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  • 販売開始日: 2011/06/01
  • 出版社: 新潮社
  • レーベル: 新潮文庫
  • ISBN:978-4-10-207101-4
一般書

変身(新潮文庫)

著者 フランツ・カフカ , 高橋義孝/訳

ある朝、気がかりな夢から目をさますと、自分が一匹の巨大な虫に変わっているのを発見する男グレーゴル・ザムザ。なぜ、こんな異常な事態になってしまったのか……。謎は究明されぬま...

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変身(新潮文庫)

税込 352 3pt

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商品説明

ある朝、気がかりな夢から目をさますと、自分が一匹の巨大な虫に変わっているのを発見する男グレーゴル・ザムザ。なぜ、こんな異常な事態になってしまったのか……。謎は究明されぬまま、ふだんと変わらない、ありふれた日常がすぎていく。事実のみを冷静につたえる、まるでレポートのような文体が読者に与えた衝撃は、様ざまな解釈を呼び起こした。海外文学最高傑作のひとつ。

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みんなのレビュー971件

みんなの評価3.8

評価内訳

恐。

2018/10/23 21:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ROVA - この投稿者のレビュー一覧を見る

もちろんあらすじもタイトルも存じてはおりましたが、読むのは初めてでした。
思っていたより恐ろしい小説でした。もっとコミカル・・・は言いすぎだけど、
なんというかこう、ザッツ幻想文学、みたいな作品かと思ってた。
怖いよこの作品。変身自体より、周囲の人間の諸々が怖い。
現実社会に置き換えて解釈するのもアリなんだろうけど、
この作品は作品の世界そのままで完結させておきたい。個人的には。

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シュール、リアル、絶望!

2001/02/17 23:30

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:那智黒飴 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 昔、高校の課題図書として読んでかなり暗鬱な気分になった覚えがある。今、読んでもやはり。なにしろリアル。ひたすらリアル。シュールなのにリアル。
 ゲレゴール・ザムザという男が、ある朝、気がかりな夢から目を覚ますと、一匹の巨大な毒虫になっていた。気がかりな夢? 毒虫って? 何故、変身した? 謎は解けないまま、積み重ねられていく日常の描写。
 家族を支えつづけてきた男と彼にすがって生きてきた家族達。この構図が「変身」によって逆転する。本当に理不尽なのは「変身」そのものではない。環境の変化に伴なわれる、心理の変化のほうだ。
 読後、自分の身の上に同じことが起こったらどうしよう、と本気で心配になった。「ありえない」と思うなら、ぜひ一度読んでみて欲しい。笑い飛ばすことが出来なくなるから。

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何故毒虫か?

2000/07/20 17:41

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:2222 - この投稿者のレビュー一覧を見る

主人公ザムザは何故“毒虫”に変身したのか?
この小説の中で毒虫は毒虫的な悪さは何もしていない。
誰かを刺すわけでもなければ、毒を撒き散らすわけでも
ないのだ。なのに人々に嫌悪されている。
問題は毒虫の容姿なのだ。
毒虫が通常人間に害を与えるという擦り込まれた観念
が毒虫をその容姿だけで“悪”にしてしまう。
容姿という実存するものこそが我々の意識をなしている
というカフカをどう見るか?

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救いはどこに?

2007/04/08 20:27

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あん - この投稿者のレビュー一覧を見る

今更ですが、初めて読みました。話自体は昔から何となぁく聞き知っていましたが、チェコで「カフカの家」を観るまでは特に興味もなくここまで来ました。
大人になったし、そろそろ読もうかと。
予想より読むことは容易く、意外でした。
それだけに、グレーゴルの立場に立って読み進めてしまうので、より辛かった。
家族の為にあくせく働いてきて、ある朝突然虫になってしまって、家族中から疎まれる…こんな虚しいことってない。
カフカ自身は否定していたようだけれど、やはりカフカ自身の投影な気がして仕方ありません。

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単センサーの物語

2005/09/22 09:03

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:佐伯シリル - この投稿者のレビュー一覧を見る

 三年前にロシアで映画化されたカフカの『変身』が、いま日本で公開されている。監督は演劇界で活躍しているワレーリイ・フォーキンだ。サテュリコン劇場で上演された舞台版の映画化なのだろうか。
 さっそくシネマ版『変身』のオフィシャルサイトへ飛んでみたのだが、メイエルホリドのスコアブック脚本スタイルを採用しているところからすると、見せ場である変身のシーンはどうやら舞台版と同じ手法であるらしい。ネタばらしを控えたいので、ここでは一言、役者の演技力にかかっているとだけ言っておこう。

 ブランショの『カフカ論』だったか、彼によるアンソロジーの小論集だったか、記憶が定かでないのだが、カフカ世界をトーキー映画(おもに初期のコメディ)になぞらえて語っている論文がある。ドタバタ劇の登場人物たちの思考と動きはその目的性に対して極めて単一的であり反復的であるといった内容だ。
 そもそもパントマイムの意味伝達の力は単一性と反復性によって支えられているのだから、そうならざるをえないのだが、言葉を換えればその思考と動きは「虫」っぽいとも言えよう。
 技師Kは城に辿り着くことしか考えていないし、グレゴールは会社へ行くことしか考えていない。そうして、行く手を遮られた虫のように、壁にぶつかってひっくり返り、同じところを堂々回りしている。

