ブルー・ブラッド 虚無編(上)
23世紀の火星都市。軍士官学校のエリート、ユージィンは政財界に君臨するアフォルター家の娘・アンゲリカと婚約した。輝かしい将来が約束された反面、上級生のフォルカーから悪質な...
ブルー・ブラッド 虚無編(上)
商品説明
23世紀の火星都市。軍士官学校のエリート、ユージィンは政財界に君臨するアフォルター家の娘・アンゲリカと婚約した。輝かしい将来が約束された反面、上級生のフォルカーから悪質ないやがらせを受けるようになる。親友のヴィクトールは心配するが、ユージィンはじっと耐えつつ、自らの野望達成の機会を狙って密かに動き始めていた。様々な思惑が渦巻く火星都市で、最後に笑うのは…!?
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23世紀の火星で、ユージィンの孤独な頭脳戦が始まる
2001/11/08 11:03
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投稿者:うつほ - この投稿者のレビュー一覧を見る
絶対的な権力を手に入れるため、アフォルター家の婿としてアンゲリカとの婚約を発表したユージィンだったが、後ろ盾も、家柄も何もない彼への反発は少なくはなかった。見えないところでの嫌がらせは後を絶たない。だが、ブルー・ブラッドの総帥ハインツは、彼の庇護を一切行おうとはしない。ユージィンは表向きはアンゲリカの婚約者だが、まだ真に認められているわけではなかった。これくらいのことで潰れてしまうのならそれまでの男だということ。彼は何でもない風を装い、それらを無視し続ける。
ルナ・マーセナリーズ。美しさと、洗練された物腰、喋り、社交術を駆使してブルー・ブラッドの後見を得て、上流社会で力をふるう女たち。彼女らと、ビュールマン家の綻びと、そしてヴィクトールとをそれぞれ絡めての巧妙な仕掛け。23世紀の火星で、ユージィンの孤独な頭脳戦が始まる。
キル・ゾーンよりも、ブルー・ブラッドのシリーズの方が個人的には面白いと思ってる。この世界観の話の中で一番の嫌われ者らしいユージィン。でも、私はユージィンが大好きだったりする。目的を遂げるためなら、笑って人を瞞すことも厭わない。表面的には嫌な人間だと思われやすいんだろうが、順風満帆に生きてきたわけじゃない。いや、苦境の中をはい上がってきた人間だ。その苦境を回りにそれと覚らせないまま、いつのまにか高い地位にのし上がっているんだからそれもアリかな、と。
目に見えた綺麗さなんていらない。汚くても何かを全てなげうっても自分のやりたいことをやり遂げればいい。そう言う生き方の方が好き。なんだか。