前半は少々トーンダウンしたが、後半の脳死肝移植に移行してからは最後のクライマックスへ向けて一気読みの緊迫感。
2021/11/17 21:27
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
前半は少々トーンダウンしたが、後半の脳死肝移植に移行してからは最後のクライマックスへ向けて一気読みの緊迫感。脳死が法律的に認められてはいないが、ドナーの母親の強い願いもあり脳死肝移植に踏み切った当麻医師だったが、巧みに情報を入手した京阪新聞社:上坂武央記者が執拗に迫ってくる。手術が始まったところで第6巻へとは肩透かしを食わされた感じ。益々第6巻に期待。女性絡みの問題は、大川翔子→当麻医師←江森京子←青木医師に加えて、矢野医師→水島礼子⇔白鳥医師という新しい関係まで浮上。
<蛇足> 本書は1997年の「臓器移植法」成立後の作品であるが、敢えて法成立以前の設定で書かれてることから、「臓器移植法」成立までの苦難の道のりを描こうとしたものと推測したが、作品の広さはそれだけに止まらず医療を取り巻く諸矛盾をも幅広く取り込んだ作品になってるらしい。
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まだ臓器移植法が制定される以前、脳死が人の死であるかどうか決着がついていない時代のお話。「真実患者のためを思い、それを助けたい一念でありとあらゆる手段を講じ、持てる力を振り絞ってやったことならば、なんら咎められることはないと思うのですが。。。」という信念で、いよいよ肝臓移植に向けて動き出す。
しかし、マスコミとか、学会の権威者たちとか、事前にお伺いなんてやってたら、やれるわけありませんわなぁ。いつまでたっても結論の出ないうちに患者さんが持ち堪えてくれるわけありませんから。まぁ、そういうことだから、真実患者のためを思う関係者だけの間で秘密裏にやるしかなく、たとえ成功しても、その後の暗雲を予感させながら、いよいよ次巻は最終巻です。
(2007/7/20)
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天才外科医当麻鉄彦が、外国での研鑚をつみ帰国し、田舎の総合病院で執刀する中、いろんな軋轢等になやみつつ新医療に取り組む。大学病院の実川と生体肝移植を試みる。実川への風当たりが強くなる中、まだ日本では法令化されてない脳死の肝移植を当麻は成功させ一躍脚光を浴びるが、昔からの肝移植学会とかの偉い面々からは四面楚歌となる。そんなおり母親の知人から台湾の病院に是非にと請われる。第五巻
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ついに脳死肝移植に踏み切るわけですが・・・もろもろの現実をここでもまたいっそ軽々と飛び越えるわけで、読者はもちろん当麻先生に感情移入しつつ読むのでしょうが、ワタシゃいい加減新聞記者の気持ちもわかるし、学会の偉いさんの気持ちの方がむしろ、理解しやすいと思ったりもする。スタンドプレーじゃないと言いたいのだろうが、スタンドプレーと思われても仕方ないなあ…
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実川の上司でもある卜部大造が急死。まだ生体肝移植の失敗がさめやらぬまま、教授戦が始まってしまう。そんな時にまたも舞い込んだ脳死肝移植の話。やってみたい気持ちはあったが、今度失敗すれば間違いなく将来の道が断たれることになる実川は二の足を踏む。移植を必要としているのは大川翔子の父・町長であり、肝臓移植しか助かる見込みがないと考えた当麻は、実川抜きで移植をすることを決める。
この巻冒頭の卜部の死が本当に急で、一瞬1冊読み飛ばしたかと思った(^^;その他、この巻では癌の進行した蘭も亡くなる。病気のせいも少しはあったにしても、彼の最後の様子はちょっとがっかり。でもホスピスの実際の現場ではきっと、こんなことも決してないことではないんだろうな。がっかりといえば、当麻が大川翔子を婚約者だと言い訳に使ったのもちょっと。いくら手術のためとはいえ、そこは否定する当麻でいてほしかったな。
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脳死の判定。
というものはいまだに議論されてるのかもしれませんね。
果たして、いいのかどうか?
