちの奮闘劇、開幕!
健康で文化的な最低限度の生活 13
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健康で文化的な最低限度の生活 8 (ビッグコミックス)
2019/06/29 18:09
栗橋さん、大活躍。 美琴さんは...
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:氷狼 - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙の後輩のみなみちゃんの出番はちょっとだけ。
今回は栗橋さんが中心となる、シングルマザー美琴さんの物語が展開。
昔、同じ児童養護施設で育った幼馴染みとの三人目の子供。
産んで良いのか、それとも?
お腹の子の父親である千尋くんはどう言った人物なのか?
今まだ婚姻関係にある出ていった夫の行方は?
そんな状況で三人目を育てることは出来るのか?
一度お金のない状況に陥ると這い上がるのは難しい。 そして、それは産まれ落ちた環境で決まってしまう部分もある。
不条理を感じます。
生活保護受給者の苦悩と、それを見守る役所側の職員の苦悩。
それらがひしひしと伝わってきます。
そして、同時に人の温かさも。
様々な表情を見せる美琴さん、幸せになって欲しいものです。
物語がスタートした頃はクールだった栗橋さんも、周囲からの影響もあり、自分を見つめ直しつつある様子。
美琴さんに肩入れし、ぶちギレる栗橋さん。
そして、ぶちギレたことに後から動揺したり。
最初の頃よりも人としての魅力が大分上がってきた気がします。
人と人の良い交流は人を成長させる。
そんな気が。
他の子供たちにもそれぞれに変化が。
今回の流れ、この巻まで子供の貧困にスポットが当てられています。
もっと産んで欲しいと某元大臣のあまりにも現状を見ない軽い発言もありましたが、つくづく今の世の中、それが出来る環境ではないなと。
政治家はきちんと手を打った上で発言しなければ。 つくづく今の政治家は中身がないと思い知らされます。
せめてこの作品を読んだら?と言いたい。
本巻で子供の貧困問題は終わり、次巻からは貧困ビジネス編が始まります。
まだまだ存在する福祉の壁。
次はどの様な物語が紡がれるのだろうか?
健康で文化的な最低限度の生活 1 (ビッグコミックス)
2017/06/10 18:49
作者のお話を聞いて
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:玉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
さきほど、作者の柏木さんから、この本ができるまでのお話をうかがいました。ふつうなら、2~3か月の取材で執筆、連載ということになるようですが、この本は、準備だけで2年を要したとのこと。それだけ深い取材にもとづくリアルな現実によってできた作品なので、評判をよんだわけですね。
健康で文化的な最低限度の生活 7 (ビッグコミックス)
2018/09/04 07:26
栗原女子、母子家庭のネグレクトに挑む
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
杉山春氏の「ルポ 虐待―大阪二児置き去り死事件」は、2010年夏、大阪市内のマンションで3歳の女児と1歳9カ月の男児の死体が発見された事件を追ったもの。母子家庭の母親のネグレクトが原因だ。なぜ幼い二人は命を落とさなければならなかったのか。母親だけの責任なのか。家族・近所・行政は何をしていたのか。事件の経緯を追いかけ、虐待について考える優れたルポルタージュだった。
今回の「健康で・・・」の現場は、子ども二人が汚れきった部屋の一室に取り残されているところを発見されることから始まる。この部屋の子どもの物乞いが発見のきっかけだ。母子家庭のネグレクトがうかがわれる。このケースを担当するのは栗橋女史。主人公のえみるは今回脇役。これに、子ども家庭支援課の金子いくよがからむ。この金子の仕事ぶりが「かっこいい」。本書では問題の母親が、「これでもか」という問題に直面していく。無表情の母親の得体が知れない闇の表情が怖いが・・・。子どもの「妹がほしい」という言葉に見せる表情の変化が、この漫画の「秀逸さ」を物語っている。
えみるの活躍は次号以降。母親の実家がえみるの担当地域で生活保護を受けているらしい。目が離せませんぞ。