- 販売開始日: 2010/12/27
- 出版社: ダリア文庫e
- ISBN:978-4-86134-262-2
花がふってくる
著者 崎谷はるひ
大学助手の蓮実秋祐は、いとこの袴田涼嗣と同居している。同い年のくせに、際限なく甘やかしてくる涼嗣に、秋祐は密かに恋をしていた。近すぎる距離があたり前になっていた二人だった...
花がふってくる
商品説明
大学助手の蓮実秋祐は、いとこの袴田涼嗣と同居している。同い年のくせに、際限なく甘やかしてくる涼嗣に、秋祐は密かに恋をしていた。
近すぎる距離があたり前になっていた二人だったが、涼嗣が恋人・理名との結婚を決めたことから事態は大きく動き始める。
秋祐は涼嗣への想いにピリオドを打ち、離れる決心をするが――。 ※イラストは含まれていません
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ほの暗く美しい
2019/02/12 21:17
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ニコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙のイメージそのままの作品
田舎の雰囲気や閉塞感と、告白シーンの幻想的な美しさ、恋人になってもこれから先がキラキラ明るいわけではない終わり方、静謐で美しい
エリートなのに人としてなにか欠落している攻めの人物描写が巧み
いとこ同士。
2017/02/18 19:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かすみ草 - この投稿者のレビュー一覧を見る
虫の研究に勤しむ秋祐。結婚間近のいとこの涼嗣を昔から好きな秋祐の切ない心情…思いが報われて本当に良かったなと思えました。
涼嗣が、自分の気持ちを自覚してからの甘さときたら!
花も蛍も今宵限り
2008/09/30 09:05
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今市子さんの美しい表紙につられた私が言うのもなんだが、思いがけない収穫だった。
描かれるのは子供っぽくあどけなさ残る居候主人公・秋祐と、同い年の従兄弟でありながら正反対に大人び自立している同居人・涼嗣。子供の頃からひそかに恋焦がれ続けた涼嗣に結婚話があがるところからこのドラマは始まる。
周りの全てのことに興味も執着も持てず厭世的な生き方がしみこんでしまった涼嗣。そんな彼を遠巻きにしてしまう人々も秋祐にはこぞって愛情を惜しみなく注ぐ・・・。一方秋祐の姉に涼嗣は憧れという恋心を抱いた昔日の夏日、その日から秋祐は涼嗣への恋心を諦めてきた・・・。
二人の関係はどこまでも兄と弟、保護者と子供のような関係だ。が、本当は何にも執着できず、そのわけすら知らずに過ごしてきた涼嗣こそが未熟なのではないかと、ふと思う。何にも執着できないのは実は最も執着している・・・愛するものが、既に手に入っているものだと知らずに安心しきっていたからだと。
ただ本作は「あまりに近くて空気みたいに自然だったから・・・」なんて使い古した展開だけではない。
彼が思い至ったのは、手に入れていたと思っていた、だ。既に所有物!従兄弟という血のつながりのある同い年の友人である秋祐は、涼嗣にとって最初から当たり前に面倒を見る、傍にいて全てを把握しているのが当たり前の存在でありすぎた。
そこに把握してないものがあると、自分のものでない部分があったと知った時。それらが秋祐の告白と「家出」という形で失われていく。
その後の涼嗣のあまりに遅すぎる認識にも、その後の展開の急激さにも苦笑しか浮かばないほど呆れかえってしまう。
ただ、ハッピーエンドで終わらないこのもどかしさと「家」や現実のリアルさが妙に生々しく最後まで引きずるのが面白い。ナンにせよ、今後が気になる余韻を持たせる作品だ。