 カフカの描く世界にはメタな問いがない。グレゴールは「会社とは何か」「そもそもなぜ会社へ行かなければならないのか」など考えない。Kにとって城と測量の仕事は問うべからざるものであり、メタからの見直しのない回避不可能な絶対性の何物かなのであって、それを考えたり期待したりするのは読者だけである。
 グレゴールは最後に死んでしまうが、メタのない物語に終わりを与えるにはとりあえず死んでもらうしかないわけで、筆を置くためのカフカの方便であって、それが終点でもなければ結論でもないだろう。終わりを探したいなら、カフカの物語は始まりの段階で、すでに終わっているのだ。

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読者が完成させる小説

2023/07/04 11:26

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ブラウン - この投稿者のレビュー一覧を見る

起きたら虫になっていた主人公グレーゴルの視点で、日常が淡々と紡がれていく。整然と出来事を書き綴っているようで、時折、寄り道というか脱線というか、筆が迷っているような文章から、突然にして正気に戻る。あたかもグレーゴルの心の浮沈を表しているように鬱々と語られる物語は、作者が認めるように、決して出来の良いものではない。
しかし、滅多にないことだが、このように欠けた作品は鑑賞者の想像力を刺激してやまない妖術的な魅力を湛えることがあり、本作も例に漏れずその類の怪作だ。他の読者がどう感じたかよりも、これを手に取ったあなた自身がどう感じ、想像力をどう働かせ、本作の欠点をどう埋めるかが重要な作品なので、少しでも気になった方は早めに手を伸ばされることをお勧めする。

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虫が意味するものとは?

2023/08/27 01:36

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まさ - この投稿者のレビュー一覧を見る

ある朝目覚めると虫になっていた青年グレーゴルとその家族の物語。

献身的に家族の為に尽くしていたグレーゴルが、虫になってしまったが為に家族に酷い扱いをされていて不憫だった。

悪いことはしていないはずなのに衰弱して死んだグレーゴルと希望の持てる新たな門出を迎える家族の対比がなんとも言えず、モヤモヤ。

また、最後に家族への愛情を思いながら静かに息を引き取るグレーゴルを思うと悲しい。

ただ、虫になった理由も分からないまま悲観することなく、その事実を受け止めていく様は少し不気味だった。

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いい価格

2021/07/17 18:21

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ミチ - この投稿者のレビュー一覧を見る

ある朝グレゴール・ザムザは・・・で始まる物語り。価格もお手頃、ページも薄く、読みやすい。カフカを読んでいるとくせになる。

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初めてのカフカ

2020/07/11 12:05

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かなた - この投稿者のレビュー一覧を見る

初めてのカフカだったが、冒頭一行目から奇妙な世界へ引き込まれ、続きが気になり、どんどん読み進めてしまった。
訳文も読みやすい、かつ頁数も少ないので、カフカ初心者にもオススメ。

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まさに斬新

2020/06/16 17:21

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kitten - この投稿者のレビュー一覧を見る

カフカといったらこの作品。まず虫に変身したことに対して、誰も疑問を持たず、説明なく物語が進んでいく。虫に変身した理由よりも本質に重点を置く、まさに斬新な作品です。

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「自分」はどこにあるのか

2020/02/17 00:53

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ワズ - この投稿者のレビュー一覧を見る

何度読んでも恐ろしくなる。もし明日起きて自分が虫になっていたら…とつい考えてしまう。書き出しは有名だが、その最後を知らない人も少なくはないのではないだろうか。是非この不安定な世界を体験してみてほしい。

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衝撃の変身がもたらす事は。

2019/11/14 11:07

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:E司書 - この投稿者のレビュー一覧を見る

目が覚めると、自分が巨大な虫に変わっていた。突然の事態に困惑しながらもいつもの日常が過ぎていく・・・。主人公グレーゴルと仕事、家族、社会の繋がりが虫に変化してからどのようになっていくのか。また、虫にに変化した原因は何なのかもわからないまま物語は淡々と進んでいく。虫に変化することで家族との繋がりが微妙に変化していき、最後はあっけない結末に・・・。読み手にとって様々な解釈が生まれる名作です。

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不条理の甘受と受忍

2015/09/14 23:06

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Otto - この投稿者のレビュー一覧を見る

主人公グレゴリー・ザムザにとって徹頭徹尾、不条理な物語です。
作中に一切の救済はありません。
しかし、読者である私はいつの間にかザムザと共にその不条理に
否応なく飲み込まれました。

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個人的には理不尽な話だと思った

2015/09/12 14:49

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:けy - この投稿者のレビュー一覧を見る

頑張っていた息子でも、虫になり迷惑をかけるだけになってしまえばすっぱりと切り捨てられる。いきなり虫になったのは確かに不条理だと思うが、その後のザムザは理不尽な仕打ちを受けた。なんにしても、酷い話だ。

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不条理をテーマにした王道作品です

2015/03/22 23:53

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る

ある日目覚めると、主人公のザムザが巨大な毒虫に変貌していたというブっ飛んだ設定の本作は海外文学の名作と評されており、他の方の解説の通り、歴史背景も感じつつ読むとより一層の深みを感じつつ読むことが出来ると思います。

しかし、文学そのものに興味がなくても、歴史背景を気にせずとも、一つの読み物として充分面白いです。笑えるほどにリアルな毒虫の苦悩、あまりにも不条理な展開は不条理をテーマにした王道作品と言えるクオリティです。

「堅い古典作品はちょっと…」と思っている人でもそこまで苦労せずに読めると思います。

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