本人には決定する意思がないし・・・
難しい問題を抱えながら、、、、、
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まずちゃちゃだけど、本書、単行本が出たのが2005年。そのわりには恋愛の進行速度がどうも昭和4、50年代の感じがある。片想いにしても登場人物がピュアに過ぎる感じがする。そうした点で「作り物」感を持つ人もいるだろうな。
また、このシリーズでは「伏線なのかな」と思わせておいて、実は「伏線ではない」というサイドストーリーが多いように思う。それで4巻は少々冗長な感じがしてしまった。
ただこの五巻ではいよいよクライマックスに向けてスタートという感じ。面白く読むことができた。
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社会的コンセンサスが得られていないなかでの脳死肝移植へ向けて、外科医・当麻が動きだした!
やっと話がここまでたどり着いたか、というのが正直な感想。日本のお寒い医療の現状をつぶさに伝えようとしてなのか、話が横道にそれがちなのが残念。さらに、本筋とは関係ない医師たちの色恋沙汰に関する描写もいただけない。とはいえ、困難から目を背けずに患者にとっての最善を尽くそうとうする当麻の姿には感動をおぼえる。
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物語もいよいよ大詰め。町長の肝移植が始まり。
今巻は当麻先生の出番が少なかった。
ただ、当麻先生を取り巻く人々は、いろんな想いを抱えたまま手術に臨んでます。
どうか何も起こりませんように・・・
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作品の紹介
卜部大造が急死した。すぐに後任の教授選が始まり実川も名乗りを上げる。折しも、実川のもとに脳死肝移植の依頼が飛び込んだ。成功すれば間違いなく教授の座を射止められるが、失敗すれば万事休すだ。一方、当麻の身辺も慌ただしくなる。翔子の父大川町長は肝硬変が進んで危篤に陥った。当麻は肝臓移植が救命し得る最後の手段だと告げるが...。
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生体肝移植に向けて一気に動き出す第5巻。医者の人たちって、医療と患者の事以外に色々考えてんだなぁ…とつくづく。『権力闘争みたいなのに左右されて手術を見合わせる』とか本当にあるのかなぁと思う一冊。
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この作品は最初「外科医 当麻鉄彦」という漫画をつくり、それを上下2巻の小説にしたものに、その後 加筆して単行本 全6巻にしたものだそうです。
クライマックスから とっても 面白くって一気に読みました。
最後は本当に感動でした。
信念を持って働く当麻医師の周りにはその世界が広がり、みんなに愛されています。
この作品の中にはとても多くのテーマが入っていました。
脳死問題、大学病院の医局体制の問題、地方病院の医師不足の問題、大学間の勢力問題、男女・親子の人間関係 等・・・。
この作品はずっと手元においておきたい作品でした。
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当麻が病棟長となりホスピスの立ち上げ、ホスピスに入った蘭あららぎの主治医となり、蘭は最期を迎える。脳死患者の母から臓器提供の希望、町長の肝硬変は移植しか助かる道がない、当麻が動き出す。ただ純粋に医療を進めることは困難で、医者同士の権威争い、マスコミの批判的視点、病院の利害関係など様々なものが医療進歩を妨げ難しくしてることが感じられる。
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孤高のメス 第5巻
生体肝移植を行った実川の失敗から1年。自分の目の前に肝移植を行うことで助けられる患者と、ドナーとなる脳死患者がいる。その時医師は何を考え、どんな行動を取るのか?
そもそも、肝移植に当たっては、乗り越えなければならない相性の問題が存在する。いくつもの条件をクリアしなければ移植をすることができないのだが、この体験を基にしたフィクションでは、時期も条件も合致した例がすぐに見つかっている。逆に言えば肝移植を必要としている人と、脳死と呼ばれる人が、実は想像をはるかに超える数 世の中に入るということなのか?
もしそうだとすれば、自分が健康体でいられることが実はかなり幸運なことなのかもしれない。
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4巻で湿っぽく終わったところから急に教授を死なせてしまうという韓国ドラマ的な展開。まぁ、漫画の原作ようなのでやむを得ない面はありますが、教授選と生体肝移植にかかる時代の趨勢をうまく取り入れているなぁという感じ。
前半よりもだいぶ文章も引き締まってきたけど、キャラクターの使い方がまだ雑だなぁとか思ってしまう。